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611話 ルドルフ王?

アレクは商人組合を出ると孤児院の建設現場に向かった。


「カイン兄、かなり進んでいますね。」

「おーアレクどうだ凄いだろう。」

「思ったより大きな建物ですね。」

「ああ、マジルの町で孤児がかなり多くてな。」

「そんなに多かったんですか。」

「426人だ。」

「それってスラム街の人数じゃないですよね。」

「スラムは1000人ぐらいだったよ。そのうち子供が200人位でスラム以外にいた子が多かった。」


このマジルの中で孤児の内、220人は街中で物乞いをしていたのであった。スラムより街中の方が食べ物を得る確率が高かったのだろう。そして飲み屋、食堂などでは残飯が出るからだ。


「426人ですか、親に捨てられた子が殆どなんでしょうね。」

「そうだな、遊女や色々だろうな、後はこのマジルに捨てていく者もいるな。」

「そうですか・・・・」


アレクとカインは建設の手伝いをして領主館へと戻って行った。


「「ただいまー。」」


「あっおかえりなさい。食事できてますよ。」

「リオネさん、ありがとうね。」

「おうありがとうな。」


アレク達は食堂へと向かう。

マジルの領主であるマジル卿も今日はいるようだ。


「マジル卿、今日は会合は無いのですか。」

「ええやっと一段落しました。アレク様ご相談なのですが、このマジルの町をオリオンに組み込んでもらう事は出来ないでしょうか。」

「マジル卿、マジルの町は態々オリオンへ入らなくともマジル自体できちんとやっていけますよ。」

「税収入で見たらそうでしょう。ですが私には兵の指揮は出来ません。それに孫のリオネも出来ないでしょう。いざという時に戦う事が出来なければ又元に戻ってしまいます。」


マジル卿はオリオンの後ろ盾の保証を欲しがったのだ。今はカインが後ろ盾として民衆の前で宣言をしている。だがこれは一時的な事でしかないのである。カインがこの地を去った後は後ろ盾を失う事になるからである。



「オリオンに入るという事はオリオンの法に従うという事ですよ。」

「はい、分かっています。オリオンから兵を指揮できるものと内政官の派遣をお願いします。オリオンへは税もきちんとお支払いします。」

「分かりました。オリオンに手紙を書きましょう。」

「ありがとうございます。オリオンは法整備された善き国なのですね。」

「まぁオリオン王国としてこれから建国となります。その事と同時にマジルも組み込むようにお願いしておきますよ。」




アレクとカインは部屋へ戻って行った。


「カイン兄、一度戻らないといけないですね。」

「アレクだけで戻れよ、俺に建国の話は分かんないからな。」

「カイン兄はリオネさんの側にいたいですからね。」

「なななな何言ってんだそそんなんじゃないぞ。」



翌日アレクのみルドルフ領へと向かった。



「ガレオン号出るぞ。」

「はっ。」


アレクはルドルフ領まで戻るとマリアとイリアのもとへと向かった。


「マリア姉、イリア姉ただいま戻りました。」

「お帰りアレク。マジルはどうでしたか。」

「ええその事で報告があります。」


アレクはマジルの実情とオリオンに組み込ませることを告げる。


「マジルの事は私から父上に報告しておきます。それよりルドルフの事を手伝ってね。」

「えーーーいやだなーー。」

「アレク、ルドルフは今正念場なのよ。」

「ひどくなっているんですか。」

「ええかなりひどいわ。」


ルドルフは王となる事でかなり増長している。ルドルフの取り巻きも増長している為にあまり目立たないが評判はガタ落ちである。


それから3人は今のオリオン建国について話し合った。

オリオンが建国する事で周りの領主や村などがオリオンの保護に入ろうとかなりの数が訪れている。

それも他の国に所属している村もあるのだ。

これは国同士の問題にもなるので慎重に行わなければいけないのだが、ここでルドルフが大見栄を切ってしまったのだ。


みんな受け入れると多くの者がいる前で宣言をしてしまったのだ。


「それかなりマズいですね。」

「ええ拙いわ。」

「もうルドルフ兄駄目でしょう。」

「だからアレクの力で目を覚まさせてほしいのよ。」

「無理でしょう。こうなってしまったら如何にもできないでしょう。」

「それてね。ルドルフと取り巻き達をコテンパンにのしてほしいのよ。」

「まぁいいですけどそうなるとルドルフ兄は王としてやってはいけなくなると思うけどいいの。」

「それはもう仕方ないわ。」

「父上は了承しているんですよね。」

「ええ了解はとってあるわよ。鍛え直すって言っていたわ。」

「分かりました。これからちょっと行ってきます。」


アレクはルドルフと取り巻きのいる館へと向かった。


アレクは最初から館にいる者達全員をぶちのめす事にしていた。

殺すつもりは無いが骨折ぐらいはさせるつもりであった。


館の門には衛兵が二人立っていた。アレクの知らない者達であった。


「止まれここはルドルフ王のお屋敷だ。何ようだ。」

「俺の事を知らないのか。」

「はっ、何が俺の事を知らないのかだ。ルドルフ王の栄誉ある衛兵であるこの俺達・・・」


ボクッ。


アレクは鞘付き剣で兵を殴った。剣では殺してしまうからである。


「グエッ」

ボコッ。

ドサッ。


門番二人を殴り倒して館へと進んでいく。アレクの姿を見ていた館の者達は大騒ぎである。

アレクを知る者は納得顔をしているが知らない者達は剣を取り向かってき来ていた。

20人程度がアレクを囲んでいるが鞘付きの剣で殴られている。皆一撃で倒されていく。


「曲者だーーー。」

「曲者じゃないっての、俺のこと知らないお前の方が曲者だろう。」

一人ブツブツと言っているアレクであったが、次々と兵が屋敷の中から出てきている。


「ホント何人いるんだ。取り巻き多すぎだろう。」


少し経つとルドルフと側近たちであろう者たちが館から出てきていた。


「アレク何用だ。余の兵を倒すとは万死に値するぞ。」

「はぁーーッ、何言ってんだルドルフ兄、こんな弱いの集めて王国ごっこか。」

「ごっこだと、いくら弟でも処刑するぞ。」

「ルドルフ、お前変わったな。俺に勝てると思っているのか。」

「くっ・・・」


「陛下、ここはお任せください。」


ルドルフの側近であろう一人の男が剣を抜いてアレクに斬りかかる。アレクは男の剣を斬った。


スパッ。


「えっ・・・・・」コロり。


男はまさか己の剣が斬られるとは思ってもいなかったようだ。勢いよく振りぬいた剣は空振りしてこけてしまっていた。


「アハハハ、お前道化師だったのか。アハハハ。」


アレクの笑い声でルドルフを始め側近たちは真っ赤な顔をしている。


怒りに任せて側近たちはアレクに斬りかかっていく。

だがアレクに敵うはずもなく剣を折られ腕の骨を折られ倒されていった。


もう向かってくるものは誰もいなくなっていた。




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