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524話 マリア、イリア

レインは薄情である。いや危険に敏感なのだ。

野生の勘のような感覚が備わっている。


マリア、イリアがトリスタンを電撃的に訪れ、采配を開始した。レインには危険な臭いがプンプンしていたのだ。

レインに避難した場所は、ウルとルウがいる魔物の休憩所である。

ちなみに逃げるの時にグリも連れてきている。


「ねぇウルゥ、何か大事になってきちゃったよ。」

「・・・・ウオン。」

「魔物軍は大丈夫。」

「ウオン。」

「そうならよかった。」ナデナデ

「クーーーン。」


そんなまったりした雰囲気ががらりと変わった。レインは反射的に逃げようとするが一歩遅かった。


「あらレイン、さっきは逃げれたけどもう駄目よ。」

「マリアおばさん。」

ギロリ

「あっマリアお姉さん。」

「いつもいい子ねレインは、アレクと違って。」ギロリ

「はハイ何でも言ってください。お役に立ちます。」


レインの後ろにいるウルとルウは緊張しているのか伏せ状態で微動だにしない。


「そうそう、魔物軍の事だけど、オーガやオーク、ゴブリン、コボルドは国境警備と町の治安維持ね。あとウル、ルウたちは(ギロリ)盗賊の排除、難民は保護ね。他国への警戒も頼むわ。」

「ななんか多くないですか、お、僕はトリスタンの内政の仕事があります。他の国の治安維持は少し無理だと思います。」

「アラー、そんなことないわよレイン、大丈夫よねウル、ルウ。」

ウルとルウは、マリアとイリアの事をよーーーーく知っている。逆らってはいけない事を骨身に叩き込まれているのである。イエス以外の返事はないのである。


「「ウオン。」」


「いいお返事ね。ウルもルウも納得しているわ。レイン頼んだわよ。」

「ははい。」


こうして中南連合(フロンティア中南部)の軍事部門はレインが率いる事となった。


魔物軍内で少しだけ変化があった。

マリアとイリアに付き従うようにいつもシルバーウルフがついているようになっていた。



「マリア、私が開発担当するわ。」

「なら私は財政ね。」


「「フフフフ」」



このときある内政官は見てしまった。

マリアとイリアの黒い影を、この内政官はこの日から数日間熱にうなされ仕事を休んだという。



レインとハロルド



「おじいちゃん、これからどうなるんだろうね。」

「レイン諦めろ、マリアとイリアに勝てるやつはいない、ここは嵐のすぎるのをじっと待つのだ。」

「父上とかカイン叔父でも無理なの。」

「フン、マリアとイリアをここに来させたのはアレクだ。」

「えーーー、」

「それにカイン、ルドルフ、レオン迄協力しているのだぞ。」

「じじゃぁどうにもならないよーー。」

「よいかレイン、軍の事はトムに任せろ、あとは獣王国から派遣させろ。そうすれば魔物たちの地位も上がってくる。何しろ国の防衛と治安維持をしているのが魔物軍なのじゃからな。」

「それって父上が魔物軍に仕事をくれたってこと?」

「そうだな、アレクはいつも全体を見ている。ワシには分からんが見ている世界が違うのだろう。レイン、アレクを信じろ、あやつは先の先を見ている。」

「うん、父上はいつも一歩先にいるからね。」




マリアとイリアが陣頭指揮をとった事でリア銀や各商会の者達は歓喜した。



銀行、商会は二人の指示の下、各国へ散らばっていった。

新しい法の下、各国はマリア、イリアに従う事になった。



スカイドラゴン隊



「ああのうーー、俺たちは軍の連絡等と偵察が任務であります。」

「分かっている。だが上からの指示なんだ。」


速急便、それは緊急便であった。軍に所属するスカイドラゴンたちは日々訓練と任務に明け暮れていたが、いつも全部隊が稼働している訳ではない。

休暇の者、待機の者がある一定数がいるのだ、そこに目を付けたのがイリアであった。イリアはスカイドラゴン隊に荷物運びをさせようとしたのだ。飛行艦で大量輸送できるこの時代であるが。ドラゴンの速さには敵わないのである。それもスカイドラゴンはドラゴン内でも一番の高速で飛ぶことができるのである。


「でですがよろしいのでしょうか、軍の任務を半分にして速急便ですか、物運びに使かってもよろしいのですか。」

「・・・・上からの命令だ。」



マリア、イリアの中南連合は軍も商売に活用されている。別手当てが出る事で隊員たちは喜んだ。その家族も喜んだ。喜んでいないのはレインであった。


「イリアお姉さま、酷いです勝手に軍の隊員たちを他の仕事に使わないでください。」

「あらレイン、大丈夫よあなたが仕事をすれば何にも問題は無いわ。ドラゴンとグリを使いなさい。」

「うっ・・・・失礼しました。」


レインはドラゴンたちに警備をさせる事にした。もちろんグリとレインも参加をしている。


「ねぇグリ、何か物凄く忙しくなってない。」

「キューーゥ。」


この軍に仕事が振られることによって、隊員たちの給料が上がった。家族持ちは妻が金を握り買い物(消費)が促進されていった。独身は夜の町に繰り出し飲みまわっていた。

金がまわれば景気も良くなる、人も集まり商売人が多く集まってくる。田舎であった中南地域は一気に都会へと加速していくのであった。

魔法のある世界では建築など数日の作業でしかない。一つの町をつくるのに1週間程度である。

加速する開発についてこれない者達もいる。各国の王たちである。


「マリア女王陛下。」

「どうしたのかしら、ターメン王。」

「私どもの海岸線の開発ですが金と人手がありません。来年までお待ちください。」

「ターメン王、心配ご無用よ、金はリア銀で融資します、人手は軍から出します。」


この一言で側近である伝令はレインの下へと走っていった。数時間後レインに悲鳴が室内から聞こえたという。


「さようですか、それならばお任せいたします。」

「ターメン王、そうなるとターメン王は必要ないという事になるわよ。」

「・・・・・(汗)いいえターメン王国も出来る限り人を出します。いいえ出します。出させてください。」

「いいわ。今回は見逃しましょう、ですが無能は要りませんのよ。それを覚えておいてね。」



このフロンティア中南地域の開発で一時的にアース大陸、タンドラ大陸から大量の内政官や銀行員、商人たちが駆け付けた事で一部の国では内政に支障まで出てきてしまった。

オリオン王国連合内の国々はそこまで深刻ではなかったが、連合国以外の国では銀行に頼りっきりの国が数か国あった。その国々は一部暴動に迄発展してしまった。

それを聞いたマリアとイリアは開発のスピードを緩め、各国に再派遣を行ったのである。



アレク迷宮内


(なんかここ最近木人、機人の修理と生産しかやっていないよなーー)


通信

「アレク、大至急木人1000体おくってねーーー。明日迄よマリア。」

「1000体だと出来るかーーー。」

と言っているがせっせと作成していくアレクであった。



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