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636話 アレクとマリアの思惑

拠点村は今空前の好景気に沸いていた。

オリオンからの物資輸送で人が集まり、村も拡張する事となったのだ。

今デニーズ王国内でこれほどの好景気な場所は旧王都以外ないのだ。旧王都は規模も違うが一領地が周りに与える影響は旧王都以上であった。


何しろ街道沿いと言っても所詮は村の規模であった。それが一気に町になってしまう程の勢いなのだ。


村人


「なぁおらたちの村、すんごくねぇかー。」

「すんごいなー。」



この村を拠点にして各村人を説得しているレインクトとグレートは順調に作戦を実行する事ができていた。


「グレート、ラーズと公爵が一戦したようだな。」

「嗚呼、北の平原で戦ったな。双方傷み分けだった。」

「ラーズが勝つと予想したんだがな。俺も焼きがまわったか。」

「いいや実際は勝っていたんだ。アレク様が調整されたようだ。」

「何だと、オリオンが参戦したのか。」

「いいや、兵を潜り込ませているようだな。いまオリオンとしてみればラーズと公爵が拮抗している状況が最も望ましい事は分かるな。」

「嗚呼もちろんだ。」

「その状況はアレク様が調整しているのだ。」

「まさかそんなことできる訳がないだろう。」

「俺もそう思うが、この村を見ていると出来そうな感じがしてな。あくまで噂だがな。」




オリオン(ルドルフ領)


「アレク様、艦隊の準備が整いました。」

「おーー、やっとか。で幾つ艦隊編成が出来た。」

「2艦隊です。」

「当分は十分だな。」

「はい、ですが艦隊員の教育の為に1艦隊は練習艦隊といたします。」

「そうだな、それでいい。そうなると艦隊司令官を如何するかな。」


アレクはカインに艦隊を預ける事にしたが、カインは拒否した。もう自分の艦隊は持っていると事が理由であった。それは間違いではないのだが乗組員がいない艦隊では何の役にも立たないのであった。

そこでアレクはカイン艦隊の教育の為に派遣という形をとったのだ。カイン艦隊は空母を軸としたドラゴンとワイバーン隊を持つ強大な艦隊となった。当分はオリオン領全体の警備とデニーズ王国の助っ人をしてもらう事になった。


「アレク、俺の拳が震えているんだ。」

「寒いんですか。」

ボカッ。

「そんなことあるかー。戦いたくて震えているんだよ。」

「あー、もう少しですよ。それまで艦隊の訓練をお願いします。」

「あんなに船いるのかー、戦艦2隻、中型艦6隻、小型艦30隻、空母4隻だぞ、それに貨物船5隻もいるのか。」

「まぁ2艦隊分以上ですからね。カイン兄も分艦隊を組織して任せてしまえばいいんですよ。カイン兄専用艦は戦艦にしてあと分艦隊を二つか三つに分けて家臣に任せてしまえばいいんですよ。」

「それでいいのか。」

「信頼できる家臣に任せる事は領主の務めですよ。家臣はそれで頑張ります。」


なんとも都合のいい表現であった。

アレクが言っている事は面倒だから家臣にやらせよう。領主は指示を出すだけでいいだろうと言う事であった。


「なぁアレク、俺は馬鹿だけどお前は俺以上にばかだな。」

「なんでですかいい考えじゃないですか。」

「それはアレクを裏切らない家臣がいるからだろう。俺にはまだそういう家臣が少ないんだよ。」

「いるじゃないですか。山の迷宮の仲間たちが大勢いるでしょう。」

「えっあいつらでいいのか。」

「当たり前じゃないですか。あれ以上信用の出来る人たち居ないでしょう。」

「でもあいつら馬鹿だぞ。」

「カイン兄、教えればいいんですよ。教育はマリア姉とイリア姉に任せてしまいましょう。」

「おおーーそれなら完璧だな。」


この二人自分でやろうとは全く思っていないのだ。


アレクは策略謀略を毎日楽しそうに考えている。カインは訓練訓練、また訓練をレッドと共に行っているのだ。




「ちょっとアレク、どういうことなの。」

「ママリア姉様、どういたしました。」

「アレク、カインから聞いたわよ。家臣の教育を私とイリアに任せると言う事なのかしら。」

「いやーー、すいません。本当です。ごめんなさい。」

「いいのよアレク、アレクも忙しいでしょうからね。一つだけお願い聞いてくれればやってあげるわ。」

「ななな何のお願いでしょうか。出来るお願いにしてもらえると助かるんですが。」

汗がダラダラと流れている。


「簡単よ。このルドルフ領を中立都市にしてもらうわ。」

「えっ中立都市ですか。オリオンから離れると言う事でしょうか。」

「違うわ、私たちはあくまでオリオンに一員よ、でも戦争はしないわ。」

「戦争以外は協力してくれると言う事ですか。」

「それも違うわね。戦わないだけで戦争にも協力するわ。でも中立都市は戦わないわ。」

「都市とマリア姉たちを違うと言う事ですか。」

「そうヨ、私たちはオリオンだもの、戦わないなんてありえないでしょう。でもね一つぐらいは中立都市が無ければいけないのよ。」

「それは分かります。過去にもエデンのような島がありましたし。」

「そうねエデンのようにはならないでしょうけど、商業の中心地にはなれるわ、この運河を利用すれば大陸中まわる事も出来るわ。」

「でもルドルフ兄が戻ってきた時どうするんですか。」

「それはアレクが何とかしなさい。この町もう都市ね、ここは私とイリアが自由都市として発展させるわ。」

「分かりました。ですがあくまで自治領としてお願いします。幾つも国を創ると過去と同じように争いになります。」

「アレクは一つの国家にするつもりなの。」

「いいえ一つではさすがに少ないでしょう。一つの大陸に3つか4つぐらいが一番いいのではないかと思っています。いずれは自由都市にも独立してもらいましょう。ですが今はオリオンでまとまらなければいけません。」

「そうね小さな国が100か国なんて纏まるはずもない物ね。」

「そうです大国一つでも内部で争いになるでしょう。二つでもお互いに潰そうと戦争になります。3つか4つの大国が拮抗する事が一番いいのではと思います。」

「中で多少争いをさせるのかしらね。フフフ。」

「さぁーそれはその時の王が考える事でしょう。ですが戯れや邪気という者達を排除してからの事になります。」

「カインが襲われたと言うやつらね。物凄く臭かったって言っていたわね。」

「ええ、息ができなくなったようですね。」

「でもそれ嫌よね。」

「カイン兄が会った者はかなり弱い物だと思います。このアース南部はほとんどいないと言う事ですから。ですが北部とタンドラは戯れが支配している地域です。なるべく早く南部を纏めて北部の人たちを救わなければなりません。」

「そうね。奴隷にされているのだったわね。私の方でも情報を集めるわ。」

「お願いします。」



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