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639話 ダーイア王国侵攻

ダーイア王国


「レオン様、オリオン王国はいかがでしたか。」

「レギスか。俺の担当は西となった。ダーイア寄り西を征服するぞ。」

「まことですか。ダーイア王国より西はかなりの広さがありますが・・」

「分かっている。南西はルドルフが担当するのだ。連絡を取り合いながらやればなんとかなるだろう。それに艦隊も2艦隊こちらに来るからな。」

「おーーー空飛ぶ船ですか、素晴らしいですな。」

「レギスには将軍として陸軍を指揮してもらうぞ。」

「レオン様、陛下の事は・・・・・」

「心配するな大丈夫だ。ダーイア王国はダーイア地方として生き残れる。そこの象徴君主として地方王としての役職を残す。政治にはかかわらないが、ダーイア王として存続させる。予算も毎年付けるようになる。」


レオンはダーイア王国の執政の立場である。現ダーイア王よりすべての権限をレオンに委譲しているのだ。事実上の王である。


レオンはこれまでにダーイアでの基盤を築いていた。執政としてダーイア王国の内政を重点に行い、かなり安定して来ていたのである。


レオンは兵を集めるより懐柔政策を取ろうとしていた。

無駄な犠牲を出さないためになるべく戦争をしない様に考えていたのである。

だがいくらレオンが戦争回避に動こうとダーイア王国が動けば近隣諸国は警戒し、抵抗してくるのである。



このレオンの動きは近隣諸国を刺激してしまった。



ダーイア王国軍の強化は他国からみれば侵略準備としか映らなったのである。

ダーイアの西にほぼ同規模の国が存在している。この西のアースト王国はダーイアをライバル視している。ダーイアより豊かに、ダーイアより上位にとなんでも比べているのだ。

ダーイア王国が軍の強化をするとアーストも軍の強化を政策として掲げる。

いつもの事であるがレオンも渋い顔をしている。


「アーストだけは戦争になるな。」

「レオン様、アーストを征服しても何もいい事はありません、国内が混乱するだけです。」

「・・・・・・なぁギレス何でアーストはダーイアをライバル視してくるんだ。別に比べなくともいいだろう。」

「国民性と言いますかアーストの者達は心の中ではダーイアが羨ましいのでしょう。元々ダーイア王国とアースト王国は3000年前のグラムット帝国の系譜です。国ができた時期は違いますが歴史に大きな違いがあります。我がダーイア王国は敵と戦い勝利して国を存続してきました。ですがアースト王国は過去に何度もダーイアに守られ救われています。今のアースト王国が存続しているのもダーイアの力があっての事なのです。

そのためにダーイアは優越感もあります。まぁ今ではアーストのバカ騒ぎには相手にしませんが、かなり鬱陶しくは思っています。」

「アースト王国はダーイア王国を征服すれば内乱になるという事か。」

「間違いなくなります。」

「自治領にするかな。」

「アースト以外を先にすることが良いと思われます。あそこは口だけですから自ら戦争をしたことが一度もありません。」

「そうなのだろうな。アーストの対応を任せてよいか。」

「お任せください、アーストの奴らの扱いには慣れています。」


レオンはアースト王国を後回しにすることにした。

アース大陸南部の地図を眺めているレオンは大陸の大きさを実感していた。

大陸に小さく書かれているダーイア王国の文字、元グラムット帝国の一部である。その大きさは大陸の地図の100分の1にも満たないであろう。こんな小さな国が大陸の西を征服するなど正気の沙汰ではないと思えてしまうのだ。


西の地域はまだ国の名も分かっていない場所である。国が存在しているのかもわかっていない。

それでも早急に南部を統一しなければならないのである。


「ハーーー、アレクは無茶苦茶だな。」


レオンは大きなため息を吐いていた。

アース大陸南部統一そんな大それたことを考える事態変人である。迷宮での出来事が影響しているとはいえ、それまで普通の人であったレオンやオリオンの者たちである。アレクとカインだけはやる気満々であるが、二人の能力が突出している事が原因であろう。


レオンはアースト以外の国と交渉していた。ダーイア王国に服従するか争うかを選択させたのだ。これははっきり言って愚策であった。今まで対等な立場であった国が服従しろと言って服従する国はまずないのである。

レオンも少し考え違いをしていた。ダーイア王国とオリオン王国を一つの国として考えていたのだ。

これはオリオン王が兄弟であり、自分もオリオンの一員であることが原因であった。レオンの考えは間違いではないオリオンはダーイア王国、いやレオンに全面的に協力するのだから。

だが近隣諸国はダーイア王国を単独として見ているのだ。今までの王がそうであったことからレオンという執政が纏めるダーイア王国を知らなかったのだ。


「メルト王国は戦争を選んだか。」

「レオン様、それは仕方ありません。まだダーイア王国の実力を誰も分かっておりません。」

「そうだな、ダーイア王国は俺に変わってから戦争をしたことも無いのだったな。」

「そうです。艦隊がある事も軍が強化されたことも他国の者は理解も出来ないでしょう。」

「ハーーー、民になるべく被害が出ない様にしないとな。」

「はい、王都の城を攻撃します。流石に王都城を破壊されれば考えも変わるでしょう。」

「国境の守りを強化しておけ。アーストの馬鹿どもが騒ぐからな。万一進軍してきた場合は攻撃を許可する。」

「はっ。」



レオンはメルト王国王都へ艦隊を動かした。

それはメルト王国を始め近隣諸国に衝撃を与えていた。空飛ぶ船を持っている。そんな事はありえないのだ。鳥以外が空を飛ぶことなど考えられなかったのだ。



メルトの民は皆大口を開けて大空を見上げていた。



悠々とゆっくりと進む艦隊はメルト王城を空から包囲して城内に警告を発っした。1時間後に城を攻撃する。避難するように警告を出したのだ。

この警告はメルト王を始め高位の貴族達に完全に無視された。一部の者達は避難をしたが多くの者達は敵に対応するために対策会議をしていたのであった。


そこで時間となり艦隊から一斉に攻撃されて城は瓦礫となってしまったのであった。


城が崩れても生き残った者達は多くいた。レオンはなるべく人のいない場所に攻撃をしたことで死人が少なかったのだ。


レオンたちは素早く王都を占領する。城の生き残りの者達を捕虜として最終交渉を行なうのであった。


レオンのメルト王国王都侵攻は他国に衝撃をもって伝えられていった。


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