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852話 スライム退治のその後で

アレク、カイン、レッドは上空から地上を眺めていた。


「アレク、これ拙くないか。」

「・・・・・」

「アレク、凄く拙いよね。」

「・・・・・」

「大問題だぞ。」

「・・・・」

「大問題だね。」

「・・・仕方ないだろう。こうなってしまったんだ。」


それはフロンティア大陸の約3分の1が消滅してしまっていた。


アレクが星落としによって巨大スライムを焼き払う過程で、少しだけ大きな隕石となってしまった。

その為に、地上に落とされた隕石の衝撃はすさまじく、フロンティア大陸に巨大なクレーターを作りだした。そこに海の水が流れ込んでしまったのだ。


「そんな事より、上空に舞った塵や土を早く回収しないと作物が枯れるぞ。」」

「そうだった。何か寒くなってきたな。」

「そうなのわかんない。」




世界各地では


「た太陽が隠れていくー。」

「神の祟りだーーー。」

「馬鹿か、その神が星を落としたんだよ。」アレクは一部で信仰の対象となっていた。



「バキューム作動させろ。」

「バキューム作動。」


グウオオオオオオオオン


「おおお、塵を吸い取っているぞーー。」

「でもこれ空の塵まで吸いとれるのか。」

「空は、ドラゴン様がやってくれるんだよ。」




艦内


「よし、塵を取るぞ。」

「はっ。」


世界各地では、バキュームによる塵の吸い込みと上空からは、船と船の間に結界を張り塵を集める作戦である。


「2艦ペアとなり世界中を飛び回れ。」

「「はっ。」」





「アレク様、調査報告によりますと、アース大陸の北部とタンドラ北部には塵等は到達しませんでした。」

「そうか、惑星全体を覆わなかったんだな。よかった。」

「ですがかなりの被害が出ると思われます。先日の星落としで太陽が隠れ数日で作物が枯れてしまいました。」

「このままなら食料不足という事だな。」

「左様です。人的被害がないだけに食料不足は深刻化するでしょう。」

「浮遊島からの援助がある。あそこには大量の食料が保管されている。」



フーリン領



「海じゃぁっぁぁぁ」

「海だねーーー。」


フロンティア大陸の一部(3分の1)が消滅したことでフーリン領(内地)であったが、海岸まで数十キロの近くとなっていた。


「じい、海は広いのじゃぁ。」

「姫様、海はしょっぱいのです。なめてみてはどうでしょう。」

「なにしょっぱいのか。」ゴクゴク。グエーー。何じゃゴホゴホ。

「ホホホホ、姫様水をお飲みください。」

「じいは意地悪になったのじゃぁ。」

「姫様、海が近いと言う事は塩が手に入ると言う事です。」

「おおおそうじゃ、塩なのじゃ。」



フロンティア大陸の形は太ったサツマイモの形をしていた。だが星落としによってその形は大きく変わってしまった。サツマイモの先をガブリと東側からかぶりついた後の様になっていた。北部西側は半島という形で残り半円を書くように消滅していたのである。





「アレク様、オリオン王都で人工太陽が稼働いたしました。」

「やっとか。」

「はい。迷宮による人工太陽で作物が育ちます。」

「だが迷宮の近くだけだな。他の地域では暗闇で生活が続く。早く解決しなければな。」

「左様です。オリオン王都と他数か所で人工太陽が稼働できます。」



ある都市


「「「「「おおおおおおおお」」」」」


この都市では結界によって守られた畑と町であったが、塵によって太陽の光が遮断されていた。

そして今日、人口太陽によって光が戻ってきたのである。


「よいか、この人工太陽は、朝6時から夕方5時までだ。一気に真っ暗になるから気を付けてくれ。」


「「「「「おおおおおおお」」」」」


「町長、みんな解っていないですよ。」

「仕方ないだろう、ここ数日真っ暗闇だったからな。」

「でも本当に太陽が隠れてしまいましたね。」

「そうだな、そんなことありえないと思っていた。」

「ですね、事前に説明されていてもこの大混乱です。人工太陽のない地域はもっと混乱しているでしょう。」



ある都市(北部半島)


「うおおおおーーーーーー。食い物と奪えーーー。」

「世界が終わるぞーーー。」

「今食べなきゃなくなるぞーーー。」

「キャァハーーー、死ねー、殺せー、奪えー。」


「誰か助けてーーー。」

「さけべー、泣けー。ギャハハハハ。」


ボコッ。

「へっ。」

「大丈夫か。こいつらは始末するから待っていろよ。」

「お前らの血は何色だーーー。おりゃーーーー。」


ボコボコボコ。

キャン、キャン、お助けをーー。



「うるさい、死ねよ。」



「あありがとうございます。」

「応、この町はどうしてこうなったんだ。食料も避難指示も出ていただろう。」

「そそれが、この地の領主様が、世界の破滅だ呪いだと騒ぎ、領民たちも領主様の言う事だと信じてしまい、統制が取れなくなってしまいました。」

「馬鹿だな、俺でもそう思わないぞ。ただ塵が舞っただけだからな。」

「・・・・・・」


「カイン、どうするのここの町人避難させる。」

「レッド町の様子はどうだった。」

「うん、かなりの食料が無くなっているね。それに人もかなり殺されているよ。」

「どうするかな。」

「ああのー、他の場所へ連れて行ってください。この場所ではもう生活できません。」

「まぁそうだよな、こんなに死体があったらな。住めないな。」

「レッド、移住にはフーリンにするか。」

「そうだねフーリンなら援助もしやすいね。それにこの半島の殆んどがこんな状況かもね。」

「だよなー。」


フロンティア大陸北部で海に沈まず、残った西側北部(半島)では衝撃のすさまじさと熱風によって大きな被害が出ていた。結界によって守られた町や都市であったが、数日後に結界が無くなると大混乱となってしまっていた。

事前の説明と対策があったが、領主や支配階級の者達は、自分たちが生きるために食料を出さなくなった。領民たちは食料を求め暴動、略奪を興したのである。


「フーリン領は、神域化しているからね。それに人工太陽もつくったから問題ないよ。」

「かなりの人数が出そうだな。」

「仕方ないよ。スライムを倒すためだったんだから。」

「そうだな。俺の活躍がなかったけどな。」

「アハハハカインそれが不機嫌な原因だね。」

「・・・・・」




そして重大事件が


「姫様、今日のおやつは無しです。」

「なななななんじゃとーーー。」

「今、フーリン領では移住者が押し寄せています。姫様がおやつを食べると移住者2人が受け入れられなくなります。姫様は、困った人を助けてあげたいのでしょう。ここは我慢です。」

「うっ、おおやつ半分ではダメなのかじゃ。」

「ダメです。10日はおやつを我慢してください。」

ガーーーーン。「とととと10日・・・・・」


ガックリと項垂れる姫様であったが、原因がおやつである事で誰も相手をしてくれなかった。


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