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799話 神は祈る

貧乏神それは何も貧乏を推奨している訳ではない。


金持ちが貧乏神に好かれ、没落していく事はたまにあるがそれだけではない。

貧乏神の本質は、格差を認識させることである。人々は平等ではない。生まれから金持ちや貧乏人まで色々な者達がいる。高貴な者から卑下人迄生まれるまでどのような立場の者に生まれるかはわからないのだ。

その為に人は生まれてからが重要になってくる。

その生まれから優雅に一生を終わらせるもの。苦労して苦労して死んで往くものと千差万別である。


神にも色々な神がいる。最高神は別として貧乏神から幸運の神、豊穣の神や商売の神など本当に多彩である。

この中で貧乏神は神の中でも異質である。神同士の中に居てもその仲間は段々と落ちぶれていく。その為に神の中でも敬遠されていくのであった。



「貧乏神は拙くないか。」

「拙いな、この惑星アースが、滅ぶぞ。」

「そそそんなことはないです、惑星アースを銀河一豊な星にします。」

「豊かな星というが、政策はあるのか貧乏神。」


「・・・ま毎日お祈りします。」


「「「はぁぁぁ。」」」


「だダメでしょうか。」

「ダメに決まっているだろう。お祈りだぁ。祈りで国が豊かになるならだれも苦労しないだろうがー。」

「うっ。」

「いいか貧乏神、お前このアースに居たいのなら貧乏神をや・め・ろ。」

「貧乏神をやめる。辞めたいです。貧乏神辞めたいです。」

「天使さん、貧乏神やめるってよ。」

「無理です。神は職を選べません。」

「えっ。こいつは元神だろう。今は神じゃないんだろう。天使だったか。」

「あっそうでした。今は神ではありませんね。元神でした。」

「神になるにはどうするんだ。まぁ貧乏神になったらポイだけどな。ヒヒヒヒィ。」


「アアレクさん、その笑い怖いです。笑顔です。スマイルスマイルですよー。」


貧乏神は必至であった。


「神になるには、条件があります。先ず神格がある事、これは元神になる位ですから神になる条件は整っています。それに今回の中央からの推薦もありますので再び神となる事は出来ます。で・す・が、再び神になる事はもう後戻りは出来ません。この貧乏神がまた貧乏神になってしまう事もあり得ます。その時はこの星が終わります。貧乏神ですよ星全体が貧乏になるんです。」


「「・・・・・貧乏神に賭ける事は出来ないな。地道にやろう。」」


「そうだな、アレクス、俺もそう思う。」

「だろう、神の手を借りずに地道にやって行こう。」


「アレクスさん、アレクさん二人で話を進めないでください。この元貧乏神は必ずやりとげます。絶対です。信じてください。」

「「・・・・・」」


「信じてやってください。こういう性格ですが悪い神ではないんです。少し鬱陶しいだけなんです。」

「まぁダメなら捨てるだけだからな。」

「絶対大丈夫です。絶対にだいじょ・・・・」

「天使さん。神になるにはどうするんだ。」

「それは宣言するのです。神格のある者が私は神だと。宣言します。」

「それだけ。」

「そうです、神になる事の出来る唯一の方法です。」

「誰だって出来るだろう。宣言だけなら。」


チッチッチッ


「甘いですよアレクさん、神が宣言するんです。力の無い者、邪悪な者は神にはなれません。中途半端な者が神になろつとすればその者は無になります。生まれ変わりも何もない無になるのです。」


「宣言か、元貧乏神、このアースの神となるのならばどんな神となるんだ。」

「ははははい、この元貧乏神は・・・・・かか考え中です。」

「お前、何も考えていないな。」

「さ最高神になります。全てを司る神のなります。」


「無理だな。」

「ああ無理だろうな。」

「無理ですね。」


「うっ・・・・」


「いいか貧乏神、お前は生命の神になれ、今この魂を救う事こそがアースを救う事になるんだ。魂の救済と星の未来を願い、宣言しろ。いいか貧乏神を絶対に願うなよ。」


「ままままかせてください。この元貧乏神は神格はあるのです。最高神になれるほどの神格があるんです。」


「天使、この場での宣言でいいのか。」

「出来れば神のいる場所での宣言がいいですね。今回の目的は魂の救済です。この地はうってつけですが、アレクさんが言っていたような、迷宮を利用してはどうでしょう。迷宮をこの地に作り神の社とするのです。」

「いいなそれ、ガレオン号に迷宮核があるから出来るな。元神少し待っていろよ、生命の神になれるように必死で祈っていろよ。なれなければポイだぞ。」

「ままままかせてください。だだ大丈夫です。」


アレクは急いで迷宮核を探し不毛の地に迷宮を設置した。だが魔力がない事で迷宮が大きくできなかった。


「これは拙いな。」

「アレクス何か方法はないかな。」

「魔力を集めるしかないな。迷宮は魔力がすべてだ。」

「だよな。如何するかな。アレクス魔力って作れるよな。」

「作れるぞ、人も魔力を作っているからな。魔物も木々も魔力を作っている。もちろんこの星も魔力を作っているな。」

「なら魔石を加工して魔力製造機を作るぞ。このままじゃぁダメだろう、いくら人から魔力を取っても全然足りないだろう。」

「そうだ、生命を生み出すんだ。魔物とは訳が違うからな。莫大な魔力が必要になるな。」

「天界のその生命の泉だったか。それは魔力の水なのか。」

「いいや違うな、私も詳しくは分からんが、魔力だけなら生命の泉は何処にでもある事になるからな。」



アレクは独自の解釈で魂の再生を構築していく。迷宮が生み出す生命に魂を付着させる構造をあみ出していく。


「す凄いですアレクさん、あなたは神ですか。」

「元神さん、お前が神になるんだよ。」

「そそうでした。」


この元神は今一威厳という物がない。最初は少しだけ威厳があったようだが、メッキは剝がれてしまっていた。


「いいか元神さん、この迷宮はこうやってこうなるんだ・・・・だから命が生まれてくる。分かったか。」

「分かりません。何故でしょうね。全く理解できないです。」


「・・・・マジか。元神お前、科学って言葉知っているか。」

「し知っていますよ。これでも地球で科学と学習を毎月取っていたんです。」

「はっ何言ってるんだ。」

「あっ失礼しました。毎月の付録が楽しみで取っていたんです。」


「訳わからん。」


「まぁアレクそう怒るな。こいつに何言っても無理だと分かっただけでもいいだろう。」

「元神さん、本当にダメなら捨てるぞ。」

「だだ大丈夫です。毎日寝る前にお祈りしていますから。任せてください。」



アレクはこいつは駄目だと確信してしまった。神が神に祈ってどうするんだ。

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