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668話 カインは内政官?

アレク開発の魔石爆弾が出来上がった。


「よーし、これからあの化物に魔石爆弾をくらわすぞ。1体に3個ぐらい埋め込むようにな。」


「「「「「はっ」」」」」


それからは流れ作業の様に進んでいく。



ボン、ボン、ボン。



「おーー効いているな。これなら大丈夫だろう。」


「アレク様、これで街は救われました。」

「あー、だがまだ問題は残っているな。これがどこから来たのかだ。」

「ブルー、魔物がどこから来たか調査してくれ。」

「いいよ、俺とグリーンで行ってくるよ。魔物の被害地域を追えばわかるでしょう。いってきまーーす。」


ブルーとグリーンは飛び立っていった。


「やったー、ブルーがいなくなった。」

「へへへへ、そうだね。これでゆっくりできるね。」

「イエロー、分かっているね。」



「甘いぞ、お前ら。これから被害にあった村の復興作業だ。」

「「「えーーーーーー。」」」


アレク達は難民と化した人々を村へ帰る作業に追われる。


これが大変であった。アレクの解放した者達は良かったのだが、奴隷となっている者達もいたのだ。奴隷紋の入った者達は自由の町を見て感動していた。自分たちも解放を願ったのだ。

その数、4000人にも及んでいた。


「新しい町をつくるか。」

「それしかないでしょうね。この町では収容出来ません。」

「だよな。」


アレクは新しい町をつくる事は出来るが場所の問題があった。今の自由の町はアース大陸南部寄りの場所であり、他の解放村も南部地域に集中している。広範囲の防衛を嫌ったアレクは纏めてしまっていたのだ。

だが人口が増えれば物資の消費も増えていく。この狭い地域では賄いきれなくなってしまうのである。


「地域を広げて邪気の町を獲るか。」


アレクは北部大陸の地図をじっと見ている。


南部と北部を分けている。山脈近くが今の自由の町である。北部大陸ほぼ中央に位置しているこの場所は、元のオリオン領(3000年前)の近くであった。その広さは元のオリオン領より広いが、耕作の技術が衰退している為に、多くの人々を食べさせることができないのである。

南部の技術を入れているがすぐに結果が出るわけではないのである。


「艦長。物資の輸送を頼む。」

「カイン様の貨物船を使ってもよろしいでしょうか。」

「あー、あれね。いいぞ。カイン兄には言っておく。」

「ありがとうございます。」




その頃カインは。



アース大陸北部のある町をレッドと共に襲撃していた。


「おりゃー。」


「ぎゃぁー、悪魔だー逃げろー。」

「赤い悪魔だー。」


「誰が悪魔だー、正義の味方だぞー。」


カインとレッドは邪気たちから、レッドは赤い悪魔、カインは悪魔と呼ばれていた。

本人たちは奴隷解放している正義の味方である。人と邪気では立場が違うのだ。人から見れば解放者。邪気から見れば侵略者である。


そして一つの町を解放してた。


「おーお前らここは人の町に戻る。これからは自由にやっていいぞ。」

「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」


「あれ、ここは大歓声とかだろう?ねぇレット。」

「だよねー。なんでみんな黙っているの。」

「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」


「あの宜しいでしょうか。」

「おっ老人いいぞ。何だ。」


一人の老人が語りだした。この邪気に支配された町は、もう100年以上前の事である。何世代も支配されている為に、支配されることが当たり前であり受け入れていたのである。

そこに解放者であるレッドとカインが現われたのだ。

読書きもまともにできない者達である。食料である税を納め、人を生贄として差し出し何とか生き延びてきた者達である。

いきなり町の運営や自由にしろと言われても、どうやればいいのかが分からないのであった。



「なら、ここから東に行った場所に自由の町があるそこの傘下に入れ。あそこならば町の運営もやってくれるぞ。後食料が足りなければそこから援助してもらえ。」


「「「「「おおおおおおお」」」」」」


此処でカインとレッドは又調子に乗ってしまう。


「俺に任せとけ。お前たちの生活はこのカイン様が面倒見てやる。ハハハハ。」

「このレッドも手伝うよー。」


「「「「「「「おおおおおおお」」」」」」」


町の者達の歓声にいい気になっていく二人であった。


だがカインは人を使うのが意外と上手かった。


「そこの茶髪の男、お前自由の町まで伝令な。」

「へっ。伝令ですか。あの馬で駆けていくやつですか。」

「あー、ここの伝令は馬なのか。走ってでもいいぞ。要は伝える事が仕事だ。」


カインは自由の町に伝令を走らせた。解放した町の援助と人の手配である。


カインは自由の町からの援助が届くまで、この場で指揮をとららなければならなかった。煽てられ褒められ感謝されてしまったカインとレッドはいい気分になっていた。ご機嫌になっている。



「食料はあるのか。」

「はい。私たち奴隷は2000人おります。1月は暮らせると思います。」

「お前ら奴隷ではないぞ。俺の民となったんだ。」


「「「「「「「おおおおおおお」」」」」」」」



そして



「なぁレッド、アレクって苦労していたんだな。」

「そうだね、こんなに大変だと思わなかったよ。」

「「ハーーーーー」」


カインとレッドは一つの町を治める事に疲れ果てていた。元奴隷たちは働き者であるが、何一つ自分たちで決める事をしないのであった。

何でもカインに決定してもらうのである。奴隷根性が染み付いてしまっているのだ。


食料の配給から始まり、結婚の許可まで全てカインに報告連絡が行くのである。事務仕事の嫌いなカインにとって地獄であった。



そこに空から貨物船が飛んできたのだ。



「おおーーーー神か、なぁレッドこれで俺たちは自由だー。」

「そうだね。デモあれカインの船じゃない。」

「えっ俺の船なの。」



「カイン様、お届け物です。」

「おー船長久しぶりだな。」

「本当にお久しぶりです。」


貨物船の船長はカインに報告をしていく。自由の町に伝令が届き、物資輸送と人の手配を貨物船が請け負う事になったのである。


「船長、人は来たのか。」

「はい、内政を任せられる人間を連れてきました。ですが3人しかいません。」

「3人いれば大丈夫だろう。」

「カイン様、町一つを3人で見る事は出来ません。最低でも50人はいませんと。運営は出来ません。」

「マジか。」


カインとレッドは当分はこの町で働く事となってしまった。


見張り迄つけられてしまっていた。カインは領主として最終決裁をしている。レッドは農地を広げるために爪でカリカリと畑を耕している。



「もうヤダー、僕の爪は畑を耕すためにあるんじゃない。悪を切り裂くためにあるんだ。」

「分かるぞレッド。俺もそうだ。この手は人を殴るためであって、名前を書くためにあるんじゃないぞ。そろそろ行くかレッド。」

「そうだね。僕たちの助けを待っている人たちがいるよね。」



カインとレッドは真夜中にこっそりと抜け出していた。まるでこそ泥のようであった。







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