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552話 移住と訓練

迷宮の移住が始まっていた。地上にある町と村からおじいさんの選んだ人々が移住してきているのだ。オリオン一家もこの地に移住する事となった。この新しい町を管理しなければならないからである。

地上の町(都市)は久々の活気に満ちていた。新天地が見つかったからである。

この山間の小さな土地では20万もの人々を養う事は出来ない。迷宮が無ければ1万も養う事はできなかったであろう。


新町にはとりあえず5万人が移住する事となった。この5万人の内、1万人は軍人として訓練を受ける事となっていたのだ。

領主であるハロルドは町へ帰ると、町の代表者たちを集め迷宮の事を話した。そして新町の事、世界の事を伝えたのだ。

町の者達も最初は信じる事が出来なかった。言い伝えの歴史とかけ離れているからである。

だがこの地だけ平和だと聞かされると妙に納得してしまうのだ。


「領主様、だどもこの場所から出られるんですか。」

「それは方法があるようなのだ、今はまず兵の訓練をする。」

「だども、世界を救うですか、話が大きすぎて・・・・」

「まぁそうだな私もそう思うよ。」



迷宮内新町


オリオン兄弟達はおじいさんの講義を受けていた。その内容は多岐に渡り、マリア、イリアなどは食い入るように聞いている。


「そうじゃな少し昔話をしよう。昔昔あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に・・・・・」


「ねえ、おじいさん。俺たちもうそんな年じゃないよ。」

「「「「「うんうん」」」」」


「おおそうかすまんかったな。人の感覚は中々難しいな。そうじゃ歴史について説明しよう。一度世界文明が滅びたがそれでも少数の人は生き残っていた。この迷宮都市とアース南部にある迷宮国家アルテミス、浮遊島じゃ、他にも生き残りはいたが集団としてはこの3つが最も多くの人を抱えていたのじゃ。

この地も最初は1万人程度であった。それから人が増え、幾度も危機に瀕したのじゃ、そのたびに新天地を目指し何万もの人々がこの地から去っていった。それは死への旅路のようなものであった。帰る場所がない旅となっていたのじゃな。運よく新天地を見つけた者もいようがほとんどは旅の途中で亡くなったはずじゃ。

他の場所でも人口問題で浮遊島から地上に降りる者も多かったのだ。」


「おじいさんはみんな解っているんだね。」

「それは違うぞアレク。解らない事の方が多いぞ。じゃが迷宮は繋がっているから、迷宮内の事は大抵わかるがそれ以外は分からないのじゃ。浮遊島も迷宮なのじゃ。」

「じゃぁ迷宮以外での生き残りはかなり少なかったんだね。」

「そうじゃな、迷宮は防衛に優れているからな、人は隠れるのには最適じゃな。」

「おじいさん、俺たちは強くなれるの。」

「なれるぞ、それもかなり強くなれる。」

「マジーーー、俺最強になれる。」

「カインは接近戦になれば最強だな。身体強化と剣で敵う者はいなくなるじゃろう。」

「うおーーーーーーっ俺最強だーーー。」


「アレクはメインは魔法を勉強だな。」

「うん。」

「ルドルフは政治と魔法。」

「政治・・・・」

「レオンは魔法と剣じゃな。」

「フフフッ」

「マリアとイリアは経済と政治と魔法全てじゃ。」

「「望むところよ。」」


それからは勉強と魔法と兄弟達はかなりハードなスケジュールをこなしていた。

他の兵士候補生たちも魔物相手に訓練を重ねていった。



「父上、」

「どうしたアレク、」「この迷宮変わったね。魔物が人と仲良くなってるもんね。」

「そうだな、私も最初聞いたときは信じられなかったな。魔物は人を襲うとしか思っていなかったからな。ところが今では人と魔物が一緒に暮らしているからな。」

「でも迷宮内の魔物だけだっておじいさんが言っていたね。」

「そうだ迷宮内の魔物は迷宮の支配地域にいる限りはもう人を襲う事はないようだな。だがアレク、他の迷宮に行ったらそうはいかんぞ。」

「うん分かっているよ。この場所から出たら魔物は襲って来るんだよね。」

「そうだ。勉強ももうそろそろ終わるだろう。そうなったら兵を連れて外の世界にいかなければならない。」

「外はどうなっているんだろうね。」

「それは分からない。だが戯れと人が争っている事だけは間違いないようだな。」

「うん。」



それから一年アレク達は毎日毎日、訓練と勉強を重ねて時を過ごしていた。



「おじいさん、ここからどうやって出るの。」

「アレク、そんなに外へ出たいか。」

「ううん、違うよ、外へ出るには空から行くかトンネルを掘るかしかないじゃん。俺はどうやったら外へ行けるか考えたんだ。」

「そうかそうか、アレクは物事をよく見ているな。外へ行くには空からかトンメルで行くかの方法しかないな。普通は。だが今は、失われた技術がある。移転魔法じゃ、この魔法はおよそ2000年前に開発されたのだ。今は壊れている魔法陣を修復していることろじゃ、もうすぐ修復が終わるだが、まだ一か所しか移動出来んがな。それも今調査中じゃ。」

「えっ全然ダメじゃん。」

「いいかアレク、今はこの都市の人口問題の解決を最優先に解決しなければならないのじゃ、新しい(外)場所へ行っても最初はその場所の開発じゃ。」

「えーーーー、戦うんじゃないのー。」

「相手は強大じゃ、たかが1万の兵で敵うわけないじゃろう。もっと力を付けてからじゃ。」

「そうなんだ、ルドルフ兄が毎日穴掘りしているのも、レオン兄が家を建てているのもみんな開発の為なんだ。だけどカイン兄が毎日一人だけ剣で戦っているね。」

「・・・それはなアレク、カインは勉強嫌いだからだ。」


アレクはショックを受けていた、カインは実は頭がいいのだ。アレクは知っているカインが物凄く物覚えがいい事を知っているのであった。


「多分カイン兄はやるよ、追い詰められるとやるタイプだから。多分ね。」

「そうじゃな、多分追い詰められなければやらんだろうな。いっそ領主にでもすればやるかもしれんのう。」

「そうだね、父上を見ていると分かるね。無理やり仕事しているもんね。」

「領主とは大変な仕事なのじゃな。人の生活が懸かっているのじゃからな。」

「そうだね、領主が何もしなければ町人たちは大混乱になっているよね。」

「そうじゃな、この新しい町(都市)も最初は農村だったが迷宮の力を使わずにここまで発展させたのは領主の指導力じゃな。」

「おじいさん、迷宮の力ってそんなに少なくなっているの。」

「そうだ、今は食料の生産に全て注いでいるからな、他に余計な力を使う事は出来んのじゃ。」

「ねぇおじいさんいつ外へ行く予定なの。」

「もうすぐじゃな。」



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