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710話 村での生活

湖の畔村には、朝から大声でなく二人の赤ちゃんがいる。


「「おんぎゃぁぁぁおぎゃぁぁぁ。」」


「あらあら、起きたのね。おしめを取り替えましょうね。フフフフ。」


それは母メメではなく、エレメルであった。


エレメルはルドルフ夫妻の屋敷に居候しているのであった。居候と言ってもただの居候ではない。完璧な居候である。

どう完璧なのか、それはまず屋敷の構造からである。この屋敷は中央の玄関と左右にして完璧な2世帯となっている。

1階は共同のスペース兼使用人と仕事のスペースであるが、左側2階をルドルフ夫妻、右側をエレメルと孫の暮らす場所となっていた。

エレメル計画では、孫が後10人ほど増える予定と脳内ではなっていた。

孫計画に最適な居住空間を演出するために、エロいピンクの寝室や何をやるのか分からない真っ赤な部屋みんなベット付きである。いつでもどこでもできるような演出がなされていた。

メメもルドルフも嫌いではなかった為に何の問題もなかった。そしてその効果が表れたのだ。すぐまたメメの妊娠が発覚したのであった。妊娠発覚と共にエレメルは動いた。

メメが妊娠初期の為と称して孫の世話をかって出たのだ。


それはもうエレメルのにこやかな顔はルドルフに恐怖を与えていた。

一言でも後ろ向きな受け答えをしたら、大変の事になると雰囲気で分かるほどであった。


「・・・は母上、よ宜しくお願します。」

「お母さま。メメは嬉しいです。オーガはみんなで一緒に住むものなのです。大家族になるのです。楽しいのです。」


ルドルフとは違いメメは大喜びであった。


「この私に任せなさい。メメは今大事な時期だから孫の世話は任せてね。」

「はい、お母様。」


ニコニコのメメと渋い顔のルドルフであった。


エレメルが住むと夫であるハロルドも住むようになる。

ハロルドも孫が可愛くて仕方がないようであった。


「じいちゃんだぞ。おっ笑ったか。おうおういい子だな。いい子だな。」


一人で納得しているハロルドであった。


「ハロルド、手を洗ったの。孫に汚い手で触らないようにね。」

「エレメル大丈夫だよ。手はきちんと洗っている。何十年もやらなかった事が孫が出来てやるようになったのが自分でも信じられないよ。」


そうハロルドは、今迄エレメルに家に帰ったら手を洗え、ほこりを払えなど色々と毎日のように言われてたのだが、一向に言う事を聞かなかったのだ。それが孫が出来て変わった。生活自体が変わったのだ。


まず帰ったら手を洗うようになった。孫に汚い手で触る事を嫌ったのだ。それと孫の部屋に入る前に着替えをするようになった。孫にカッコイイ姿をいつも見せるように心掛けたのだ。

孫はまだ生後半年である。まだ分かる訳がないのだがハロルドの考えでは分かるようだ。


双子の孫の部屋は同じ部屋が二つある。これは子育てを完璧にするためにエレメルが作らせたのだ。一つの部屋で掃除中は隣の部屋に孫を移しているのである。

フワフワな絨毯の掃除も完ぺきである。塵一つないように完璧な清掃が行われている。

エレメルとメイド部隊ががっちりとタッグを組み孫の為に行っているのである。


「エレメル様、絨毯の清掃が完了いたしました。」

「分かったわ。哺乳瓶の消毒もお願いね。」

「お任せください。」

「娘のメメは大丈夫かしら。」

「メメさまはお健やかにお過ごしです。今は悪阻も収まり、食欲も出てきております。」

「そうよかったわ。」ニコニコ



メメはこの生活に困惑していた。こんな生活がある事等想像した事すらなかったのだ。ルドルフとあった時の姿からは想像できなかった。

自分でやる事が無いのだ。全てメイドがやってくれているのである。

部屋を出るのもメイド付き、ドアを開けるのもメイド、椅子に座るのもメイドがやってくれるのである。


「ダメオーガになりそう。」


メメは働き者であった。このままではいけないと考え、そうだ畑を作ろうと思い立ったのであった。

母であるエレメルに相談して庭に一区を畑にする事となり、エレメルとメイドと一緒に畑を作る事となった。

それは女だけの楽しい仕事となっていった。おしゃべりしながら草むしり、そしてお菓子を食べながらおしゃべりである。

よくそんなに喋る事がるのかと思う程に話題は尽きなかった。





そしてそんな楽しい日々を過ごしていると、ルドルフの兄弟達が屋敷にやってきたのであった。


「ルドルフ兄、子供が出来たんだって。」

「兄貴、おめでとう。」

「ルドルフ兄、やるな。」

「「おめでとう。ルドルフ。」」


「おう。」


オリオン兄弟達はエレメルにいわれるままに手を洗い着替えさせられ赤ちゃんのベットの周りでニコニコしている。


「プニュプニュだな。」

「カイン、突っつくな。泣いたらどうするんだ。」

「ルドルフ兄大丈夫だよ、赤ん坊は泣くのが仕事だぜ。」

「カイン。」般若の顔をしたエレメルがいた。

「うっ、すいません。」


「可愛いな。俺も子供欲しくなったな。」

レオンのこの一言にエレメルは反応した。

「レオン、お見合いしなさい。」

「えっ、何でそうなるのです。」

「今あなたは子供欲しいと言ったではありませんか。結婚しなければ、相手がいなけれが子供は授かりません。」

「うっそうですが、仕事が忙しいので、また今度考えます。」

「レオン、ルドルフも結婚しました次はあなたです。マリア,イリアも早急に結婚しなさい。」


オリオン兄弟姉妹は一瞬目があった。アイコンタクトである。


此処はレオン一人の犠牲で他の兄弟姉妹を救う事を兄弟達は目で合意したのである。


「レオン兄、結婚おめでとうございます。母上もレオン兄の結婚相手を探していたようです。母上のお眼にかなったお相手です。素晴らしい方でしょう。」

「流石、アレクだな。俺もそう思うぞ。おめでとうレオン兄。」

「そうね、レオンお兄様が結婚しなければいけませんわ。」

「母上に孫の顔を見いせなければいけませんわ。」

「そ、そうだぞレオン。子供はいいぞ。」


「なっお前たち裏切ったな。」


オリオン兄弟姉妹の結束は固い。みんなレオンから目を逸らしている。


ニコニコ顔のエレメルは生贄レオンをにこやかな笑顔で見ていた。


「レオン、兄弟達も賛成しているようだし、明日お見合いしなさいね。みんなもお手伝い頼んだわよ。」



「「「「「お任せください母上。」」」」」



「なっ。お前たち覚えていろよ。」


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