747話 魔王城襲撃
魔王城に敵襲の鐘がなる。
アレク率いる軍団が魔王城に攻めてきたからである。アレク軍は城の広場に飛び降りていた。着地と同時に各員決められた行動に出ている。
アレク隊の隊員たちは、城の制圧が任務となっている。
カインとレッドは広場に降りずに城の外壁を突き破り無理やり城内に入っている。
ドカーーーン。
ガラガラガラガラ。
「おーーいい具合に穴が開いたな。」
「へへへでしょう。僕にかかればこんなもんだよ。」
「んじゃいくか。」
「おーー。」
カインとレッドは開けた穴から城内に入り込み、適当に内部に入っていく。
「とりゃぁ、そりゃぁ。」
カインは向かってくる敵を薙ぎ払っているが強い敵は出てきていない。
「レッド、弱いのばっかりだな。」
「カインそれは仕方ないよ。城の兵士なんか弱いのはあたりまえだよ。」
「陽動部隊に行くべきだったかな。」
話しながらの戦闘を余裕で行なっているカインとレッドであったが、中に進むにつれて兵たちにまとまりが出てきていた。
「侵入者を囲め。魔法隊放てー。」
ドコーーン。
カインに向かって放たれたファイヤーボールはレッドの翼に阻まれていた。
「レッド助かった。ありがとな。」
「へへへ、任せてよ。」
「おりゃいくぞー。」
カインは敵に向かっていく。素手で殴るスタイルのカインは、敵の懐に潜り込み渾身の一撃をお見舞していく。
ボコ。ボコ、ボコ・・・・
「ききさま、何もんだ。」
「おー隊長みたいだな。俺様はカインだ。」
「レッドだ。」
「・・・・・・」
「まぁいいや、殺す前に答えろ。魔王は何処にいる。」
「魔王様の元には絶対にいかせない。」
「なら他に聞くから死ねよ。」ボコッ。
「ぐぎゃぁ。」
カインは軽く殴った程度だが隊長は即死していた。心臓のあたりが陥没している。
カインは一つ一つ部屋を確認しながら廊下を進んでいく。
たまに部屋の中に隠れている者もいるが少数である。ほとんど無人の部屋ばかりである。
その頃アレクは広場から城内に入っていた。
アレクは一人城の中を歩いていた。隊員達は各所へ散らばっている為に1人で行動しているのである。
この魔王城は地上7階建ての構造となっている。正確には10階建てなのだが、塔のような部部の為、事実上は7階建てである。
アレクの前に魔物邪気たちが待ち構えている。オークの集団である。
このオークたちは、派手な鎧を身に着けて豪華な剣を持っている。
「おー、ずいぶん派手なブタだな。」
「何を言っている、人間無勢が、我ら魔王親衛隊が相手だ。覚悟しろ。」
オークの部隊はアレクを囲むようにジリジリ迫ってきている。
「逃がすな囲め。」
「少しは頭を使っているな感心感心。」
オークの一人がアレクに斬りかかる。アレクは片手で剣を受け止めて逆の手に握る剣で斬り殺す。
スパッ。
「グッゲ。」
一瞬の出来事にオークたちは固まる。アレクの強さに驚いたのだ。
「つ強いぞ。」
「当たり前だろう。こんな場所に殴り込みしているんだ弱い訳ないだろうが。」
10体ほど斬り殺した時にオークの後ろからひと回り大きなオークが前に出てきていた。
「雑魚は引っ込んでいろ、俺様が相手してやる。」
「「「「将軍」」」」」
「おっオークの将軍か、来いよ相手してやるぞ。」
アレクはオークを挑発するように手のひらでコイコイとジェスチャーをしている。このジェスチャーは万国共通のようだ。
「人間がなめるな。殺してやる。」
オークは大きな剣を振りまわしている。3メートルはある大きな剣は風圧だけで人が飛ばされそうである。
ブンブンブン。
「おいおい扇風機か当たらないぞ。」
「動くなーーー。」
「お前馬鹿か、敵が黙って斬られると思っているのか。」
大振りなオークの剣はアレクにかする事もなく。ブンブンと振り回している為に壁に当たり床にめり込み周りがボロボロになっていく。
「ハァハァハァハァ。何故避けるーー、クソー動くなーーーー。」
「お前本当に将軍か戦場に立ったことあるのか、弱すぎだな。」
「何ぃぃぃ、俺様が弱いだと、そんな分けるか。俺様はオークの将軍だ。弱い訳あるはずがない。」
「お前どう見ても素人の戦いだぞ。こんな建物の中で大きな剣なんか振りまわす事なんて普通しないぞ、それに剣の型も知らないんだろう。まぁ魔物だから仕方ないな。」
「おおおおおおのれーーー、ゆるーさーーん。」
怒り狂ううオークの将軍は、実は初めての戦闘であった。
魔物として生まれ、ごく普通のオークとして生きていた。オークの中でも少しだけ利口であった。人の言葉を理解していたんである。その為に戦闘などは他のオークに任せる事が多く、自分は後ろでふんぞり返っていたのである。魔王に魔物邪気として使える事になった時にオークの将軍となったのである。
特殊な魔王の技法によりひと回り大きくなったオークはそれからも戦闘をすることがなく城の中で指示を出すだけであった。その為にオークは大きな勘違いをするようになっていた。
自分が強いと勘違いしてしまったのだ。
指示を出せば皆がハイハイと従っていく。オークより上位のオーガもペコペコしてくるのだ。
勘違いをしてしまう事は仕方のないことかもしれなかった。
「俺様は、魔王様の第一の家臣になるのだーー。」
「馬鹿か。」
スパッスパッ。
アレクは、オークの両腕を斬り落としていた。
「グギャァァァァァ。イタイイタイィィィ。だ誰か治療しろーー。」
オークは床を転げまわっている。
部下のオークたちも呆気に取られている。まさかこんなに弱いとは思ってもいなかったのだ。
アレクはこのオーク以外を殺していった。
「痛い痛い、助けてくれーー、頼む何でもするから。」
鼻水と涙を流しながらアレクに懇願してくる。両腕なない事で拝むことは出来ないが汚いオークの瞳はウルウルしている。
「お前に聞きたいことがある。魔王はいつもどこにいる。」
「はい、魔王様はいつもは執務室にいます。4階の一番北側です。私の部屋は南の日当たりがよ・・」
ボコッ。
「ギャフン。」
「余計な事は答えるな。魔王城の兵はどのくらいだ。」
「はい・・・・・・」
アレクはオークを殴りながら色々と聞き出していた。
「そうか分かった。じゃぁな。」
「えっ、治療してください。言う通りに答えたでしょう。」
「治療する訳ないだろう。約束もしていなければ治す義理もない。いいか敵だぞ。」
「・・・・・ち治療しなければ死んじゃいます。お願いします。お願いします。」
「お前、もう助からないぞ。血が出過ぎているからな。」
アレクが教えて瞬間、それまで気が張っていたオークは全身に寒気を感じていた。体温が下がり震えだしていたそれから数分後にオークは冷たくなっていた。




