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848話 スライム狩り

フロンティア大陸北部での救助活動は、進んでいない。

余りにも広範囲である事とまだ被害にあっていない北部の住民たちが避難を拒否していたのだ。


「アレク様、如何いたしましょう。」

「避難を拒否している町や村は説得を続けろ。」


次第にスライム被害が広がる中、アレクの元に情報が寄せられてくる。

大陸北部の内陸部で発生したスライムは、四方に侵食している。


「ただ食べているだけか。」

「アレク様、スライムに意思はありません。」

「だよな。スライムの目的がただの餌の確保だからな。」

「情報によりますとスライムは倍倍に増えているようです。その中でも異種の報告があります。大きなスライムの報告があります。このスライムは他のスライムより攻撃的で食欲旺盛との事です。」

「スライムなんて今まで相手にしなかったからなぁぁ。これほど厄介だとは思わななった。」


そうアレクも人々と一緒で踏みつぶせば殺せる程度の認識であった。それが酸を出すことで触る事も出来ないのである。スライムの核を潰すには手を入れて握りつぶすか、ハンマーでたたき粉々にするかであった。剣や槍で核を斬っても粉々にはならない為に殺すことが出来ないのだ。分裂すだけなのだ。




「報告します。スライム討伐へ向かった兵200人の内怪我人67人です。」

「怪我の状態は。」

「はい、すべてスライムの酸によって溶かされました。ハンマーで核を攻撃中に酸が飛び散り兵士に付着しました。」

「中に手を入れるよりはましだな。いいか治療スキルを持った者以外は近づけるな。」

「はっ。」



「アレク大変だーー。」

「どうしましたカイン兄。」

「ドラゴンがスライムに食われた。」

「はっ?ドラゴンが食べられた?」

「そうだ、ドラゴンが救助に向かった先で大きなスライムが現われた。そのスライムがドラゴンを飲み込んだ。」

「マジですか。」

「マジだ。スライムやべーぞ。」

「カイン兄、その大きなスライムは上空から見張りましょう。きちんと倒す手立てを見つけてから対応しましょう。」

「応、それまでは見張っとくわ。」

「お願いします。ドラゴンたちにも手出しないように伝えてください。」

「だけどアレク、スライム倒せるのか。まだ小さなスライムだったら少し熔ける程度だから何とかなるけど大きなスライムじゃ核に触る事も出来ないぞ。」

「対策を今考えています。今はこのまま救助に専念してください。」





今フーリン領内は難民で溢れかえっている。フーリン領からアース大陸やタンドラ大陸へ避難させているのである。

最初はフロンティア大陸内の避難であったが、スライム被害が拡大していく事で大陸全体に広がる恐れが出てきたのである。





それからも一人一人を救助していった。


北部で避難を拒否していた町や村も事の重大性が理解できたのか。フーリン領へ救助依頼が出されていた。



そしてフーリン領と北部の境界線上では、ドラゴンたちがブレスを放っていた。ドラゴンと地底人が協力して堀を作っているのである。堀は大陸の東から西迄つなげる計画である。幅100メートル以上、深さ20メートルの堀である。


「アレク、東と西の海に繋げないのか。」

「カイン兄、繋いだらスライムが海に出てしまうでしょう。このフロンティア大陸北部に押し込めるんですよ。」

「あんな大きな堀作れるのか。」

「無理でしょうね。」

ガクッ。「無駄じゃねーか。」

「無駄じゃないです。時間は稼げます。幸いまだこの境界線上にスライムは投打つしていません。まだ北部で食べる物があるからです。」




それでもアレク達はスライム駆除を行なっていた。


「第1班投げろ。」


バーーーン。


「班長スライム破壊3匹です。」

「よし、急いで核を探すぞ。」

「はっ。」


この攻撃班はスライムを爆破してスライムゼリーを吹っ飛ばし核を露出させてから核を砕く作業を行っていた。


「核3つ砕きました。」

「よし次行くぞ。」

「班長、これでスライム駆除できるんですか。」

「・・・・やるしかないだろう。これしか攻撃手段がないんだ。」

「ですね。」


スライムの勢いは駆除の数を大きく上回っている。スライムは分裂して弱く(小さく)なるがほぼ無限に分裂する事が出来るのであった。


「今はドラゴンも足止めとしてスライムを殺しているから中央へはまだ当分来ないだろうよ。」

「ドラゴンブレスですよね。でもあれで死なないスライムがいるんですよね。」

「そうだな、だけど死ぬスライムをいる。」

「スライムがこんな魔物だとは思いませんでした。」

「みんなそう思っているな。厄介な魔物だ。」




フーリン領


「アレク。」

「どうしたレッド。」

「スライムは燃えるよ。高熱で燃やし尽くすんだよ。核も灰になる迄燃やせば問題ないよ。」

「燃やすにしてもファイヤーボールぐらいの熱じゃ無理だろうな。」

「そうだよ。マグマぐらいの熱いやつじゃないとダメだよ。」

「マグマか地底人を呼んでくれ。」



「無理ですね。マグマが冷えて固まってしまいます。」

「ダメか。」

「まぐま黙りの中に入れるのであれば可能ですが、地上にマグマを出すことは無理です。」

「マグマだまりに落とすなら行けるか。」

「アレク様、全てのスライムを殺すことは不可能です。小さなスライムから大きなスライム迄何万、何億匹いるのかも分からない状態なんです。」

「やるだけやらなければな。フロンティア大陸全体がスライム天国になる。下手をしたらアース大陸、タンドラ大陸にも来るぞ。」

「ですが、別大陸に来るまでには何十年もかかるでしょう。この大陸から避難さえできればその間に対策も建てられます。」

「俺はこの惑星アースを支配しようとしている王だ。スライム如きに好きにさせるか。」




アレクは、大陸北部の火山に魔動破を打ち込む計画を立てた。


各艦隊に指示を出していく。地底人に協力させマグマの正確な位置情報を手に入れていた。


「艦長、準備出来ました。」

「魔動破、うてーーーっ。」


ドッコーーーーン。


ドドドドドドーーーーー。


「マグマでまーーす。」

「「「「おおおおおおお」」」」


噴火によってあたり一面がマグマに覆われていく。飲み込まれていくスライムたち。


「これで数は減らせるな。」

「ですが、マグマのない地域では使えないですね。」

「それでもこの一帯は駆逐できた。」


アレクは数か所で噴火をさせていった。マグマが冷えるとまた穴をあけて噴火させた。スライムの狩場としていったのだ。


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