表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/919

46話 砂糖の魅力

アレクは、中型飛行旅客船2隻、大型飛行輸送船2隻をオリオン航空に納品した。

「ふーーっ、やっと終わった。」

「さあ、これから、何しようかな。」

「師匠、仕事ですよ。」

「今、仕事終わったばかりだよ。」

「他の仕事が待っています。」


アレクは、空を見上げ、「あっ、」と声を上げた。マックは、一瞬空を見た。雲しかなかった。

視線を戻すと、アレクはいなくなっていた。




アレクは、街中を歩いている。

山間にあるアレク領だ。アレク領は、発展をしていた。迷宮が2つあり、北部トンネル、南部トンネルを繋ぐ都市になっていた。街には冒険者、商人、領民で溢れている。

物価も安い、給料は高い、アレク領は儲かっているのだ。

気分のいいアレク。商人に声をかける。

「あの、何を売っているんですか。」

「あっ、これか。これは南部でとれたサトウキビだよ。」

「それ、加工しないと売れないよ。」

「えっ、そうなのかい。」

「うん、砂糖の原料だからね。」


この商人、初めて商売をするためにアレク領に来ていた。

カイン領に難民として逃げてきたが、金を稼がなくては生きていけない。そこで、サトウキビが売れると聞いたので、そのまま持ってきたのだ。

アレクは砂糖が売れることを知っている。

商人に砂糖の加工方法を教えた。ところが商人は、困った顔をしている。

よく聞くと、もう資金が無いようだ。

なら、共同で商売をしようと話をする。


「じゃぁ、行こうか。」

「何処にいくんですかい。」

「大丈夫だよついてきてよ。」


着いたのはアレク領の領主館だ。商人はびっくりしている。相手が領主とは思っていなかったのだ。

アレクはユリに、砂糖の商売の話をする。

「サトウキビをそのままうちに持ち込んだら、費用面でダメでしょう。」

「加工はカイン領で行ない、砂糖をアレク領に持ってくる。よし、これで行こう。」

アレクはユリにカイン領に行く事を告げて、商人とガレオン号でカイン領に向かった。

「そういえば、商人さんの名前を聞いてなかったよ。」

「そうでした。領主様、私は犬族のガッシュと申します。よろしくお願いいたします。」

「僕のことはアレクでいいよ。」  



カイン領に着くと、アレクはカインに会いに行く。

「カイン兄、お願いがあるんだ。」

「アレク、突然だな。」

「カイン領に砂糖工場を造りたいんだ。土地を売ってほしい。」


アレクは、カインに事の経緯を説明する。


「そうか、ガッシュはうちの領民か。」

「僕と共同で、砂糖工場をカイン領で作ってうちの領地と他に売るんだ。」


それから、話はとんとん拍子に進む。ガッシュは唖然としているが。

工場の場所も決まり、アレクは工場を建てていく。

「ガッシュさん、工場建てたら圧縮機を造るから、その間に人を雇っておいてね。」

「はい、分かりました。」

「ガッシュさんが、ガッシュ商会の会頭なんだから偉そうにしてないと。」

アレク、にこやかに告げる。ガッシュ、顔がひきつる。(引きつって戻らない)


ガッシュは、仕事の少ない女性と子供に声をかけ人を集める。

サトウキビは大森林に生えているが、生産をする様にと指導され、畑を作り農作業も一貫して行うことになっているのだ。


アレクは作業員を集め、一気に工事を行っていく。アレクは張り切っていた。

カイン領が砂糖の一大生産地になるのだ。砂糖は高額で売れる、特にローエム王国と周辺国に。

カインも協力していた。自分の領のことだしアレクが絡んでいるからだ。

サトウキビが育つまでは、大森林で採ってこなければならない。カインは訓練を兼ねて、一番になった小隊に、賞金を渡して競わせたのだ。



アレクは、大工場を建てた。

「圧縮の前に、ローラーで絞んないといけないか。」

「自動で出来るようにしたいな。」色々とぶつぶつ言いながら、作成していくアレク。全自動はダメだな、人を雇わないといけないし。ぶつぶつ・・・・・・

「取りあえずは、これでいいか。後は改良すればいいしね。」


「ガッシュ会頭、会頭ぉぉぉ。できたよーー」

「出来ましたか。ありがとうございます。」

「じゃぁ、早速テストしてみようか。」


「こうやってローラーで潰して、圧縮してこのしぼり汁を・・・・・・・・・・」


「ほう、これが砂糖ですか。」

「精製してないから白くないけど、とりあえずはこれで行こう。」


そこには黒砂糖が出来上がっていた。「あまぁ「」あまい」「おいしい」「・・・・」

女性、子供たちが大喜びだ。甘いものに飢えているのだろう。


そこに、人が集まってきてしまった。

筋肉ムキムキな男たちだ。暑苦しい。

砂糖を舐めて、暑苦しい男達がおいしそうに指を舐めている。

カインはこれは行ける、工場は大成功するだろうと確信する。カインは疑ってはいなかった。アレクがやるのだから大丈夫とは思っている。だが目の前で領民がぺろぺろやっているのを見るのと、話で納得するのとは訳が違うのだ。

妙な納得をするカインであった。


「カイン兄、これでケーキ屋、甘味処とかカイン領に出来るかもね。」

「おぉ、そうだよな、領内で使えるよな。そのままで売れそうだけどな。」



「ガッシュ、緊急で困ったことがあればカイン兄に伝えて。僕にはカイン兄なら連絡とれるからね。」

「了解しました。問題が出ましたら、ご相談いたします。アレク様。」


アレクは甘味処が出来るように、ガッシュに指示をだす。女性で料理の出来る人にやらせるようだ。

カイン領での店が軌道に乗ったら、アレク領に出店させるのだ。

砂糖だけより、付加価値が付くので儲かるのだ。ガッシュと二人で儲かった想像をしていた。


ウハウハと、変な笑い声が聞こえたが気のせいでしょう。…多分。


周りの集まった人たちに砂糖を使い、ケーキ、クッキー、プリン等をふるまっていった。

作り方も教えて、領民、大興奮。次々と押し寄せる領民、作り続けるガッシュ商会の人々、1人1口との規制がカインより通達されたのは、日も暮れたころであった。


それでも収まらず、普通の料理と酒で大宴会に発展し、夜通し騒いでいた。



獣人とドワーフ、恐るべしだった。あとの人は、帰宅していた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ