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849話 食料不足

「アレク様、スライム駆除ですが、マグマを使いかなりのペースで進んでおります。」

「そうか、少しは落ち着くな。」

「はいですが、火山の無い地域ではスライム駆除が進んでおりません。そこから駆除の済んだ場所に移動しております。」

「それはそのままでよい。火山地域に集まればそのままマグマに飲み込ませるだけだ。」

「ですがよろしいのでしょうか、噴火によって火山灰がたまり作物が育たなくなります。」

「今は、作物よりスライムだ。スライムを駆除しない限りこの大陸は済む事が出来なくなる。」

「分かりました。灰は他に何か使用用途を探してみます。」

「頼むぞ。」




「アレク、一緒にスライム狩り行こうぜ。」

「カイン兄、気軽に言いますね。」

「俺が新しい技を使ってスライムを倒しているんだ。アレクも何か考えろよ。」

「新しい技ですか。」

「そうだ、核を潰さないと殺せないんだろう。素手じゃダメ出し。剣もダメこれじゃ俺じゃどうにもならないと思ってな。新しい技を考えたんだよ。見せてやるから一緒に行こうぜ。」


アレクは気分転換と思いカインとスライム狩りに出かける事になった。




「いいかアレク。よく見とけよ。」


カインはアレクに一歩前に出る。

正面にはモゾモゾと動くスライムが5匹いる。カインの気合の掛け声が木霊する。


「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

カインの気合の入った掛け声が続く、だが何も起こらない。アレクは可哀そうな奴を見る目でカインを見ていた。それでもカインの掛け声が続く、するとカインの背中から手が生えてきた。

「おりゃおりゃおりゃぁぁぁぁぁ。」


カインの背中から生えた腕はスライムに伸びていく。スライムの膜に手を突っ込みそのまま核を取り出していく。


「どうだーーーー。」


「・・・・・・凄いですけど時間が掛かり過ぎですね。」

「うっ、そうだけど凄いだろう。これ魔力で作ったんだぞ。まだ自由自在とは言えないけどな。」

「カイン兄の発送は面白いですね。それ魔力ですよね。」

「そうだ魔力だ、素手で触れないからな、魔力なら酸も問題ないだろう。少しスライムに吸収されるけど一瞬でとれるようになれば問題ないだろう。」

「でもその魔力を出すまでの掛け声何とかなりませんか。」

「あーーそれを言うのか、あれは気合だーー。あの掛け声があるから俺の秘儀孫の手が出来るんだぞ。」

「ま孫の手ですか。ぶぅふっ。ブハァー。」

「あーーー笑ったなアレク。俺の秘儀を笑ったな。」

「笑っていませんよ。ブッ。」


アレクとカインは久しぶりの喧嘩となった。誰もいない荒野での喧嘩となり、多くのスライムが同時に駆除されていた。




「おりゃぁぁぁとりゃぁぁぁぁ。」

ボコッ、バキッ、ヒュン。




「なぁアレク、かなりのスライムが死んだな。」

「そうですね。カイン兄の魔力の衝撃破でスライムが消滅しましたね。」

「あれはスライムの核が衝撃破で、粉々になったのか。」

「でしょうね。魔力の衝撃に核の維持が出来なくなったんでしょうね。スライムの核は魔石と違ってかなりもろいですからね。」

「そうだな、手で潰せるぐらいだからな。」



幾分かすっきりしたアレクとカインはフーリン領へと戻っていった。


「アレク様、竜人が謁見を求めております。」

「竜人か会おう。」


アレクと竜人の謁見は、スライム対策の事であった。南部を領土とする竜人たちは北部からの難民に苦慮していたのであった。少しでも遠くに逃げようと南部にいく者達が多くいたのだ。竜人たちも出来る限り受け入れていたが限界値に達していた。そこでオリオン王国の王であるアレクに援助の申し入れをしてきたのであった。


「要望は分かった。食料援助はしよう。」

「ありがとうございます。南部にも火山灰が降り積もってきています。作物が枯れ、食料の確保が急務であります。」

「火山灰は何とかする、だが今はスライムの駆除が最優先だ。」

「分かっております。スライム駆除が出来なければこの大陸が滅びます。」

「竜人たちにも協力してもらうぞ。」

「もちろんです。南部よりスライムを駆除ができる者達を連れてまいりました。お好きなようにお使いください。」

「ありがたい。」



それでもスライムの勢いはもの凄く何とか現状ラインを維持するだけで一杯一杯であった。


「前戦を押し上げる事は出来ないか。」

「無理です。広範囲過ぎます。」

「だよな。大陸の東から西迄だもんな。ハァァァ。」

「陛下。食料が足りません。」

「どのくらい持つ。」

「今の状況ですとあと2か月でフロンティア大陸への援助が出来なくなります。」

「アースとタンドラでの増産は間に合わないか。」

「間に合いません。空白期間が出ます。一月半の間空白期間が出てしまいます。」

「魔物の肉、迷宮産の作物を確保しろ。配給を30%減らせ。何とか持たせるぞ。」



そして各地で


「肉(鹿)だーー、肉が逃げたぞー。」

「俺の肉だーーー。」



大陸全体の食料不足は深刻化していた。配給により生きる事は出来ていたが、皆腹を空かせていた。



「お菓子が売っていないのじゃ。」しょんぼり

「暇様、仕方ないよーー。」

「ん、パープルそれは何じゃ。」

「これ、水あめーだよ。」ペロペロペロ。

「おおおおおかしじゃーーーー。」


ドラゴン秘伝の水あめである。浮遊島からの輸送物である。


食料不足に悩むフロンティア大陸であったが、ここフーリン領だけはかなりのんきであった。


「美味しいよ、姫様食べる?」

「食べるのじゃぁぁ甘い物なのじゃぁ。」

浮遊島からの食料が送られてきたことで食料不足が解消されていった。


「浮遊島の食料は大丈夫か。」

「問題ありません、浮遊島には、数百年もの間貯めた食料があります。今回の食料も300年前の小麦です。」

「えっこのパン300年前の小麦で作ったのか。」

「左様です。浮遊島は、基本下界の事には干渉しません。ですが惑星の危機です出来る限りん事は致します。」

「そうだな、だが今回は助かったぞ。」




フーリンの町では


「何じゃこりゃーーー、美味っ。」


ガツガツ。


「これなに。」

「うまーー。」


この日、配給されたパンは肉を挟んだハンバーガーであった。クズ肉をミンチとしてハンバーグを作り美味しいパンにはさんだのだ。


フーリン名物、ハンバーガーの出来上がりであった。


「このポテトもウマーーー。」

「ハンバーガーとポテトだけあれば俺は何もいらない。これだけで俺は生きていける。」



「美味いのじゃ、美味しいのじゃ。」



フーリン領は今日も平和だった。


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