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601話 ワイバーン襲来?

「これは本当なのか。」

「嗚呼、本当だ。これからはダーイア王としてきちんと政をやってくれ。」


ボロボロと涙を溢すダーイア王の姿があった。


「ダーイア王よ。本番はこれからだぞ。内戦で国は荒れている。それに国土も6割となったのだ。」

「そうだな、これからだな。」


「オリオンがダーイア王国を当分の間補佐するよ。国の重鎮がいなくなっているから大変だろう。」

「・・・・・それはカイン殿が殺したからであろう。」

「生きていても害になるだけだ。」

「そうだな、新生ダーイア王国には必要ないな。」



カインとダーイア王は、城に集められている家臣たちの元へと歩いて行った。




オリオン(ルドルフ領)



「クソー、なんで俺が他国に協力しなきゃならないんだ。」


ブツブツと文句を言いながら準備をしていくレオンであった。

レオンは文句を言いながらも準備に余念がない。連れていく人員も物資もカインの輸送艦に積み込んでいく。

カインから輸送艦を当分の間貸してもらったのだ。これが無ければレオンは意地になってダーイア王国にはいかなかったであろう。

飛行船、これにはレオンも夢があり自分専用船が欲しくて仕方がないのだ。

一時的にでも自由に使えるこの船は魅力的であった。



「よし、積込みは完了だな。」

「はい準備整いました。」

「では発進する。」



「いってらっしゃーーーい。」




「やっと出ましたね。」

「アレクは戻らなくていいのか。」

「いやだな戻りますよルドルフ兄、その前にこれからのオリオンについて話をしなければいけませんから。」

「話、先日大まかな行動は決まっただろう。」

「はい決まりましたね。ですがどこまでオリオンの領地にするのか、際限なく国土を広げていくのか。長期の戦略は何も決まっていませんよ。」

「アレク、長期と言ってもかなり先の話だろう。後でいいんじゃないか。」

「ルドルフ兄それは違いますよ。長期の目標で短期の戦略、戦術が変わってくるのですよ。今のオリオンは成り行きで事に当たっています。このルドルフ領以外はすべて成り行きです。」


「・・・」


「ルドルフ兄と父上でオリオン王国を建国してください。一領主では対応できなくなります。」

「父上は嫌がるだろうな。」

「そこはルドルフ兄が説得してくださいよ。」

「アレクも一緒に行ってくれ。」

「俺はオリオンの遺跡に戻らなければいけませんから無理です。」



「ルドルフ様、大変です。」


一人の騎士がルドルフに向かってくる。


「どうしたドラゴンでも出たか。」

「はい出ました。ドラゴンではなくワイバーンですが。」


騎士は遠くを指さす。


遠くにから空飛ぶ集団がこちらに向かってきたいる。


「マジか。」


アレクとカインは戦闘準備を指示する。


アレクがガレオン号に飛び乗り騎士たちも乗り込んでワイバーンへ向かっていった。


だがなぜかワイバーンたちは人を攻撃する様子ではない。


30ほどのワイバーンの一団はオリオン領を旋回するだけであった。

ガレオン号にいるアレクは攻撃してこないワイバーンを不思議そうに眺めている。


「何だこいつ等、少し変だぞ。」

「ワイバーンは攻撃的な魔物ですが、このワイバーンは違いますね。」

「なんでだ。」



これには少し訳があった。



数日前にカインがルドルフ領に来た時の事である。その時レッドは暇していた。カインが兄弟達と話をしている間にレッドは近場で遊んでいたのだ。その時にワイバーンの群れを見つけたのだ。

レッドはドラゴンである。ワイバーンなど一撃で葬る事が出来るのだ。見つかったワイバーンたちは恐怖で震えていた。

だがレッドはそんなことをするつもりはないのだ。


ワイバーンはレッドに従う事になったのだが、レッドは少し抜けている。


レッドはいい気になってみんな面倒見るぞーー的な事を伝えた。その代わりにオリオンの領地で働けと言ったのだ。魔物同士での強者の命令は絶対なのだ。

だがレッドはその事を伝える事を忘れていたのであった。

そして今の状況となっているのである。

そんな事とは知らないアレク達は様子のおかしいワイバーンを殺すべきか悩んでいたのだ。



そこに猛スピードで飛んでくる真っ赤なドラゴンがいた。


「ガァーーーーー。」


レッドの叫びにワイバーンたちは一斉に地上に降りていった。



「アレクーー、ごめんごめん伝えるの忘れていたよー。」


レッドの説明にアレクとルドルフは唖然とする。


「レッド、このワイバーンたちは人に従うのか。」

「大丈夫大丈夫心配ないよ。」


この軽い感じが信じられない証拠である。



アレクは一頭のワイバーンを見つめる。ワイバーンは何かを感じたのか人が乗りやすいような姿勢をとった。アレクはそのワイバーンの背に飛び乗ると首を優しくなでていた。

「よしいい子だな。空を飛んでくれるか。」

「ギャォ。」

ワイバーンは2,3歩

走りながら翼を羽ばたかせると大空へと舞い上がったのだ。


「おおーー、いい感じだな。」


アレクはワイバーンと空を飛び回ると地上に戻った。


「ルドルフ兄これいいですね。伝令にも使えますし。戦力としてもいいですよ。」

「だ大丈夫なのか。」

「ルドルフ兄も乗ってみてください。」


それからは大騒ぎとなった。ルドルフを始めマリア、イリア迄ワイバーンに乗って空から町を眺めているのである。


「レッド、ワイバーンはどのくらい食べるんだ。」

「んーーーわかんない。」

「レッド、ワイバーンに聞いてくれ。」

「はーーい。」


「アレク、分かったよ。魔石と少しの肉でいいみたい。出来ればオークの肉がいいって、ゴブリンは不味いからいやだって。」


「・・・食通なんだな。」


「それからねワイバーンの巣にね、まだいるんだってこの倍は要るんだって。」

「そんなにいるのか。」

「うん。それで餌が減って困っていたんだって。そこに僕が登場して解決したんだよ。」


アレクはレッドは何も解決していない事を指摘できなかった。


まだ救っていないなど言えなかったのだ。



「オリオンの各地に住んでもらうようになるけど大丈夫か。」

「うん大丈夫だよ。元の巣には半分残って交代で働くって。」

「そんなことまで伝える事が出来るのか。」

「んーー何となく伝わるんだよね。思念ていうか、龍種の能力かな。」

「へーー凄いな。ワイバーンも人の言葉を理解しているみたいだしな。ワイバーンの面倒はオリオンで見るよ。」

「ありがとアレク。さすがアレクだよね。カインに言ったらアレクに言えで終わったもん。」

「・・・・・・まぁカイン兄だしな。そうだレッド伝令用に5頭レオンの所に連れて行ってくれ。」

「オッケー。」


それからワイバーン用の敷地を作り建物を建設していったのである。

アレクのオリオンの遺跡にも5頭のワイバーンを連れていく事となったのである。


「ルドルフ兄、何かあればワイバーンを飛ばしてね。」

「おー、そうするぞ。」

「アレク、気を付けてね。」

「マリア姉、イリア姉、行ってきます。」


アレクはガレオン号で飛び立った。そこにワイバーンがガレオン号を守るように囲んで飛んでいた。





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