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71話

アレクは、艦隊を増強するためにドックに居た。


「マック、どうする。」

「そうですね、中型艦3隻、小型艦6隻でどうでしょう。」

「中型艦3隻、小型艦6隻を一隊とすると、これを6隊と小型艦6隻を2隊造るか。」

「現在は、中型艦が9隻、小型艦が14隻あります。」

「全然、足りないじゃないか。無理だね。」

「取りあえずは、中型艦を2隻、小型艦を4隻で1隊としましょう。これなら中型艦3隻と小型艦22隻の建造です。」

「いや、中型艦はやめよう。小型艦だけ建造する。数をそろえたいからね。」


「中型艦3隻で3隊、小型艦4隻で1隊として、それを10隊。建造は小型艦26隻だ。26隻の建造後は、追加で小型艦16隻造るぞ。」


「僕は、ガレオン号の改造と中型艦の改造を少しやるよ。建造の指揮はマックにお願いするね、」


「はい、24時間体制で、3交代制のマリア方式で行ないます。」

「知らなかった。そんな方式があるんだ。 し、質問。ちなみにイリア方式ってあるのかな?」

「師匠ありますよ、知らないんですか。イリア方式は24時間で、4交代制で労働時間は短くなりますが休憩なしです。マリア方式は途中休憩が1時間あります。」

「そ、そうなんだ。・・・・。まさかと思うけど、エレメル方式なんてないよね。」

「もちろんあります。エレメル方式が一番楽です。家臣たちは皆、エレメル様を神のようにあがめています。」

「エレメル方式の内容はどんな風なの。」

「エレメル方式は24時間の内、4つに分けて3交代、8時間労働です。残りの1つは、なんとお休みなんです。凄いですよね。休みがあるんですよ。マリア様、イリア様の部下たちは、異動したいって言ってませんでしたが、目がそう語っていました。」

「そうなんだ、僕の所はどうだっけ?」

「オリオン家からの、派遣組はエレメル方式で行っています。まぁ、オリオン公国の家臣たちですから、師匠の直臣、私たち6人には、決まりはありません。師匠が何も言わないので決まりがありません。」

「そうなんだ、今度きちんと、お休みと勤務時間を決めるね。・・・・船の事、お願いね。」



アレクは、がっくりと肩を落としガレオン号に向かった。




オリオン公国での飛行艦はガレオン号が大型艦として全長60メートル、中型艦が全長40メートル前後、

小型艦は20メートル前後の大きさとしている。

大型艦と中型艦は、ガレオン号のように帆船の形をしているが、小型艦は帆がない。アレクが形にこだわり帆を取り付けただけなので、帆なしで航行だ出来るのだ。

帆が無いので、小型艦は高速航行が出来るようになっていた。


オリオン公国、アレク伯爵領のドックとオリオン領都のドックで小型艦の建造が行わていった。


アレクは、艦乗組員の他に、空兵隊を組織しようと考えていた。身体強化の出来る人を集め、訓練をさせている。獣人が多めに入っているのは、アレクは諦めていた。多少、脳筋の暑苦しい人々と思っていた。

空兵隊は獣人6割、人間4割の比率になっていた。仕事は、もちろん戦う事だが、上空から地上に降下して戦闘する。募集時に心臓の弱い方はお断り。と書かれていた。

募集のポスターを見たものは、不思議に思ったが、入隊して、みんなが納得して、絶叫していた。


アレクの、落ち込んだ気分はどこかに飛んで行っていた。

ガレオン号の改造が、楽しいのだ。フンフンと鼻歌まじりの息をしながら、作業に熱中している。


「師匠、お客様です。」

「だれ。」

「公王妃様がいらっしゃいました。」

「えっ、母上が。」


「突然、母上が来るとは、如何かしましたか。」

「アレクちゃん、お願があるのよ。いいわね。」

「い、いや内容によりま・・す・・・ょ。」


エレメラ公王妃のお願いとは、オリオン公国警察隊員の移動手段を作れとの命令であった。

アレクは、断れない、断る勇気もないからだ。

アレクは、二つ返事で請け負う。

エレメル公王妃は、微笑みながら帰っていく。


「どうしよう。」

「師匠、断ればいいじゃないですか。」

「じゃぁ、代わりに断って来てよ。」

「陪臣には無理です。」

「・・・・・」


アレクは、ガレオン号改造を一時中止した。


アレクは、エレメルの要望を、思い出しながら考える。

少人数の移動、犯人の搬送、強い攻撃力はいらないな。


アレクは、全長7メートルのパトロール船を造った。この船、6人乗りの檻付きだ。

上空を高速、低速航行でき静止も出来る。


アレクは、母エレメルに自慢するために、エレメルの所にパトロール船で乗り込んだ。


「母上、これを見てください。自慢の船です。」

アレクは、自分を褒めて欲しくて、パトロール船の高性能化をいかに苦労し、考え、建造したかを少し盛って自慢した。

「アレクちゃんは、天才ね、凄いわね、偉いわね、賢いわね」等を母はマシンガンのように連射していた。

煽てたりしている途中に、母は、パトロール船を100隻すぐに建造するように命令を出していた。アレクはおだてられている最中に嬉しくなり、つい承諾してしまっていた。褒められているので、その時は気づいていなかった。


アレクは、後悔していた。近づいてはいけなかったのだ。大魔王と魔王2人には。魔王軍の勢力は拡大の一途をたどっている。クリス姉様も、魔王軍に入りそうな気配をしている。オリオン家の男たちは、連合すら組めていない。太刀打ちできないのだ。家臣団も、魔王軍に侵略されている。アレクは、「要調査だな。」と独り言を言いながら、命令に従うのであった。


パトロール船の建造を次々とこなし、合間にガレオン号の改造を少しやっている。

ガレオン号の改造しているときが、一番楽しい時である。

楽しい、ワクワクする、アレクは色々と考える、他の形も今度、造ろうかな。 アレクの夢は広がっていく。夢の中にいると、手が止まっている。それを注意されると、現実に戻される。


アレクの幸せの時間は長くは続かない。


「師匠、師匠、大変です。」

「またぁ、今度はなに。」

「陛下が、陛下がこちらに来ています。」

アレクは、やな予感しかしなかった。

「応接室かな。」

「はい、応接室でお待ちです。」


「父上、如何しました。突然に。」

「いや、大した用事は無いんだ。」

「え、まさか父上、仕事がいやで逃げてきたんですか。」

「・・・・・・・」



「父上、帰れーーーーーーっ。忙しんです、父上に構っている暇はないんです。帰れーー。」



アレクは、オリオン公国公王を追い出した。




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