628話 戦況確認中
アレクはオリオン領(ルドルフ領都)にカイン、マリア、イリアの4人で話し合いを行なっていた。
「カイン兄、デニーズ軍はどうでした。」
「んー弱かったな。というよりほとんどレッド達がやっちまったからな。」
カインは不満顔であった。
「今回は仕方ないですよ。」
「そう言うアレクの敵は強かったようだな。羨ましい。」
「俺、死にそうになったんですよ。全然羨ましくないですよ。」
「デニーズ軍の自爆部隊か。」
「そうです、かなり厄介ですね。」
「オリオンに喧嘩を売る訳だな、そんな部隊を持っていれば普通の部隊じゃ敵わないもんな。」
「ええそうです。ですが対応は出来ます。遠距離からの攻撃で殲滅させます。」
「近づかないと言う事だな。」
「カイン兄や俺なら即死はないと思いますがうちの兵士たちは即死しますね。」
「・・・」
「アレク。それよりもデニーズ王国に進軍するの、それとも講和にするの。」
「イリア姉、講和はしませんよ。今の状態では講和しても譲歩どころかこちらの負けと思われますよ。」
「でも敵の7万の兵を退けたのよ、十分な勝ちでしょう。」
「デニーズ王国はそう思っていないでしょうね。特に自爆部隊のようなものを作る人たちはね。」
そうデニーズ王国はまだ負けていると思っていなかった。国王を始め国の重鎮たちはオリオンを倒せると思っているのである。
「陛下、7万の兵が敗れましたが、収穫もございました。」
「ほー、負けたのに余裕だな、軍務大臣。」
「ただの負けではございません。さすがにドラゴンには驚きましたが、ドラゴンにも対応策がございます。」
「ほー聞こうか。」
オリオン陣営ではレッド達をデニーズ王都へ向かわせ降伏させる作戦を考えていた。
「カイン兄、レッド達は王都へ向かわせましょう。」
「おーいいなそれ俺が主役だな。」
「いいえどう見てもレッド達が主役でしょう。」
がっくりと膝を着くカインであった。「そんなー。」
「カインの事はほっときましょう。それよりアレク、オリオンの領地(村)はどうするの。」
「被害にあった村は早急に復旧作業に入ります。それと防衛の強化、これはワイバーン隊を監視と防衛に全て振り当てます。小型艦も何隻かまわします。」
「いいのアレク、それではかなりの戦力低下になるわよ。」
「仕方ないですよ。領民を守る事は領主の役目です。防衛をおろそかには出来ません。」
「そうならいいわ。だけど艦隊の人員が足りないわね。」
「ええまだまだ足りていません。早く訓練してきちんと運営させないといけませんね。デニーズ王国との戦争が終わり次第艦隊人員を増やしますよ。最低でも10艦隊は作りますよ。」
アレクとカインはデニーズ王都へ向けての準備にかかっていた。
「なぁアレク、デニーズ王って王都にいるのか。」
「いるでしょう。王なんですから。」
「・・・・んーーなんかいないような予感がするんだよな。」
「・・・・・」
カインの予感はよく当たるのだ。小さなころから一緒のアレクには分かる、この感は当たっている。
アレクはデニーズ王国の再調査を命じた。王都の様子、周辺の状況などを細かく調査させたのだ。
調査の結果、デニーズ王国王都は何も変わらずに人々が暮らしている。城を守る兵も普通に勤務をしている。戦時中とは思えないような暮らしぶりである。
だが王都周辺は少し違っていた。
王都以外から人を集めているのだ。王都の者達は普通に暮らしているがそれ以外は戦時特別徴兵をとっていた。無理やり徴兵されていく男達であった。
デニーズ王国との激闘から2か月経っていた。
「それでデニーズ王都は何も変わらないと言う事か。」
「はい、戦時中とは思えないほどふつうです。」
「それがおかしいと言う事か。」
「そうです、王都以外の者は徴兵されています。」
「徴兵された者達は何処で訓練しているのだ。」
「それがまだ不明です。地上にはおりません。」
「地上にいないとなると地下か迷宮という事だな。」
「そうなります。迷宮で訓練している場合はかなり強くなっていると思われます。」
「・・・・・どうするかな。」
アレクはデニーズ王都の様子にかなりの不安要素を感じていた。通常戦争となれば王や重鎮のいる王都を攻略して戦争終結を図るのだがカインの予感にもあった、王がいない事を真剣に考えなければならなかった。
「王や王の側近などのは確認できたか。」
「いいえ出来ていません、普段からあまり表に出る王ではないようです。ですが王城に出入りする人の数は減っているようです。」
「まさかな。」
アレクは悪い予感がした。もし自分がデニーズ王であったならば強力なドラゴンを倒すためにどのような方法をとるか考えたのであった。アレクはレッド達が王都に降り立った場合には王都ごと爆破させればレッド達を無効化出来ると考えたのだ。
だが普通そこまでやらないだろうとも考えてた。自国の国の王都を爆破する事等普通はありえないからである。それに王都の民がいるのだ。
王都だけ普通に暮らさせている事がアレクには不自然であり、王都民を逃がさないための作戦である事を考えればつじつまが合うのである。
「過去にデニーズ王国の地域に迷宮都市があったか調べろ。山の迷宮ならば資料ぐらいは残っているはずだ。」
「はっ。」
アレクの部下が部屋から出ていく。
もしアレクの考え通りならば、レッド達の活躍場所はない。オリオンとしてみれば戦力の無力化をされたようなものである。
これが自爆部隊などが存在していることから無暗に王都へ進軍する事が出来なくなってしまったのだ。王都を爆破するような事も考えてしまったからである。
「王都を調べなきゃな。」
アレクは単身でデニーズ王都へ乗り込むことにしたのだ。ドラゴンや多くの兵で進軍すれば万一王賭爆破を誘発すると考えからである。単身ならばそれもやらないと考えたのだ。
「アレク、俺も行くぞ。」
「カイン兄は残ってください。いざという時レッドと出撃してもらわないといけませんから。」
「えーーーっ、俺の活躍の場は王都だろう。」
「今、調査中ですが多分王都には王はいません。居どころが分かったらカイン兄にそこに行ってもらいます。その報告を待って出撃でお願します。」
「その地下迷宮という場所か。」
「ええ迷宮かは分かりませんが地下でしょう。体の大きなレッド達が入れない場所と考えれば地下しかないでしょうね。」
「相手も馬鹿だよな、レッドは小さくなれるの知らないんだろうな。」
「知らないでしょうね。普通のドラゴンは小さくなれませんからね。」
「カイン兄、なるべく早く連絡を入れますからね。」
「おう、じゃぁ任せるよ。怪我すんなよ。」
「ハハハ、大丈夫ですよ。行ってきます。」
アレクはガレオン号に乗りデニーズ王都へ向かった。




