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50話

ゲートル男爵とカイン、アレクは、ガレオン号艦内にいた。


これからの事を話し合っているようだ。


「ありがとうございます。ミルトン王国は、救われます。」

「後は、領地奪還だね。」

「さようです、今後の事なのですが手伝っていただけないでしょうか。」

「もう十分手伝っているでしょう。」

「そうなのですが、あの戦力を見た王国の民が期待しているのです。」

「期待しているのは、貴族でしょう。」

ゲートル男爵は目を逸らした。当たっているからだ。

「これまで、オリオン家はミルトン王国に多大な貢献をしている。それ以上望むの。」

「報酬を出します。」

「いや、当たり前でしょう。普通、ただ働きはしませんよ。ここまでの報酬も請求しますから。」

ゲートルは、タダだと思っていたのだ。厚意で助けてくれていると。

「いいですか、普通誰がお金と人を使ってまで、何にもならないことをやるんですか。オリオン家はミルトン王国がなくなっても、一切影響がないんですよ。」


それからは大変だった。ゲートルは急いで王城に戻り、国王、貴族たちに説明をする。

もう大変な騒ぎになった。ミルトン王国が崩壊寸前だったため、報酬の事がすっかり抜けていたのだ。

ミルトン王国と全く関係の無い、国でもない、他国の領主に依頼しているのだ。

国が救われたと安心した貴族達が、利害を求めて話が纏まらなかった。ミルトン王国が麻痺してしまった。


奪還作戦どころか、グラムット帝国が再侵攻してきたのだ。


カイン、アレクは呆れていたが待っていた。こうなると予想できたからだ。

何処の貴族達も同じだからだ。

カイン、アレクは補給、補充を念入りに行っていた。ただミルトン王都だとうるさいので、ゲートル領に待機していた。

そこに、ゲートル男爵とミルトン王国宰相が、面会を求めてきたのだ。


「宰相閣下、ご用件は。」

「初めてお目にかかります。ミルトン王国、宰相を務めています。リンガーです。以後良しなに。」

アレクは不機嫌そうに「挨拶はいいですよ、ご用件は。」

リンガーは、要望を伝える。「グラムット帝国が再侵攻してきました。お力をお貸しください。」

深々と頭を下げる。リンガー宰相とゲートル男爵。

「頭を、上げてください。話も出来ません。」「協力してオリオン家の利益はあるんでしょうね。」

リンガーは困る。何も決まっていないのだ。

「終戦後に必ず、報酬をお約束いたします。お願いします。」

「今の言葉は、いつ終わるか分からない、戦争後に報酬を決める。どんな報酬かもわからない。てことですか。」

「・・・・・・・・」

「話になりませんね。」

アレクは、突っぱねる。そして、「宰相閣下、ミルトン王国貴族たちは、どのような話をしているんですか。」

ミルトン王国はグラムット帝国との戦争で、一致団結して戦っていたが、一度救われたので気が緩んでしまった。況しては、勝てる手段があり救われた事。

そうなると、貴族は利益に走る、特に領地を失っている貴族は必死だ。自分の所を優先にしようと話がまとまらないのだ。国王でも調整できず。マヒ状態になっている。


「一度、帝国に潰してもらって、俺たちが取れば面倒がないよな。」

一番ミルトン王国が困ることを、カインがいってしまった。

リンガーでもそう思うのだ。

アレクはリンガーに聞いた「国王はどう考えているのでしょう。」

「はい、陛下は、国が半分になってもミルトン王国を残したいと。」

「そうですか。」

アレクは、悩む。助けるのは出来る。だがミルトン王国自体に問題がある。

「宰相閣下、ミルトン王国の膿を出せますか。そして、意思統一できますか。」

「やります。必ずやります。絶対やります。」

アレクは、カイン、リンガー宰相、ゲートル男爵で話をした。

ミルトン王国で問題を起こしている、貴族を排除する。ミルトン王国が責任を持って行う。

ミルトン王国は、カインに領地を割譲する。現在占領されている地域の一部。

オリオン家は、ミルトン王家に援軍を出す。現在の占領地域の解放時まで協力する。

「宰相閣下、時間がありませんよ。貴族の排除が出来なければ、動きませんよ。」

「はい、必ずやります。」

「時間がないので、王都までお送りしますよ。」


アレクは宰相を王都まで送る。ミルトン王国の経過を待った。


リンガーは、国王に報告した。ミルトン王国に取っても悪い話ではない。貴族派の排除が出来る。領地の割譲も今は占領されている。何とかなる。

と、国王と話し合い。この際一緒に、国王派と貴族派との諍いも、同時に処理してしまう。

「陛下、貴族派、特に領地を失ったものから粛清していきます。」

「そうよな、領地を無くしたものが、国をかき回している。そ奴らは逆賊とする。」

「リンガー頼むぞ。」

こうして、ミルトン王国に粛清の嵐が吹いた。たった2日間の大嵐だった。

ミルトン王国が挙国一致体制となり、グラムット帝国に反撃の体制が出来上がる。


グラムット帝国はミルトン王国王都、2日の距離まで迫っていた。

一方、ミルトン王国側は、王都から1日の距離で布陣している。


グラムット帝国50000対ミルトン王国20000+カイン勢力1000


ミルトン王国の布陣は、正面横一列20000に左翼にカイン勢力。

グラムット帝国は中央に30000、両翼に各10000


アレクはリンガー宰相とカインに伝える。


「ミルトン王国には、中央3万と奥の1万を受け止めてもらう。勝つ必要はない。耐えていれば勝つから。

カイン兄には目の前の1万を倒してくれ。リック隊、マック隊、カイン隊と1万に当たれ。ユリ隊と他は各艦に乗船して、爆撃だ。蹂躙する。



各自、配置につけ。」


アレクは、淡々と命令を出す。      





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