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554話 ガレオン号

開発は着々と進んでいる。

まず農地がだ、アレクとルドルフの頑張りでかなりの広さを確保していた。この広さであれば軽く5000人程度の食料を賄える事が出来るのだが、アレク達はこの地に5万人を移住させようとしているのである。まだまだ先の長い話である。

移住者の住居も建築ラッシュとなっているこれは連れて来た兵たちの手際の良さもありかなりのハイペースである。


「兄貴。」

「何だレオン。」

「最終的には5万人だよな。」

「そうだが何か問題か。」

「計画ではいくつかの村を作りその中心を町にするとなっているが、5万人じゃすまないと思うぞ。」

「レオンもそう思うか。」

「あぁ、この前迷宮都市に帰った時に父上が愚痴っていた。」

「移住希望者が多いのだな。」

「そうだよ、兵たちが農地の広さと豊かさを触れ回っている、休暇で帰ってきている者達はただの自慢だが、聞いている方は希望の地となっているようだな。」

「ハーー、参ったな。魔物は多いし、問題山積み何だがなー。」

「仕方ないさ、今迄刺激がなかった分、みんな刺激に飢えているんだろうよ。」

「そうなると一部の移住は早めにして手伝わせるか。」

「そうだな、家族持ちを移住させようと思う。今は男ばかりだからな。」



領地開拓は順調に進んでいた。開拓を始めて半年の間で一つの村は完成していた。この村はこの地の中心となる為に、農地と離れた場所に造られていた。

農地の周りには小さな村の建設も着々と進んでいる。



SEオリオン城跡



「へーーー此処にオリオン城があったのか。」

「地図で見るとそうなりますね。」

「何もないんだな。」

「当たり前ですよ、もう3000年も前の事ですよ。残っている方がおかしいですよ。」

「でもアレク、目的があって来たんだろう。」

「あれ、やっぱりわかります。」

「そりゃ分かるよ、何もない所に目的もなしにアレクが来るはずないだろう。」

「流石ルドルフ兄ですね。」

「一体この場所に何があるんだ。」

「それはですね地下にある物が眠っているんですよ。」

「地下だと、どうやって行くんだよ。こんな何もない場所で穴でも掘るのか。」

「そんなことしませんよ。ついてきてください。」



アレクは地図を見ながらブツブツ何か言っている。



大きな岩の前まで来るとそこで立ち止まる。


「多分この岩ですね。」

「こんな岩どこにでもあるだろう。まぁ大きいけどな。」


アレクとルドルフの前にある大きな岩は直系10メートル、高さ5メートルほどの大きな岩である。


「ルドルフ兄これ見てください。」

「これオリオンの紋章だな。ん、少し形が違うな。」

「これはSEオリオン王国の紋章ですよ。オリオンと少し違いますね。」


アレクはその紋章に魔力を注ぐ。すると紋章は魔力を吸収して光だす。紋章の周りから光が溢れ岩に入口が現われたのだ。


「なななんだこれー。」

「地下に続く秘密の通路ですよ。入りましょう。」


アレクとルドルフは岩の中へと入っていった。

暗闇でも足元には光がある為に歩くことができる。


奥へと進んだ先には広い空間があった。

そこに眠っていたのはかつてアレクの旗艦であったガレオン号である。


「何だこの船、大昔のガレオン号によく似ているな。」

「ルドルフ兄、そのガレオン号ですよこれ。」

「えーーーっ、本物か。」

「そうですよ、この場所は保存魔法がかかっているんですよ。3000年もよく魔力が続きますよね不思議ですね。」

「とととと飛ぶのか。」


「船の中に入ってみましょう。」


ガレオン号は新品の船のようであった。埃一つないこの船には色々な物が残っていた。当時の書物、魔道具、魔石、新鮮な食料もあった。船の中に拡張空間がありそこには畑もあったのだ。アレク達には信じられない風景であった。


「ここ船の中だよな。」

「そうです間違いありません。」

「でもここ畑だよな。」

「それも間違いありませんね。」


ガレオン号は長い航海の対策として拡張空間に畑と果樹園を作り乗組員の食事改善をしていたのであった。

農作業は木人が行っていた。


「アレクこの船どうやって外に出すんだ。」

「それはこれです。マジックバックですよ。一度収納して外へと運びます。」

「この場所はもう来れないという訳だな。」

「いつでも来れますよ。オリオンの者と一緒ならば来れます。あの紋章に魔力を込めれば大丈夫です。オリオンと認められた者だけですけどね。」

「オリオンの血筋の者か他にもいそうだな。」

「そうです俺たちだけと考えるのはまだ早いですよ。だからここは秘密にするんです。」

「分かった、早くみんなにみせようぜ。」

「まだ他にもありますがまぁいいでしょう後で一人で来ます。」


アレクとルドルフは急ぎ外へと向かった。村に戻った二人はみんなを集め、ガレオン号のお披露目を行なったのだ。


「じゃぁいくよーー。じゃんじゃじゃぁーーーん。」


「「「「「「「「おおおおおお」」」」」」」」


「ああああアレクぅ、これ空飛べるのか。」

「カイン兄、どもっていますよ。」

「どどどどうでもいいだろうそんな事、飛べるのか。」

「飛べますよ、みんな乗ってーー。」


アレクの言葉でみんながガレオン号に向かう。兵たちも100人が乗り込み、みんな緊張している。


「ガレオン号ーー、発進。」


「「「「「「「おおおおおおーーー」」」」」」」」


ゆっくりと浮上するガレオン号に皆が歓声を上げる。


「浮いたぞ。」

「浮いた浮いた。」

「凄い、飛んでいる。」

「何これ、気持ち悪い。」

「と飛んでる。」


ガレオン号はそれから兵たちを交換で村一周ツアーが組まれた。娯楽の全くないこの時代、これだけで一年は話題に事欠くことは無くなるだろう。いや3年は話題の中心になるであろう。



「アレクーー、俺も船欲しい。これくれ。」

「カイン兄、このガレオン号は上げれません。他の飛行船がありますから今度見つけに行きましょう。」

「アレク、マジか他にもこんな船があるのか。」

「ルドルフ兄、ありますよ。迷宮が保管しているはずです。多くは貨物飛行船ですが、これを改装すればいいでしょう。」


カインは大喜びしている。

「いつ行く、明日か、明後日か。早くいこう。」とかなりうざくなっている。

「カイン兄、開発後ですから当分先ですよ。」

「えーーーーっ開発はいつでもできるだろう。船は誰かにとられるかもしれないぞー。」


これに反応したのがレオンとルドルフである。


「そうだな、誰かに見つかって盗まれたら大変だ。なるべく早く行こう。」

「そうだなレオン。」


「・・・・」


アレクは思った。自分の船が欲しいだけだろう。

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