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53話

新領地、都市ブレスト


「カイン兄ぃ、この書類お願いね、あとこれと、これも、あとこれ。」

「だああああぁっ。もうヤダ。」「俺は戦いに向いてるんだ、書類整理には向いてない。」

「オリオン家からの応援ももうすぐだから、頑張って。」

「もうすぐ、もうすぐって、いつ来るんだよー。」


カインは、書類と格闘していた。KO寸前だが。

アレクに宥められながら、何とか書類と戦いもう駄目だという時、朗報が届いた。

オリオン家の応援が到着したのだ。


「失礼いたします。カイン様。オリオン家の方々がご到着されました。お迎えをお願い致します。」

「すぐいく。」

カインとアレクは、急いで臨時飛行場に向かった。


「カイン兄、あれはマリア姉とイリア姉です。父上もいますよ。マリア姉ー、イリア姉ーーぇ。」

「父上は、どうでもいい。マリアとイリアが来てくれた。助かった。おーーい。」


カインとアレクは、馬車の中から、身を乗り出し手を振って迎えていた。


「父上、新領地にお越しいただきありがとうございます。」

「父上、この領地はいいとこですよ。」

「カイン、アレク、ホントに領地を取ったんだな。報告では聞いていたが、見ると聞くでは違うな。」

「マリア姉、イリア姉、僕は大変でした、カイン兄が仕事をやってくれなくて。」

「お前、何言ってんだ、俺はやってたぞ。」

「私たちが、来たからには安心しなさい。」

「任せなさい、カイン、アレク。」

「「おぉぉ、お願します」」


ハロルドたちは、カイン、アレクから、報告を聞いていた。

「・・・・・とまぁ、ここまでが戦場の話です。後新領地ですが、これが地図です。」

「大きいわね。」

「そうです、ミルトン王国の5分の1を割譲させました。」「領土は大きいですが、グラムット帝国と大森林に隣接してます。」


ハロルドは、「カイン、アレクの好きにすればいい。お前たちの力でとったのだから。」

アレクとカインは目を合わす「父上、俺たちは、この領地をオリオン家の直轄地にしたい。」

「僕も、領地経営は大変だし。」

「カイン、アレクそれはまずいぞ。お前たちは、貴族だ、それも当主だぞ。」


そこで、マリアが提案をしていく。領地が広いので分割してしまう。もともとミルトン王国時も、何人もの貴族が納めていた土地である。一つにまとめる事はない。4分割して、グラムット帝国隣接地の二つをカインとアレクに、一つは領地のないレオンに、残りはオリオン家直轄地とする。

直轄地をもらう代わりに、行政等は、オリオン家にて4つ全部行う。ただし、防衛はカインとアレクに任せる。

「4つに分けても、伯爵領より広くないか。」

「父上、この南部はローエム王国に関係なく、父上の采配で行えるのでしょう。」

「山脈より南は、ローエム王国は、一切の関知はしない事になっている。」

「確認です、なら問題ないわ。」

「レオン兄は、今どこにいますかね。」

「オリオン領にいるぞ。」


アレクは、レオンに領地を見せてやりたいと伝える。レオンは普段、王都にいるので、領地を来る機会が無い。そこでオリオン領にいるのなら、一度来てもらおう作戦を提案したのだ。

「父上、父上は病気になりました。」「マリア姉、緊急事態です。オリオン領都に連絡を。」

「こういうの、好きだわ。」「レオン兄の驚く顔が見たいわね。」

ハロルドは、「まぁ、しょうがないか」と言っているが、ハロルドも面白がっていた。


こうしてオリオン領に、緊急事態が伝えられた。


連絡の多少の行違いで、少しだけ、大げさに伝わってしまった。


ルドルフの飛行船で、オリオン家の全員が来てしまったのだ。


「父上、馬糞を間違って食べて腹痛になったと報告がありましたが、大丈夫ですか。」

「誰が糞を食べるかぁーー。嘘だ。」

「俺には、牛に踏まれたといっていたぞ。」

「いいか、みんな、アレクの嘘だ。」

「僕じゃないよ。マリア姉が、領都に連絡したんだから。」


色々と説明をして、レオンを領地に連れていく。


「ジャン、じゃ、ジャあーーん。 ここがレオン兄の領地です。」  「パチパチパチ。」


レオンは、アレクが何を言っているのか、解らなかった。


マリアが、レオンに説明をする。

レオンは、兄弟たちと喜び合う。


「「「「レオンおめでとう。」」」」


「カインとアレクの功績なのに、俺が貰うのはどうかと。」

「レオンそれは違うぞ、オリオン家への功績は、お前が一番だ。王都で、オリオン家が遣らなければいけない事を、レオン一人にやって貰っているのだからな。」


レオンは、照れながらオリオン家のみんなにお礼を言った。


「みんなありがとう。嬉しいよ。」


ハロルドとエレメルは、兄弟たちを微笑んで見ていた。

ルドルフとクリスも、兄弟に混ざり喜んでいる。


オリオン家は、都市ブレストに戻り、改めてお祝いをしたのだった。


「これからの事だが、この新領地の開発をどうするかだ」


オリオン家、一家は新領地について話し合う。


この新領地は4分割しているが、マリア、イリアが一括して行政を行う。領地としては街も村もあるので、新たな開発は、早急には必要なし。領地に現在暮らしている元ミルトン王国民、又は強制労働者に対して身分の保証を行う。治安維持に力を入れ、移民の受け入れを行う。

軍事に関してはカイン、アレクで行う。現在の砦の強化、新領地防衛軍の新設。


「そうね、この街道にも砦が欲しいわね。」

「それなら、ミルトン王国とグラムット帝国の通り道だから城塞都市を造ろうよ。丁度、僕の領地になるし。領都にしようかな。」「新オリオン領の守りを強化させられるよ。」

「そうだな、グラムット帝国から、2本の街道があるからな。ボルハ砦だけではだめだな。」

「俺は、ボルハ砦を街に変えて、領都にするよ。あそこは大森林も近いし。街道沿いだしな。」


新領地が4つに分かれ、都市ブレストは4つの領地全部の行政を行う都市として、カインはボルハ砦を街にする。アレクは新たに城塞都市を造り。レオン領は、ミルトン王国との街道近くに都市を造る事となった。


もう一つ問題があった。グラムット帝国とミルトン王国の対応だ。

グラムット帝国に対しては、静観をする。相手が仕掛けてこない限り攻撃はしない。

ミルトン王国には基本交易のみにしたいが、グラムット帝国次第である。今後はミルトン王国への対応はルドルフが行う。


ハロルドは、この決定を喜んだ、自分がやらなくてよかったと。

エレメルと目で目で合図を送りあい、「目で暇が出来るね。」と言っていた。


ルドルフは、絶望の淵にいた。休む暇がない。クリスと一緒にいられない。


アレクが、一言、「ルドルフ兄、クリス姉さまにも手伝ってもらえば、クリス姉さまと一緒にお仕事出来るよ。」



アレクは、自分が気が利く人みたいに得意顔をしている。誰か褒めてやれよ。

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