617話 オリオン島
「これがオリオン島か。普通だな。」
「アレク様は何を想像していたのですか。」
「いやほら秘境のような隠れた場所から出入りとかさ色々と・・」
「そんな山奥では警備も出来ないでしょう。ここはひとつの都市になっています。人は住んでいませんが住むことは出来ます。」
「そうだないずれは人を住ませたいな。」
「はい、艦隊と武器の管理がきちんとできれば人を住ませることもできます。何しろオリオンの許可が必要でしたので今までは住むことを禁止していました。まぁ人がいない方が管理も簡単ですから。」
「嗚呼そうか、最初の決め事で住めなかったのだな。」
アレク達は、艦隊が保管されている場所へ行くと
「確認します。姓名を名乗ってください。」
「アレク・オリオン。」
「確認します。照合中。照合中。」
「確認完了。アレク・オリオンはオリオンの系譜と確認しました。この島の所有をアレク・オリオンに移します。作業中、作業中。」
「作業完了しました。本島の所有はアレク・オリオンとなりました。今後アレク・オリオンの許可が必要となります。以上です。」
プシューー。
大きな入り口が開きアレク達は中に入っていく。
「凄いな。」
アレクが見た光景はズラリと並ぶ戦艦であった。
「圧巻ですな。」
建物の中をアレク達は見て回る。艦や色々な武器等使ってはいけない物が多くあった。
「地下施設は封印だな。俺以外は入れないようにしとこう。」
「それが宜しいかと。」
アレク達は最重要施設を見て回った後にオリオン島の指令室へと向かった。
「本拠地をここにするかな。」
「えっ本島はどうするのですか。」
「あそこは行政機能を残せばいいだろう。この島はまだ人がいないから戦うには都合がいい。」
「ではこの島に騎士団を移動させましょう。」
「そうだなここで訓練も出来るだろうしな。貨物船は輸送に使ってくれ。」
「はっ了解しました。」
それから島全体を見て回った。
「おーーードラゴンだな。ん、あれドラちゃんだろう。おおーーい。ドラちゃん。」
ドラちゃんと言われた。シルバードラゴンはアレクを見ると。「アレクだーーー。」
「アレク、久しぶりかな。」
「ドラちゃんだろう。初めてだけど、残像の記憶があるんだ。」
「へーー、アレクそっくりだね。魔力もアレクそのものだよ。」
「そうなのか俺には分からなよ。それよりほかのドラゴンたちもいるのか。」
「うんいるよ。みんな昼寝しているよー。」
「・・・・そうか。」
この島の最強の防衛力はドラゴンたちであった。数十体のドラゴンが守っていたのである。
それからのアレクはかなり忙しくなった。オリオン島を中心とした体制つくりと騎士団の増員と訓練である。
「グレントお前を宰相とする。」
「・・・・・」
「え、嫌なの。」
「これ以上働けません。忙しすぎます。」
「まぁまぁそういわずにグレント宰相になれば侯爵位を授けるぞ。それに年金も倍にする。」
「陛下、私はもう年です。これ以上は必要あり・・。」
アレクはグレイトの言葉が終わる前に「頼む、見捨てないでくれ。」見事な土下座をしていた。
「陛下、簡単に伝説のド・ゲ・ザをしないでください。」
「うっ・・・だが今グレントがいなくなると本当に困るんだ。」
「分かっております。2年です。2年間は引き受けますがそれ以上は体がもちません。」
「わ分かった。それまでに人を育てる。それと機人を3体使ってくれ。」
「治ったのですか。」
「嗚呼、残像の記憶と迷宮が健在だったからな。何とか生産も出来るだろう。だが過去の魔力と今の魔力ではかなり違いがあるようだな。人々の魔力が弱くなっている。」
「そうなのですか?」
「そうだ。3000年前は平均魔力100であったのが、今は60までに減っている。魔法を使っていないせいで魔力が増えていないのだろうな。」
「それは魔道具の発達が影響しているのでしょうか。」
「それも原因の一つだろうな。魔道具は誰でも使える便利な物だからな。まぁ魔法が廃れてしまったことが一番の原因だろうがな。」
「魔法使いも増やさなければなりませんな。」
「嗚呼、本島の学校を下(地上)の者たちも受け入れるようにするぞ。」
「おーそれは良い考えです。島の者達も良い刺激になるでしょう。」
「陛下、陛下ーー。」
「どうした、団長そんなに騒いで。」
「本島に接近している者がおります。真っ赤なドラゴンです。」
「あっ。俺は留守だ。いいな俺はいないぞ。」
「・・・陛下、それは無理でしょう。」
真っ赤なドラゴンと一人の男、それはレッドとカインである。戻らないアレクを探してこの島まで来たのだ。
「おーーー凄いな浮いてるぞ。」
「凄いでしょうカイン。浮遊島は3000年前にアレクが作ったんだよ。多分アレクは浮遊島にいるよ。魔力感じるもん。」
「あいつこんな楽しいことやっていたんだな。マジルに戻らないと思ったら楽しすぎだろう。へへへ。」
「ねーカイン、僕、あとで友達の所に行ってくるね。」
「レッド・・・お前友達いたのか。」
「あーーーそれ酷くないカイン。僕だって友達ぐらいいるよー。ドラちゃんでしょう。シロでしょう、あとはクロにブルーもいるもん。」
「おーー凄いなレッド、俺にも紹介してくれよ。」
「いいよ後でみんなに紹介するよ。」
そんな会話をしていると浮遊等から飛竜隊がレット見向ってやってくる。
「おーードラゴンだー。」
「あれは飛竜隊だね。僕たちより少し小さなドラゴンたちだよ。スカイドラゴンたちだよ。」
「此処は浮遊島の制空権です。所属をお願いします。」
「おーーアレク会いに来たんだ俺はカイン・オリオンだ。」
「オリオンの一族の方でしたか。陛下は城におります。着いてきてください。」
「陛下?」
「カイン、多分アレクが王様になっちゃったんだと思うよ。オリオンの人が来たから王様にしちゃったんだと思うよ。」
「・・・なんだそれ。」
カインは少しホッとしていた。もし自分が一番に来てしまっていたら王様にされていたかもしれないと思ったからであった。
「アレクならうまくやっているだろうな。レッド行くぞ。」
カインとレッドは飛竜隊の後に付き浮遊島へ着陸した。
「へーー、人もいるのか。のどかでいい所だな。」
「カイン、ここは迷宮都市もあるんだよ。人もいっぱいいるんだよ。」
カインのもとに1人の騎士が駆けてくる。
「カイン様、城へご案内いたします。」
「おう。」




