51話
「帝国軍接近、魔法部隊がいる模様。」
「わが方の、正面に攻撃を仕掛けます。」
「個別の魔法ばかりだ、大丈夫耐えれる。こちらも出るぞ、ガレオン号、微速前進、艦隊も続け。」
「魔動破準備、敵中央の密集してる所を狙うぞ。準備出来次第撃て。各艦は、最初はカイン兄の援護の為、魔法連射用意、3、2、1、」「魔動破、撃てます。」「よし、撃て。」BAAAAAN。BAAAAAN。BAAAAAN。BAAAAAN。がぁぁぁー。BAAAAAN。・・・・・・」
「魔動破、第二射準備。戦闘員は、下の敵を複合魔法にて攻撃を開始せよ。」
「魔動破により、敵1000消滅。」「第二射撃てます。」
「よし、撃て。」 BAAAAAN。
「第二射、敵500消滅」
「バラけて来たな、各艦ガレオン号の横並びに、間隔を空けろよ、敵中央軍に絨毯爆撃を喰らわすぞ。」
アレクは、敵側面から進入し、中央軍の上空を絨毯爆撃を開始した。
絨毯爆撃をしながら、敵中央軍上空を横断した。
「敵右翼軍上空で、逆時計回りに旋回、敵後方に着けて、再突入する。」「ミルトン軍を、援護するように攻撃しろよ。」
アレク艦隊は、敵右翼軍を攻撃、ミルトン軍が押し込まれている所に、攻撃を集中させていった。
その結果、ミルトン軍は持ち直していった。
再突入後は、後方より味方の邪魔にならない様に、単発の攻撃で援護射撃に徹していたのだ。
「カイン隊、でるぞ。いくぞー。」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお。」
カインは、勢いよく先頭で走り出した。それに続くのが、カイン連隊600だ。
リック、マック、ユリの隊は、カインを援護するように、遠距離攻撃していく。
カイン隊が敵と激突する。
「うぉりゃぁぁぁぁ。」カインの一振りは敵を切断する。鎧を、紙の様に切断していく。カインは、木偶人形を相手している様に、次々と掛け声とともに倒していく。後方から続くカイン隊の面々も、一撃で敵を粉砕していくのだ。破壊力が凄すぎる。
敵、側面を一点突破し、突き抜けた。二つに食いちぎられた敵を、カインは一隊を二つに分けて再突入させた。300が2つに分かれ、各150が敵3,4000を虐殺していくのだ。敵は逃げ腰になり、味方とぶつかり混乱していく。150人がそれに拍車をかけていく。敵は悪循環の中、3000が2000になり1000になっていく。
「第2隊は、中央軍に突入するぞ、気合を入れろよ。周りは敵しかいないからな。」「いくぞーー。」
カインは敵司令部を目指し、突進していく。
「それ以上進ませるな」「魔法隊攻撃。」「何とかとめろ。」「とめろ。」「逃げるな。」「止めろ」
「とめるんだーー」「ふせげーーー」
カインの突入は、豆腐に釘が入るように、敵に刺さっていった。目前には司令部らしきものが、人たちがいる。カインはその中に飛び込み、殺し回る。そして豪華な鎧の男と対峙する。
「あんたが大将か。」
「そうだ、わが軍の大将。ワーレンだ。」
「降伏しないか、もう負けだろう。」
「私は、出来ない。だが私以外なら。あなたに決闘を申し込む。私が勝ったら撤退させてくれ。」
「分かった。勝ったら、追わんよ。」
」
双方の兵が、周りを囲む。
「俺はカイン。いくぞワーレン。」
「うおぉぉぉ。」 スパァ。
カインの一振りは、ワーレンの剣ごと、切断していた。ワーレンは剣を切られて、体を切断されていた。一瞬で、終わった。
「このカインが、敵大将を討ち取ったぞ。」
カインが叫ぶと
隊員たちが雄たけびをあげる。「うおおおおおおお・・・」
雄たけびと共に、波紋が広がっていく。
徐々に戦闘が、止んでいく。
カインは、残っていた。敵幹部に「お前らは捕虜になってもらう。連れてけ。」
幹部たちは、戦う意思は、もう残っていなかった。
グラムット帝国軍は、逃げていくもの、降伏するもの、まだ戦うものがいる。戦ったものは殺された。
この戦闘が、終わりに近づいていく。
ミルトン軍だけがまだ戦っていたが、徐々に戦闘が止んでいった。
敵幹部を拘束したカインは、自分の陣に戻ってきていた。アレクが、もう間もなく戻ってくるからだ。
「アレク、無事戻ったな。」
「大丈夫ですよ。この戦いは終わりましたが、まだ領地奪還がありますから。」
数時間後、リンガー宰相、ゲートル男爵がガレオン号内にいた。
「捕虜の中から、使者を選び、グラムット帝国に行かせます。それで停戦に出来ればいいのですが。」
「出来なくとも、此方がやることは、変わりませんよ。領地を取り返しましょう。」「グラムット帝国も数では勝てないと、分かったでしょう。停戦交渉の話し合いは行われますよ。」
「結果は分かりませんが、話し合いは出来るでしょう。」
「どちらになっても、カイン兄が帝国の隣地に領地を持てば、グラムット帝国は警戒して、ミルトン王国に攻める事が出来なくなりますよ。」
「そうですな。カイン殿、アレクス殿とは、絶対に争いたくない。」
リンガー宰相は、カイン、アレクとは、争ってはいけないとミルトン王国の貴族達に徹底させている。
問題を起こしたら、罰すると通達を出したほどだ。
だが、心配はしていない。戦いを見たものは、争おうとは誰も思わないだろうと。
上空から、一方的に攻撃をされるのだ。こちらに攻撃手段がないのだ。
カイン、アレクと友好関係を築かなければ、ミルトン王国に未来はない。
リンガーは、カイン、アレクに対して、慎重に言葉を選び話すようになっていた。
「今後の展開になりますが、ミルトン王国軍は、占領されている地域に進軍いたします。割譲地には入らぬように徹底させます。」
「了承しました。こちらは割譲地に進軍しましょう。」
アレク達は、リンガー達と話を詰めていく。事前に予定は決まっていたが、皆がこれからの事を考えだしている為、確認を慎重に行っているのだ。
ミルトン王国は、20000の兵を4つに分けて、各地に送り出す。カイン達は、割譲予定の領地に向かう。
「進軍、完了後にまた。」
「ご武運を。」
ミルトン王国とカイン隊が、別れて領地奪還が始まった。