56話
オリオン領ドック内
アレクは、中型艦 旗艦ルドルフを塗装していた。
「これは、ハロルドブルーでないとまずい。」とか言いながら。
魔法で塗装した後に、雰囲気を出すために、刷毛でぺたぺた塗っている。
アレクのこだわりは、色だけではない。艦内の艦長席にもこだわりがある。豪華に、優雅にを出すべく、悩み、悩みまくっている。
オリオン家にあったソファーを持ち出した。もちろん一人用のソファーだ。
指令室の艦長席を床上げして、ソファーを設置。満足げなアレク。どこかの英雄伝説だな。
他の艦もハロルドブルーに塗装していく。
ハロルドが聞いたら、頭を抱えるであろう。
青い彗星号のハロルドブルーをオリオン家のイメージ色にしようとしている。カインは赤い彗星だから赤で。僕は普通の木目で。レオン兄はレオン号が白だから白かな。と独り言を、ぶつぶつとつぶやいて一人で納得している。
「か、完璧だ。」
アレクは、急いでルドルフを連れてきた。
「じゃぁぁん。ルドルフ兄の旗艦です」
「ハロルドブルーに塗られた。ルドルフ号です。」
胸を張るアレク、倒れそうだ。
「・・・・・・・・・・」「アレク、少し聞きたいんだが、なぜ青く塗ったんだい。」
「それはですね、ハロルドブルーはですね。オリオン家の色で・・・・・・・・・」
アレク、熱く、力強く、力説する。
「・・・・・・・」
「いや、空から侵攻するなら青でないと。」これで説得できました。
自分の力説で、納得してもらい。ハロルドにも見せた。「ハロルドブルーが・・」 怒られた。
アレクは、艦隊出陣式を見送った。「ハロルドブルーがよかった」感想だった。
オリオン領南部新領地
領地の防衛、それは敵が攻めてきた時、防衛するものである。
今は、敵は来ない。
アレク、自由である。
少しは、治安維持をやらなければと思い。交番の設置を急いだ。
アレク、自由がなくなった。忙しいのだ。
何しろ広い、追いつかないのだ。人材育成が間に合わない。
リック隊、マック隊、ユリ隊の隊員達を隊長に格上げして、新領地を巡回させている。急場しのぎだ。
人材確保のため、アレクは都市ブレストに来ていた。
ここもまだ落ち着かないな、南部は仕事を求めるもので溢れている。だが兵士に雇える人がいないのだ。
「こんなに人がいるのになー。」
ブレストの城に、ちょうどイリア姉とクリス姉様がいたので、挨拶に向かう。
「イリア姉、クリス姉様、人材確保にブレストに来ましたので、挨拶に来ました。」
アレク、要望を言いながら、挨拶をしていく。
「よく来てくれましたね。アレクス君、お座りになって。」
「アレク、よくきてくたわ。頼みがあるのよ。」
アレクは、しまった。と思ったがもう遅かった。
両脇を固められもう逃げれる状態になかった。無念だ。
イリアが以前の話を始める。イリアが財務担当になった当時、アレクは銀行の事を、イリアに伝えたことがあった。イリアはこの新領地に銀行を造り、為替をやろうとしていた。
「為替は、便利ですよ。お金を持たなくても商売ができますからね。」「まずオリオン領内だけでやりましょう。信用を獲得して。次がありますからね。」
「将来的には、お金を貸し出しと預金をさせるのですね。」
アレクは銀行業務の説明をした。銀行を成功させれば、経済支配も夢ではないと。熱く語りすぎ、むせていた。
「オリオン領は広くなりすぎたわ。北部に始まり、迷宮都市、南部大森林の街、そして南部の新領地、普通の国が入る広さよ。大森林をいれたら5,6か国入るわね。」
「そうですね、広くなりましたね。伯爵領じゃないですね。」
「その辺は、父上に考えがあるみたい。そのうち話にでるでしょ。」
アレク、イリア、クリスは銀行について話し合った。
本店は、都市ブレストに置く。支店をオリオン領都に1つ、迷宮都市に1つ、大森林の街に1つ、新領地に3つ支店を出す事となった。
アレクは、偽造できないように、為替作成を依頼された。
「了解です、銀行業務を円滑に出来るシステムを造ります。」
「その代り、人をお願いします。交番兵がいないのです。」「どうにもなりません。」
「そちらは、マリアと相談して、何とかするわ。」
「私も、協力しますわ。」
アレクは、人材の目処が立ち、(丸投げ)喜び勇んで、為替の作成に入った。
アレクは、銀行業務で本人確認が問題になると考えていた。詐欺が横行するだろうと思い、騙されないようにしなくてはいけない。二重三重にしないとな。
アレクは、銀行発行の顔写真入りの身分証を作成、指紋認証を出来るようにした。本人確認の為である。
為替自体も、偽造できないように、透かしを入れた。紙自体も通常では作成できないようにしている。
後は運用次第だろう。
銀行には、宣伝が必要だろうと考えた。
アレクは、そのまま、ガレオン号に飛び乗り、マリアの元に向かった。
マリアに会い、アレクはラジオ放送をやろうと、マリアに伝える。
マリアも、利点を理解している。広域に情報の伝達が出来るのだ。広いオリオン領には、もってこいの品物である。他でも売れるのだ。
一通りの打ち合わせを行い、またガレオン号にのり、ブレストに戻っていた。
「あれ、僕は、働き過ぎではなのか。」「一瞬、疑問に思ったが、錯覚だ、と思うようになった。」
不思議だなーーー。
アレクは、銀行の偽造防止の説明とサンプルを置いて、今度は迷宮都市にいく。
ここで、偽造防止のシステム、迷宮を使い人では偽造できないようにするのだ。
自分で、完璧だ。完璧だ。と思い込み、仕事に打ち込んでいった。
アレクの部下たちは、心配になり、マリアとイリアに相談したが、あと三日でやめるわ、と伝えられただけであった。
アレクは、三日後、糸が切れたように眠りにつき、起きたらマリアとイリアに、恨み言を言っていた。
相手にされず拗ねていたが、マリアとイリアに持ち上げられ、また仕事をしていた。
アレクの頑張りで、銀行が出来るようになってきたのだ。
アレクは、あとは丸投げだーーーっと。都市ブレストを逃げていった。
「ブレストなんか、きらいだーーー」と叫んでいたのは、イリアの部下しか知らない。
アレクは、本来の仕事、治安維持と防衛の仕事に戻った。
仕事が、楽に感じたのは、アレクだけではないようだった。




