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791話 迷宮核の中

今この亜空間のタンドラ城に魔力が集中している。それはタンドラの臣民たちが集まっているからである。


異状に高まっている魔力は一か所でに集まるとそれだけ負担になってくるのだ。普段であれば各地に万遍なく散らばった形で臣民が配置されているが、この騒動で城に集まってしまっていたのである。


臣民の集まる城であ空間に亀裂が生じた。


ピキッ。


普通であればあ空間は修復するのだが、今回の亀裂は修復しなかった。それは極度の魔力負荷の為に魔力だまりとなっていたのだ。

魔力の世界で魔力だまりが出来ることなどありえないのである。


魔力の世界が魔力だまりであるからである。それが今回魔力だまりの中に魔力だまりが出来るという怪現象が起こったのである。

その為に魔力の溢れるこの場所で修復機能が起きなかった原因である。


亀裂に魔力が流れ出していく。そして魔物が生まれていく。


皇帝の物では無い物が生まれていくのだった。



「魔物が生まれたぞー、殺せー。」

「皇帝陛下の敵だー。」

「殺せー。」

「陛下の敵を殺せー。」



生み出された魔物は異形であった。人型、獣型と色々であったが共通していることは、狂暴であった。


殴られても、斬られても構わずに攻撃をしてくる、死ぬまで攻撃をしているのだ。

同じ魔力で出来ている帝国臣民と異形の魔物は激しく殺し合っていた。

殺され魔力に戻っても又すぐに臣民は臣民に魔物は魔物に変化していく。






「どうした、調子が悪そうだな。」

「きさま、アレクス何をしたのだ。」

「魔力の消費が激しいだろう。今下でお前の大事な臣民が魔物と戦っているんだよ。分かっているんだろう。」

「ぬぐぐっ、きさま許さんぞ。我が臣民を使うとは許さん。」

「タダのお前の魔力だろうが、臣民などいないんだよ。」


この魔力だまりに魔物が生まれた原因はレッドにあった。レッドは魔力供給と同時に魔物の血を混ぜていたのだ。

魔物は何もない所からは生まれない。魔力と因子が無ければ生まれる事は無いのである。逆に魔力と因子があればどこにでも生まれることが出来るという事でもあった。


臣民と魔物の戦いは徐々に魔物が優勢となっていった。





その頃アレクは城内の奥へと進んでいた。奥へ進んでいくと一つの部屋が厳重に封鎖されていた。いかにも重要な物がありますと言っている。


「ここは、調べないとな。」


アレクは、そっと扉を開く。だが全く動かなかった。


「だよな。」


アレクは、万能鍵を取り出すとカギ穴に差し込む。 ガチャリ。


扉は開き中に入っていく。そこには大きな迷宮核が存在していた。


「なっここ迷宮だったのか。」


アレクはすかさず迷宮核に触れるが、迷宮核は活動停止している。ほかの迷宮の様に受け答えがなされないのだ。死んでいるようで死んでいない状態となっていた。


「この迷宮核はどうなっているんだ。」


迷宮核がある事でこの亜空間を維持していることは間違いないが、この迷宮核では普通に維持も出来ないのである。


アレクは迷宮核から情報を取ろうと核に繋げる、そして皇帝と繋がってしまった。


「あっ。」

「なにぃぃ。」


パチン。


アレクは気絶してしまった。そして皇帝自身も機能停止してしまった。


皇帝はアレクスと戦闘中である。突然に皇帝は壊れた機械の様に同じ言葉を繰り返している。


「余は皇帝、余は皇帝、余は皇帝・・・・・」



アレクは迷宮核の中にいた。(意識世界)


「どこだここは。」


アレクは一本の道を歩いている。すると突然に風景が変わっていく。突然部屋の中に移動してしまった。


「うおーーーっ。」


その部屋には二人の人が居た。

1人はタンドラ帝国皇帝、もう一人は迷宮核の人格であった。


「きさまかーぁ邪魔をしたのは。」

「おーー何だ突然に、俺が何したんだ。」

「きききさま、この亜空間は余の物だ。邪魔をするな。」

「お前は皇帝のようだな。するともう一人は迷宮核か。フムフム。」


皇帝はアレクに殴りかかっていた。今の皇帝は魔力を使う事も出来なかったのだ。


「あれ皇帝魔力使わないのか。」

「・・・・・・」


アレクも魔力を使おうとしたが使う事が出来なかった。


「あーー使えないのだな。俺にとっては都合いいな。」



アレクは皇帝をボコボコにしていく。



ボコボコ、ボカボカ。


皇帝の意識が段々と薄れていくと迷宮核の人格に意識が戻って行くようであった。



「人の子よ。少し待ってくれぬか。」

アレクは皇帝を殴るのをいったん止めた。


「迷宮か皇帝にでも乗っ取られていたのか。」

「ああそうだな、私は生まれたばかりの迷宮核だ。機能開始前に乗っ取られたらしいな。」

迷宮核は何かの映像を見ているのか何もない空間を見ている。


「おい迷宮核さん、この皇帝を拘束できるか。」

「ああできるぞ、この世界は私自身だ。」


迷宮核は皇帝の周りに牢獄のようなものを作りその中に押し込んでいた。


皇帝を拘束した迷宮核はアレクに対して警戒感を現していく。


「ところで人の子よ、どうやって私の中に入ってきたのだ。」

「俺にも訳が分からないんだが、迷宮核に触れて、そして皇帝の意識に触れたんだ。そしたらこの状況になっていた。」

「なるほど、人の子よ、お前の意識をみさせてもらうぞ。」


アレクの周りに突然触手の湯な物が生えてえいく。


「うおおおおーーー。」


「大丈夫だ、襲わない。」






「拙いな。」

「どうした、何が不味いんだ。」

「アレク・オリオン。此の侭では私の機能は停止する。」


アレクも迷宮が何を言っているのかを理解した。魔力の供給が止まれば迷宮は機能停止となるからである。アレクの記憶を読み取ったのだろう。


「そうだな、皇帝を此の侭拘束してくれるのであれば何とか考えよう。」

「この者は私とすぐには切り離す事は出来ない。長い年月混ざってしまったために切り離すには時間がかかる。」

「切り離すどうなどうな皇帝はどうなる。」

「魔力が無ければ消滅だな。肉体はもう無いのだ。ただ無くなるだけだろう。いや肉体は保存されている。」

「この亜空間の中に保存されているのか。」

「そうだ、私がいる迷宮核の部屋の真下に棺があるその中に肉体がある。」

「俺を元の肉体に戻してくれ。」

「出来ない。」

「えっ。」

「そんなやり方知らん。」

「マジか。」


アレクは言葉に詰まってしまった。偶然に偶然が重なり今の状況になっているのだ。いくら迷宮が物知りであっても、イレギュラーなこの状況を元に戻すことはできなかったのだ。


「参ったなー。如何しようー。」


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