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792話 アレク、戻る

意識世界から戻る事の出来ないアレクは、迷宮核と話していた。


「なぁ迷宮さんよ。このままならどのくらい持つんだ。」

「そうだな、500年は持つな。」

「ながっ。」

「長くないぞ、永遠ともいえる我ら迷宮にしてみればたかが500年だ、一瞬だよ。」

「そうなのか、皇帝の亜空間を今切り離すことになっているんだ。定期的に魔力を供給出来るようになれば問題ないのか。」

「そうだな、魔力さえあれば迷宮は生きられる。この皇帝も拘束しておくことが出来るぞ。」

「それはありがたいな。殺しても又どこかで生き返っても問題になるからな、拘束が一番いいだろうな。」

「私の創り出した牢獄は抜け出すことは出来ない。」


「魔力、魔力、魔力かぁぁぁぁ、どうするかな。どこかに魔力はないかなーー。」


アレクは、亜空間を維持する魔力の供給源を探していた。元の世界と切り離す為に魔力を持ってくることが出来ない。繋げてしまっては万一の事があるからである。


ブツブツブツ。


「あーーーーっ、あったー。」


突然大声を出すアレク。」


「どうした、何か思いついたのか。」

「そうだ、思いついた。邪気は魔力を作り出すよな。」

「邪気か、迷宮の住人とするのか。」

「まぁ住人とするが、働いてもらう。この迷宮とは別に別の亜空間を作る、そこと定期的につないでもらう。アースと繋がっている時は亜空間とは繋がない、逆にこの空間と繋がっている時は別の亜空間とは繋ぐことをしない。万一の為だな。別亜空間に邪気を住まわせる。」

「其処から定期的に魔力供給をさせると言う事か。」

「そうだ、邪気は子も産める。人口を増やすこともできる。」





その頃



「アレク、どうした。」


アレクが倒れている部屋にカインが駆けつけたのだ。カインはアレクが戦いに負けて倒れていると誤解していた。


「アレク、傷は浅いぞ、今すぐ治すからな。死ぬなよ。」


カインは必至にアレクの顔をバシバシとたたいていく。アレクの顔面は腫れあがっていった。


「クソーアレク死ぬな。俺が助けてやるからな。」


カインはマジックバックの中をあさる。高級ボーションや魔力回復ボーションなどありったけも物をアレクに振りかけていく。普通は混ぜるな危険であるが、そんな事をカインが考えるはずはなかった。


「どうすればいいんだ。そうだ前にレッドがやっていたな。鼻の穴をくすぐると起きたな。」


カインは大まじめでティシュを棒状に丸めアレクに鼻の穴に突っ込んでいく。コチョコチョコチョ。


「はっはっハクショーーン。」


アレクは無意識であったが、鼻の穴を刺激されてくしゃみをしない者はいない。無意識のアレクにが、生理現象によって動いたことでアレクの意識と繋がったのだ。



「うおおおおおおお。いたたたたたぁぁぁぁ。」


「アレク、気づいたか。」


ボロボロと涙を流しているカインの姿があった。必死に何かしようと思っているのか、カインの周りには物が散乱していた。


「カイン兄、俺は気絶していたのか。イタタタ。」


カインは痛がるアレクを見て目をスッと逸らした。カインは気づいたのだ。ただの気絶であった事をそして気絶しているアレクを殴り更に気絶させていたかもしれない事を気づいてしまったのだ。


だがアレクは全く違っていた。元の世界に戻る手段がなかったのだ。カインが色々と無駄な事をやってくれたおかげで偶然にも元の世界に戻る事が出来たのだ。


「カイン兄ありがとう。」

「お、おう、き気を付けろよ。」


アレクは手をニギニギしながら体を確認していく。それからアレクはカインに今の状況を説明していく。


「何、すると俺は本当にアレクを助けたと言う事なのか。」

「そうなんです、戻る手段がなかったんですよ。」

「アハハハハ、そうだろう俺様のおかげだな。ハハハハハ。」


急に元気になっていくカインであった。


其処へアレクスが飛び込んでくる。


「アレク。皇帝が壊れたぞ。」

「あーー、それはもう皇帝ではありませんよ。末端ですよ。」


アレクはカインとアレクスに事の経緯を説明していく。カインの理解は得られななかったが、アレクスは理解してくれた。


「そうなると、邪気を別の亜空間に押し込むと言う事か。」

「簡単に言えばそうですね。多くの邪気は人と一緒には暮らせません。どこか別の場所に移住させないといけませんから、それならば亜空間は最適です。迷宮核も魔力の供給源を確保できます。」

「そうだが、万一の事があるからな。皇帝の体は処分するぞ。」

「それは絶対ですね。今の皇帝は迷宮核の牢獄に押し込まれています。迷宮がある限りは出る事は出来ないでしょう。」

「体が無ければ魔力の意識は数百年で消滅するだろう。そのくらいなら私の残像が監視できるしな。」

「アレクスはもう行くのか。」

「私の仕事は終わったからな。名残惜しいがこれも定めだな。」




アレクは天界に帰っていった。



「アレク、早く皇帝の体を処分するぞ。」

「てか、アレクス帰ったんじゃないのか。」

「あー魂は天界に帰ったぞ、だがアレクスの残像は残っているんだ。今までと変わらないぞ。」

「クッ、俺の少しの感動を返せーー。」

「何言っているんだアレク。お前感動なんてしていたのか。ほらほら地下に行くぞ。」


アレクとアレクス、カインの3人は地下に通じる通路へと向かった。



「何か雰囲気があるな。」

「そうですねカイン兄、何か出そうな雰囲気ですよね。」


今、アレク達が歩いている場所は迷宮核の下にある地下通路である。その地下通路はいかにもお化けが出そうな雰囲気を作り出していた。


「こんな場所を態々魔力で作りだしているのか、悪趣味だな。」

「これも泥棒対策何でしょう。万一の侵入者避けじゃないでしょうかね。」

「そうだろうな、あの皇帝妙に用心深いからな。このくらいはやるだろうな。」



暗い、汚い、臭いこの場所を歩いていると一つの明かりが見えてくる。


「おっランプの明かりかな。」

「人がいるのでしょうか。」

「まぁ行ってみればわかるな。こんな臭い場所に人がいるとは思えんがな。」


3人は明かりのともる方に進んでいく。


明かりはアレク達に段々と近づいてくる。


「お客人、ようこそ地下道へ。」


ニコリと笑う。老婆の姿があった。


「「「えっ。」」」



「あのー此処に住んでいるのでしょうか。」

「おーーお若い子よ。このババは皇帝陛下の御遺体をお守りしておりますのじゃ。」

「あのお婆さん。この亜空間は魔力の世界だと知っているのですか。」

「ふぉふぉ、そこまで知っているのか、お前たちは皇帝の敵じゃな。」




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