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521話 シーラへの救援

戦うためにカイン達獣人部隊はシーラ王国に進軍した。

だが戦いは最初の一回きりであとは祭りの開催と準備をする日々であった。最終決戦と王都へ期待を込めて進軍するが、カイン達が到着する前にシーラの民衆によって王都は瓦礫となっていた。


「どうすんだよこれ。」

「親分、救援を呼びましょう。俺たちじゃどうにもなりません。」

「そうだよな、俺たち戦闘専門だもんなー。」


カイン達はよくやっていた。王都の民へ炊き出しを行い、瓦礫の撤去まで行っている。

王都から出ていった男たちは近くの村を襲い食料を奪っているものまでいる。その討伐に向かう部隊迄出していたのである。



トリスタン


「カイン叔父から緊急連絡が入ったよ。トム、大至急空兵隊に応援要求を出して、それとルガー王国に救援要請を出して。」

「わわかった。」


レインはトムに指示を出すと、椅子に座りゆっくりとお茶を飲むのであった。


「ハーーー、落ち着くなーー。」


レインは覚えたのだ、スキル、ザ丸投げ。



「レイーーン。」

「あっおじいちゃんどうしたの。」

「おー此処に居たのか探したぞ。それよりレイン大変だったな、シーラ王国王都は難民となってしまったな。」

「報告では聞いているけどそんなに酷いの。」

「かなり拙い状態だな。如何するレイン。」

「えっ、どうするって支援して終わりでしょう。」

「そうもいくまい、シーラ王都は人口が多い、その王都の再建なり、移設なりを行なわなければシーラの混乱は収まらんぞ。」

「じいちゃん如何しよう。」ウルウル攻撃

「・・ま、まぁじいちゃんに任せろ。」


「あありがとうおじいちゃん。」


こんなやり取りを行っている頃、シーラではカイン達が窮地に陥っていた。


「親分、拙いですぜ。」

「おー、如何した。」

「王都に民衆が押し寄せています。」

「えっ、何で。」

「報告ではシーラ王国の貴族達が村や町から税の徴収をしているようです。無理やり強奪している所もあって民が逃げてきているようです。」


シーラ王都に向かって民衆が押し寄せてきている。一部は暴徒化している者もいるようだ。


「民衆に攻撃もやりたくないよな。」

「そうですぜ親分、俺たちは戦闘のプロです。素人に戦闘は出来ません。」


獣人達にはプライドがあった。戦争で対峙しているのならば仕方がないが、組織もされていないただの民衆の集まりである。獣人達は戦う事を良しとしなかったのである。


「王都に迎え入れるしかないか。食料は足りるか。」

「足りません。」

「だよなーーー。」

「お親分どうしますか。今、救援の要請はしていますが多分全く足りないでしょう。」


「あーーーーーー。」


カインが叫ぶ。カインの指さした先には大艦隊があった。


レインを助けるためにハロルドが乗り込んできたのである。


「おーーー、カイン、久しぶりだな。」

「あーーー父上ーー。どうしたんですか。」

「レインに頼まれてのー、お前を助けにきたんじゃ。感謝しろ。」

「じゃぁ俺たちは王都を引き払っていいな。父上後は頼んだよ。」

「カインにはまだ仕事があるぞ。」

「もう戦闘もないだろう。俺たちには内政は無理だ。」

「内政じゃない。戦闘事だ。元トイトへ行ってくれ。あそこでも暴動が起きている。元トイトの者達が元シーラと争いになっているんだ。どうにもならん。」

「弱い者いじめはやりたくないんだよな。」

ボコッ。

「バカ者、これは弱い者いじめなどではない、きちんとした敵じゃ、己の欲で動いている者達じゃ全て殲滅するのだ、いいな。」

「分かったよ行くよ。」

「ワシらもここが一段落したら後から追いかける。」



カイン達はそのまま元トイト王国領へと進んだ。




シーラ王都ではハロルドが陣頭指揮をとり王都再建に取り掛かった。

そこでシーラ王国貴族の生き残りがハロルドに面会を求めてきたのである。



「お初にお目にかかります。私はシーラ王国貴族であります。セレンイル子爵と申します。」

「そのセレンイル子爵がワシに何ようだ。」


不機嫌なハロルドである。


「はい、ハロルド様がシーラ王都の復興を行っているとお聞きしました非才の身でありますが私もお役に立ちたく参りました。」

「いらん帰れ。」

「はっ?・・・・・・」

「帰れと言ったのだ、お前に何ができる何も出来んだろう。」

「・・・でできます。物資と資金を分けていただければ、シーラ復興をお手伝いいたします。」

「はーーー、そんな物自分の資産から出せ、人の財布をあてにするな。馬鹿か。」


この様な者達が多くなってきている。ハロルドを苛立たせる原因になっていた。




迷宮内



「アレク様、お父上の事はよろしいのですか。」

「ハン、いいんだよレインにいい所でも見せたいんだろう。あのおやじは。」

「それにしては不機嫌ですな。」

「フン、不機嫌な理由はシーラの暴動だ、かなり予定が狂ったな。」

「はいそれは仕方のない事です。あの暴動は予想できませんでした。」

「そうだな、だが、シーラを鎮静化しなければならない、このままではオソロキアに向えないからな。」

「それで如何いたしますか。」

「・・・・」



アレクは困っていた。シーラの暴動は元は民衆である。シーラ王国の内政の不備などで暴徒化したのである。暴徒化した民衆を弾圧する事は簡単である。アレクには軍事力がある。

だが簡単に力を使い排除する事が出来ないのだ。暴徒化して破壊や強奪をしている者もいるが、ただ付いて行っている者達もいるのだ。全てを排除する事を躊躇させていたのである。


「アレク様、暴徒化した者達は罪人です。」

「だがな、シーラ王国民すべてを皆殺しにするわけにもいくまい。」

「暴徒と化した者達を許せば政は出来ません。」

「カイン兄やレインに任せるわけにはいかないな。」

「さようです、アレク様が制裁を与えなければいけません。レイン様に背負わせてはいけません。」

「シーラに向かうぞ。」


アレクは高速艦にシーラ王国に入った。

アレクの高速艦は8隻であった。アレク隊を中心とした1000人の部隊である。


「皆、聞いてくれ。これからシーラ王国の暴徒と化した者達の討伐を行う。女子供もいるだろう。」

「・・・・・・」

「それでも殺さなければならない、このアレクの命令だ。躊躇するな情に流されるな、全ては私が責任を持つ。」


アレクは通常部隊を分けて暴徒を鎮圧するのだが今回は全てアレクが指揮をとる事にしたのである。



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