776話 巨大穴発見
デスが死に邪気軍は殺させていったが、まだ少数の者達が逃げまどっていた。
「中央へ向かうか。」
「無理だろう、このまま他に逃げようぜ。」
「そうだな中央へ行っても俺達北の者は中央の下に就かされるからな。」
「いたぞー。」
「見つかったか、逃げるぞ。」
「囲め、追い詰めるぞ。」
「「おー」」
邪気軍との戦闘後各地に逃げている邪気を追い詰めていく。
「アレク様、追撃船ですがほぼ終了いたしました。」
「そうか、これでカイン兄の南と俺の北が安全圏になるな。まぁ油断はできないけどな。」
「はい、ですが中央を落とさない事には船でしか北と南を繋げません。」
「そうだな、なるべく早い時期に中央を落として陸でつながないとな。」
アレクとカインの支配する北と南、まだ陸路では繋がっていないのである。巨大な中央地域がルートを遮断しているのであった。
「中央は、砦を建設しているようだな。」
「はい。かなりこちらを警戒しています。簡単に侵入できないようにしています。こちらから向かうには北中街道を通るルートになります。そこに砦で完全に塞いでおります。」
「空からなら簡単だがな。」
「ですが、オリオンが攻めている間に北に進軍されたら目も当てられません。」
「だよな、落とすしかないか。」
アレクはこのまま中央へと進軍するつもりであった。だが負傷者が多く。治療に専念するためにこの場にとどまっているのである。
医療施設
「足を斬り落とせ。」
「いくぞ。動くなよ。」
スパッ。
「ギャーー。」
「ほらこれを飲め。」
足を斬り落とされた兵士はすぐに飴玉を飲み込む、すると斬られた足の付け根からニョキニョキと細胞が蠢いている。
2時間もすると斬られた足が再生している。
「ほ本当にもどったー。うっうっ。」
「よかったなー。」
所々で泣いている兵士たち、手足の再生など信じていなかったのである。
「どのくらいで軍を動かせる。」
「10日は動かせません。治療した兵は筋力が落ちています。当分使い物になりません。後方へ移しますので入れ替えしなければなりません。」
「一時停止だな。このままこの地に砦を作る。進軍の拠点にしろ。」
「はっ。」
「アレク、アレクー。」
「どうしたレッド。」
「大変だよ、大変。」
小さなレッドがアレクに向かって飛んでくる。アレクの前で停止したレッド。
「あのね、大きな穴を見つけたんだ。」
「穴位普通にあるだろう。」
「違うんだよ。ドラゴンが飛べるほどの大きな穴なんだよ。」
「それは凄いな。」
そこは山の中にある崖地であった。普通の人間には行けない場所に大きな穴が開いていた。
「その穴を調査するぞ。」
「だよね。」
アレクはカインとレッド、アレク小隊を連れて小型艦で調査へと向かった。
小型艦は大穴の中をゆっくると進んでいく。
「凄いな。」
大穴は小型艦でも余裕で飛べるほどの空間があった。
「アレク様、大穴は下へと向かっています。」
「いくしかないだろう。」
小型艦は板へと向かっていく。1万メートルほど下へと降りたあたりで巨大な空間に出る。
「何だこりゃ。」
「アレク様、あれ町じゃないですか。」
「町っぽいな。行ってみるか。」
そこは防壁に囲まれた町であった。だが人が住んでいる気配はなかった。
「艦はこのまま待機だ。カイン兄とレッドは俺と中に入るぞ。」
「おー、いいなお宝かー。」
ワクワクした表情のカインとレッドであった。
アレク達は防壁を飛び越えて中に侵入する。
「何か変わった町だな。あんな高い建物上り下りが大変だぞ。」
「ですね。首が痛くなりましよ。」コキコキ。
「カイン、人がいないよね。」
「だよな。」
この都市は巨大ビルが立ち並ぶ街であった。
突然、アレク達の目の前に一つの光が現われる。
「所属と姓名を名乗りなさい。」
光が喋っている。
「レッドこれなんだ。」
「うーーーん。知らない。」
「俺はアレク・オリオンだ。所属はオリオン王国。」
「確認いたします。」
「オリオン王国はアース歴5600年に建国、6199年に滅亡、6712年第二次オリオン王国建国7000年滅亡です。現在アース歴9001年です。オリオン王国は存在しているのですか。」
「嗚呼、存在しているぞ、俺がオリオン王国の王だ。」
「情報をインプットいたします。登録完了しました。ようこそ地下都市へ。」
「何だこれ。」カイン
「「・・・・・」」
「お前の名は。」
「アレク様、私はR-K0123456です。」
「アールだな。長くて面倒だ。」
「私はアールです。」
「ではアールここには人はいないのか。」
「はいご質問にお答えいたします。この地下都市には現在人はおりません。」
「かつては人がいたと言う事か。」
「はい質問にお答えいたします。かつてはこの都市には19万8765人の人が居りました。ですが原因不明の病原菌により死滅いたしました。」
「病原菌だと。」
「はい病原菌です。病原菌は地下に潜っていた人類の脅威となりました。この安全で安心な地下での生活で人類は嘗てないほどに生弱となりました。」
「生弱?」
「はい。人類は外的に対しての抵抗力が無くなってしまったのです。人工物を摂取するために身体機能の低下、繁殖力の低下にて存亡の危機となりました。人類は種族保存の為に研究を始めました。その時に漏れは病原体の一つが人類の破滅に追い込みました。記録を見られますか。」
アレク達はアールからの記録を見てみるアレクの脳内に地下都市の歴史が映し出されていく。
「アール、メインタワーに入れるか。」
「はい入れます。現在の都市の所有者はアレク・オリオン様となりますので可能です。」
「これにお乗りください。」
「これ車か。」
「リムジンです。」
アレク達は、巨大なビルの前に横付けされたリムジンから降りてくる。
「王様になった気分だな。」
「カイン兄は王様ですよ。」
「おうそうだった。忘れていた。」
「流石カイン兄ですね。」
「スゲーなこの建物、これ何千年も人住んでいないのか。」
「綺麗ですよね。掃除しているんですかね。」
「アレク様、毎日清掃を行っております。」
「そうか、凄いな。」
「こちらがメインルームとなります。この都市のあらゆる事が分かる場所です。この都市は人を豊かに暮らしていける為に食事、住居・・・・・・・・」
5分ほどアールの語らいを聞いたアレク達は少し疲れた顔をしていた。機械であるアールも人と話が出来るのが嬉しかったのかもしれない。




