743話 子供邪気たち2
現在,アース大陸北部はカイン王国の人間勢力と戯れ率いる魔王軍の2大勢力がある。
この2大勢力は戦争中であるが今は比較的落ち着いている。
それは戯れもカインも相手勢力を駆逐する決定だがない事で戦闘を控えているせいである。
戦闘がない為に内政自体は大きく進んでいる。
だがその勢力も方法ともに盤石とはいえなかった。
戯れ率いる魔王軍内に子供邪気たちの勢力が出来つつあった。そしてカイン王国も邪気を民として認めた事で不満が高まっていたのである。
「なぁアレク、どうしたらいい。」
「カイン兄、邪気たちの勢力を別にするしかないでしょうね。」
「だよな。分けるしかないよな。」
「別勢力となっても同盟を結び、保護すればいいでしょう。」
アレクの考えとして、邪気勢力をカイン王国の民とした場合、人間感情として受け入れられない者が多く出てきていると言う事、解決策として敵の敵は味方として民に納得してもらう事であった。
「その邪気たちが敵ではないと分からせなきゃいけないか。」
「どうです、幸いに戯れの中でも子供邪気の勢力が育っています。その勢力とカイン王国の邪気たちを結び付ければ一大勢力が出来るでしょう。」
「村長の所に行ってくるかな。」
邪気たちと繋ぎをつけるために、魔王軍の勢力圏に侵入しなければならない。もちろん邪気が潜入する事が一番出あるが適任者がいないのである。
「村長いるか。」
「カイン殿かどうした。」
「いやな、戯れ勢力と戦の事なんだがな・・・・・・・」
「そうかならば、子供たちを使うか。」
「あの子供たちを使うのか。」
「そうだ戯れ勢力でも子供邪気たちが大勢いる。それを仲間に出来れば大きな勢力となるだろう。ならば子供同士方が話が出来ると思うぞ。」
「そうかな、やるだけやってみるか。」
こうして子供作戦が開始された。
邪気には名はない。結構不便を感じていた。村長はこの作戦に参加する子供たちに名を与える事にしたのだ。
「じゃぁタロウ、ジロウ、サブロウ、シロウ、ゴロウ頼むぞ。」
「おっさん任せとけ。」
「「「「「いってきまーす。」」」」」
子供邪気の中でも優秀とされている5人が戯れ勢力に侵入する事となった。レッドに送られて近くの町までたどり着いたタロウたちは、作戦会議を開いていた。
「ジロウ、これから町に侵入するけど、子供邪気を説得できるかな。」
「タロウ、問題ないと思うよ。子供邪気たちは物事とをきちんと分かっているよ。」
「でも入る前に町を観察しよう。敵の動きが分からないといけないからね。」
「そうだな、町の観察を10日ぐらいしてから侵入するぞ。」
「「「「「おーーーー」」」」」
タロウたちの観察は、4つある門の出入り口の調査から始まった。邪気たちの出入りと人間の出入りである。
邪気たちは、子供邪気に任せているのか大人邪気の出入りがほとんどないのであった。門に出入りしている者達は子供邪気と人間たちだけであった。
「これ、邪気勢力拙くないか。」
「サブロウもそう思うか。」
「邪気勢力終わっているだろう。」
観察していて、タロウたちは邪気勢力がかなり衰退している事に気づいたのだ。動いているのは子供邪気と人間の奴隷たちだけであった。タロウたちは内情が容易に分かってしまった。本来怠け者である邪気たちは、食べ物があり暮らせて行けるのであれば働かないのだ。
子供邪気たちが働き、食べ物がある事で怠け癖が出てきているのである。
それは町の運営として致命的である。
タロウ達は、町の外に出てきた。子供邪気と接触した。
「おーい、話がしたいんだけどいいかな。」
「誰だお前は、子供邪気だな。どこから来た。俺たちの町の者じゃないな。」
「嗚呼、この町の者じゃないな。他の村から来たんだ。」
「村?」
「他の村から来たんだ。戯れの勢力外からな。」
「戯れの勢力外だと、そんな村があるのか。」
「あるぞ。人間の勢力圏内だがな。」
子供邪気同士何か通じ合う者があったのか、話はスムーズに進んでいく。
「そうか、捨てられたのか。」
「そうだ、俺たちは捨て子だ。」
「俺も似たようなものだな。街中じゃ子供邪気は奴隷と同じだよ。」
「それでどうだ。俺たちで一大勢力にならないか。」
「支援は貰えるのか。」
「それは問題ない、人間のカイン殿が支援を約束してくれたいる。」
「人間のカイン。カイン王国の王か。」
「そうだ、俺たちの村を土地をくれた人だ。」
子供邪気たちの町は人口3000人その内2300人は人間たちの奴隷である。
邪気たちは700人であるが、戦える者は300人程度である。その300人も堕落している為にまともな戦力とはならないだろう。
「700人か一人も逃がさないのはかなり難しいな。」
「おい、殲滅するつもりか。無理だろう。」
「俺たちが村へ行くのはどうだ。」
「それも難しいな。子供邪気たちだけで60人いるからな。それに奴隷たちもいるしな。」
「やっぱり町ごと必要だな。」
「となり町の事もある。両隣の町にも子供邪気たちが大勢いるからな、まずそこと連絡を取る。」
「タロウ、なんか話が大きくなっていないか。俺たちは繋ぎを取るだけだろう。」
「シロウ、そうだけどここは一気に行かないとな。俺たちの事なんだぞ。」
「・・・・・・」
それから子供邪気たちとタロウたちは計画を練っていった。
「町を占領できるのか。」
「出来るさ、だがその後の維持が問題だな。」
「だよな。」
「町の維持を考えなければいいのだがな、お前たちの村へ行く事は出来るのか。」
「人間たちの連れていくのか。」
「連れて行かなければ町は復活されてしまうぞ。」
「少し待ってくれ。連絡して受け入れかのか確かめる。」
タロウはゴロウに伝令を頼んだ。村長に連絡を取るためである。
数日後、伝令のゴロウが戻ってきていた。
「タロウ、村長の手紙だ。」
そこには受け入れ可能と記されていた。
「ゴロウ、村長は何か言っていたか。」
「んーー、渋い顔していた。それに頭を両手で抱えて悶えていたな。」
「ハハハ、見たかった。」
そう村長の村は人口7.80住人の小さな村なのだ。それを一気に数百人となるのである。そして人間の奴隷たちも入れると許容範囲を超えているのであった。
「人間たちは他の場所に移すことになるようだな。」
「まぁその辺はカイン王国に任せて問題ないだろうな。俺たちは邪気勢力を作るだけだ。」
「じゃぁ話を詰めてくる。」




