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724話 魔物の調査

今、商都の町は大変な盛り上がりを見せている。


ドラゴンが近くで見れると言う噂が広まり、近隣の町や村から人が押し寄せているのである。


町の中を串焼きを片手に食べ歩く愛嬌のある2体のドラゴンが今話題になっていた。


この二人毎日屋台に行っているのである。


寝床として騎士の訓練場からこの広場まで大通りを歩いて屋台迄通っているのである。その為に町の元たちから歓迎され、色々な物も貰っているのである。主に食べ物を貰い美味しいと言わせたいのである。


ドラゴンが美味いと言った店は繁盛するのだ。


キースとラースが初めて食べた屋台は、それはもう毎日行列ができるほど繁盛していたのだ。他の屋台も毎日大忙しとなっていた。



そんな大人気のドラゴンとは対照的にお漏らしマンと言われてしまった者達がいた。



商都城内



「よく来たな。」


「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」


「まぁ気にするな、誰にでも失敗あるからな。」


「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」



そうアレクが冒険者たちを励ますために呼んだのであった。

アレクは、キースとラースの報告を聞いた時に、冒険者たちの悲惨さが伝えられたのだ。


町の中では民から指をさされながら笑われ、同じ冒険者たちからは冷たい目で見られ、夜の酒場では毎日お漏らしの話題で盛り上がっていたのである。

そんな悲惨な者達は、もう限界であった。ある者は家から出られなくなり、又ある者は町から逃げ出していた。それでも生活の為に冒険者家業を続けなければならない者がいるのである。


その者達は護衛の仕事は元より、討伐の仕事も無くなっていた。薬草採取の仕事で細々と日銭を稼ぐ事で何とか暮らしを支えていたのである。



「お前たちに仕事の依頼を出そうと思ってな。」

「し仕事ですか。」

「そうだ、お前たちは冒険者だろう。」

「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」


もう心も体も疲れ切っていたのだ。毎日が辛く生きる気力がなくなっていたのだ。



アレクはこの者達の表情を見て、あっこりゃだめかもと思ってしまった。



「もう無理なら他の仕事を世話するぞ。」


「ほ他の仕事ですか。」

「そうだ、この町では生きずらいだろう。北部の町に新しい国が建国されたのだ。そこで出直してみるか。」


「「「「「「・・・・・・・・やろう。やってみよう。」」」」」」」


冒険者たちは、アレクの言葉に従い。北部へと移動する事になった。北部で兵士として働く事になったのである。





「ハーーー、これでいいかな。」

「陛下ありがとうございます。」

「ギルドも大変だな。こんなことまで面倒見るんだからな。」

「今回は特別です。冒険者たちがいくらお漏らしたと言っても普通は何もしません。ですが今回はキース様とラース様がこの町で大人気となり、悪気が一切ない事で冒険者たちが居づらくなってしまいました。」

「だよなー、キース達は赤ん坊と思っていたからな。」

「そうなのです。お漏らし=赤ちゃんと誤解しているようですから。」

「まぁドラゴン相手で漏らさない方が貴重だな。」

「あの者達も敵わない相手がいる事を知ったのです。無謀な事はもうしないでしょう。」

「で中堅冒険者が抜けて大丈夫なのか。」

「ご心配ありません。この商都の仕事は護衛任務が主であります。」

「そうか。」




アレクとギルド職員の話は、冒険者たちの話だけではなかった。それよりも重要な話があったのだ。

それは魔物被害の拡大であった。

オリオン王国支配地域以外で魔物被害が拡大していたのだ。


「西の国から救援要請があったようだな。」

「はい。現地のギルドでは対応が難しくなっているようです。」

「何処のギルドでも冒険者の強さはあまり変わらないだろう。」

「強さはあまり変わりません。ですが人数が違います。このオリオン王国に冒険者たちが集まっているのです。オリオン王国内では物と金があります。生活水準が他とは全く違います。」


「魔物が強くなっていると言う事はないのだな。」

「それは今の段階では分かりません。」


アレクは、ふと思ったのだ。冒険者たちが手に負えない魔物がいるのではないか。もし魔物が強くなっているとしたら。


「調べさせるか。」

「・・・・・・」

「冒険者に依頼は出来ないよな。」

「今は無理です、人手が足りません。」

「こちらで手配する。もし魔物が強力になっていたら対応しなければならないその時は協力してくれ。」

「もちろんでございます。」



アレクは、自分の分身であるファース、セカス、サースの3人を呼んだ。魔物の調査をさせるためである。



「父上、お呼びでしょうか。」

「ファース、セカス、サースよく来た。お前たちに仕事だ。魔物の調査を頼む。・・・・・」


「父上、魔物の強さの調査ですですが、迷宮基準ではスライムを1としますとゴブリンは3です。オークは10、オーガは20となります。これを基準で強いか弱いかの判断でよろしいでしょうか。」

「それで構わん。それより迷宮基準なんてあったんだな。」

「ありますよ。ドラゴンより強いゴブリンなんて居たら大変です。」

「・・・まぁそうだな。」


ファースたち3人は、アレクからの依頼にやる気満々であった。

オリオン王国内で色々と仕事をしていたが、やはり直接の依頼は嬉しいのである。


「ファース、すぐに行くか。」

「セカス、小型艦と輸送艦の2隻で行くから用意してくれ。」

「輸送艦も連れていくのか。」

「サース、魔物をサンプルとして生け捕りもするんだ。」

「地域ごとにサンプルを取るつもりなの。」

「できればそうしたいな。強さが違う魔物なんて珍しいだろう。迷宮産の魔物であればみんな同じなはずだしな。」

「どこかで強化されていると言う事かな。」

「それはまだ分からないけど、その可能性はあるね。」


この3人は高度な技術で作られた迷宮産のクローンである。3人は迷宮の魔物のデータが全てインプットされているのだ。

強さの検証にこれほど適している者はこのオリオンにはいないだろう。


3人は魔物を狩りまくった。スライムからワイバーン迄各地で狩りをしていた。


「ファース、やっぱり強さに違いがあるね。」

「そうだね。西に行くほど強くなっているね。それも北部寄りの方が強いね。」

「これって北部の邪気と戯れの影響があるんじゃないの。」

「中間報告をしてから西から北部に行ってみよう。」

「えっ北部に行くの。」

「行くよ。調査だもん。」


ファースたち3人は南部の調査を終えた報告を行なった。そして北部での調査をすることを伝えたのである。



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