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728話 暗殺者とアレク

ローザとアレクの軍は順調に王都へ向かっていた。


アレクの懸念した通りに2度の暗殺部隊の襲撃があった。

ローザの活躍で何れも撃退した。そして暗殺部隊の者達を生け捕りにしてしまったのだ。



「くっ殺せ。」

「あのなー。普通暗殺者は、黙って自害するもんだ。」

「・・・・・・」

「死ぬ気が無いんだろう。」

「・・・・・・」

「お前暗殺に向いていないよな。」

「・・・・・・」


アレクは一人の暗殺者を尋問という名のもと、構って遊んでいた。


「センターランド王国に雇われたのか。」

「・・・・・・」

「答えないならいいぞ。俺の次は拷問官だぞ。」

「うっ。」

「痛いぞー。まず少し腹に傷をつける。これはそんなに痛くない。でもその腹に鼠を5匹箱に入れて置くんだ。もちろん床はお前のお腹だな。ハハハ、そうして鼠を逃げれない様にこうして火あぶるんだ。

鼠は逃げようとするがにが場がないんだ。唯一の逃げ場は傷つけられた腹だな。鼠は穴を掘る様に傷口を必死に掘るんだよ。その時の痛みはもの凄いようだったぞ。痛みの強い者でも気がくるってしまったと聞いているぞ。」

「わわたしにそその拷問をするのか。」

「だって希望しているんだろ。答えなければ拷問と言っているじゃないか。わざと答えないんだろう。」

「ち違う、主にぎ義理立てして喋らないのだ。ふ普通そう思うだろう。だ誰がご拷問を希望して喋らいと考えに行くんだ。」

「なら喋れ、知っていて喋らないという事だな。」

「あっ。」

「拷問決定かな。」

「うっ、喋るから鼠はいやだ。」


この者は、センターランド王国宰相の密命を受けていた。宰相からの直接の指示ではなく、その使いの又使いの者からの指示であった。

王都の闇組織である。暗殺組織の者達であった。



「お前、暗殺に向かないぞ。やめて方がいいぞ。」

「うっ、それは知っている。仲間からもそういわれた。」

「だろう。」

「だけど私にはこれしかないんだ。」

「まぁあの姫様にでも雇ってもらえ。あの姫様なら雇とってくれそうだぞ。今人手不足だからな。」

「ほ本当か。」

「お前少し疑う事考えた方がいいぞ。お前は今捕まっているんだ。捕虜になっているんだぞ。そんなに簡単に行くかー。」

「うっ。」



どうもこの暗殺集団はおつむが足りないものが多いようであった。アレクの巧みな聞き込みで判明した事柄は、金をケチって安い者達を雇ったという事、王都が混乱している事であった。



「王都はそんなに混乱しているのか。」

「そそうです、王都から出る事も出来ない状態です。私も外へ出るためにこの暗殺の仕事を受けたんです。」

「王都から出れたんならそのまま逃げればよかったじゃないか。」

「暗殺とはいえ仕事ですから。」

「真面目だねー。生きることを優先しとけよ。」

「・・・アハハハ。」


アレクはこの者との会話を楽しんでいた。暗殺者であるがどこか抜けていて、生真面目なこの者を気に入っているのだ。




そんな移動の日々も、数日たつ頃には王都の手前まで来ていた。




「アレク様、よろしいでしょうか。」

「ローザ殿か、王都への使者の事か。」

「はい。その役目を私に任せてもらえないでしょうか。」

「領主が使者になるのは拙いだろう。」

「ですがここは一気に決着を着けれます。私が行けばセンターランドは慌てるでしょう。その場で殺す算段もするかもしれません。」

「オリオンとしては手間が省けるという事だな。」

「そうです。」

「よしならば俺も行こう。」

「はっ?」


ローザはオリオン王国の使者として、そしてアレクはローザの護衛騎士としてセンターランとへ乗り込むこととなった。




そしてローザたちは、王都へオリオン王国の使者として乗り込んだ。



ローザは謁見の間にて堂々と立っていた。

その姿を苦々しい表情で見ている宰相と貴族達であった。


「ローザ殿、陛下がご入場です。家臣お礼をお取りください。」

「宰相殿、私はセンターランドの家臣なのかな。」

「・・・・・」


センターランドの宰相は、ローザが跪き頭をたれればそれでオリオンの権威を落とせると考えていたのだ。

アレクにしてみればどうでもいい事であった。


入場してきた王は何も喋らない。黙ってローザを睨んでいた。

ローザと王のにらみ合いが続いている。


「何故、家臣の礼を取らないのだローザ。」

「家臣では無いからです。」

「家臣であろう。その方の父は余の家臣であった。」

「父は家臣であったでしょうが、私は家臣ではありません。」

「む謀反人の娘を許してやろうと思ったが止めだ。お前は処刑だ。」


王の一言で王国の騎士達が動き出す。ローザを捕らえようと動いたのだ。

ローザは全く気にしていない。ローザに近づいた騎士たちは、途中で固まってしまった。

ローザから溢れるでるオーラに気後れしてしまったのだ。


「センターランドの王よ。私はオリオン王国の使者としてこの場にいるのだ。」

「・・・・・」

「センターランド王国はオリオン王国に恭順の意を示していることはまことか。」

「オリオン王国に恭順する。」

「ほーーっ、本当に恭順するのか、オリオン王は疑っているぞ。」

「本当だ。」

「では何故オリオン軍に暗殺部隊が2度も襲撃してきたのだ。」

「し、知らん。」

「センターランドの王は退位、墓の貴族はオリオン王国より新たに爵位を授ける。センターランドでは一度すべての者達を平民とする。」




ここで貴族達が騒ぎ出す。


ザワザワザワ。


「へ平民だとふざけるな。小娘がーー。」

「いいではないかセンターランドの貴族よりオリオンの貴族の方が良いではないか。」

「領地はそのままでいいのか。」

「ふざけるな。」



「センターランド王国がオリオン王国に恭順するのであれば何の問題もあるまい。オリオン王国の法の下、新たに爵位も領地も安堵されるのだ。」


「ローザ殿、王が退位した後のセンターランドの内務は誰が纏めるのでしょうか。」

「宰相、き貴様ーーっ。」


「宰相殿、あなたではない事だけははっきりしています。」

「なっ。」

「ハハハざまーみろだ。」

「宰相殿はオリオンへの襲撃の指示や賄賂、不正と色々な罪がありますので、良くて処刑。下手すれば拷問後にさらし刑でしょう。」

「しゅ襲撃など知らん。儂はやっていない。」

「襲撃の実行犯を捕まえています。後日よーーーく確認いたしましょう。」ニヤリ

「ししし知らんぞ。儂ではない。王が指示を出したのだ。」

「ななにを言っているのだ宰相、し知らんぞそんな事。」


それからはもう暴露大会であった。


貴族達も王に近い者達は怒り、王と距離を取っている者達はおおむね受け入れようとしていた。




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