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454話

デル王国大広間の中は異臭で鼻をつまんでいないと嘔吐しそうなほど臭かった。


流石のアレクも大広間から出ている。扉の前にいるのだ。

そこえデル王国の重鎮たちがやってきたのである。


「やっとお出ましか。」

「デル王国の・・・・」

「自己紹介などはいい。殺されるか、服従かを選べ。」

「・・・・・話をさせてくれ。」

「まぁ聞いてやる。何だ。」

「何故、デル王国の者を殺している。」

「ハァー、お前戦争で人を殺さないのか。」

「戦争ならば人を殺すが普通は殺さない。」

「お前はこの国の王か。」

「そうだ。」

「まぁ説明してやる。これから殺されるのにも理由位は知っていなくてはな。・・・・・・・」


アレクはデル王に説明を始める。

この国での平民が奴隷をボール代わりにして遊んでいた事、奴隷産業をしている事、ルシア王国へ侵略戦争を仕掛けている事等を理由にアレクがデル王国に宣戦布告をしたこと。


「いいか、戦争を仕掛けてきたのはデル王国だ。それがいざ侵略されれば何故だと。侵略するならば攻められる事も頭に入れろ。」

「・・・・・・・」

「一人に勝てない者達が何が戦争だ。」

「デル王国の民を殺すのか。」

「そうだな、奴隷をボールのように扱っている者達は生きる価値はないだろうな。」

「そそそれは昔から・・・」

「何が昔からだ、そんなことは関係ないのだよ。奴隷を扱っている事事態が問題なのだ。」

「どうすれば殺さないでもらえる。」

「ないな。」

「えっ、ないな?」

「殺さない理由がないという事だ。いいかこの国は腐っているその事を誰も分かっていない事が問題なのだ。」

「ど奴隷制度を止める。」

「はぁっ、そんなことでこの国が変わる事等出来るか、奴隷産業でこの国は生きているのであろう。」

「・・・・・さ宰相、なんとか言え。」

デル王が宰相の方を見る。

言われた宰相は王を睨みつける。

「宰相とやら、お前がこの国のかじ取りをしているのだな。」

「いいいいえ、私はすべて王の指示に従っているだけです。」

そこで王は、「何を言っている宰相がすべて仕切っているではないか」


周りにいる貴族達は皆宰相の味方をしている。皆そろって王の指示だと言っている。

そこでデル王は初めて自分には味方がいない事に気づくのであった。


「どうにもならない王だな。」

「・・・・・余、余はどうすればいい。」

「そんな事自分で考えろ。」

「・・・・・」

「お前は後回しだ、宰相とやらすべては王の指示で動いているのだな。」

「はははい、そそうです。すべて王のご指示です。家臣たるもの王には逆らえません。」

「そうか、だが今はそんなことは関係ないな。私の敵というだけだ。死ね。」

アレクは軽く宰相に対して手を振る仕草をすると、宰相はそのまま吹き飛んでいった。壁に激突して宰相は床に崩れ落ちていった。


「「「「ヒィーーー」」」」


「デル王、お前に聞く。正直に答えよ。お前は奴隷を殺したことがあるか。」

「いや余、余は奴隷を殺したことはない。」

アレクはこの場にいる者達に同じ質問をしていく。皆奴隷は殺したことがないと答えるが、アレクは殺す者と見逃す者がいた。

「ななぜ殺していないという者まで殺すのだ。」

「あー、こいつらは奴隷を殺したことがあるからだな、私に嘘を付いたので処刑したのだ。」

「そんな事分かる訳はない。」

「ハァー、いいかデル王国は、もうこのアレクが統治するのだ、私が法律なのだよ。」

「・・・そそんなことは許されない。デデル王国は余、余のくにだ。」

「お前は平民として生きよ。世の中を知らなすぎる。一度苦労をしてみろ。」

「なななにを言っているのだ。余は余は余は平民ではない。」

「元王だな、完全な平民ではないな。元王を名乗る事を許そう。」

「・・・・・」


「お前たち、各地に伝令に出ろ。そうすれば生かしてやるぞ。」


アレクは先ほど奴隷を殺していない者達に伝令の指示をしていた。それは各地にこの場で起こった事、これからのことを外へ伝えるためである。


「よいか、各地に正確に伝えろ。奴隷を殺した者達は私が殺す。そしてこの国の王はアレクス・オリオンとなる。逆らう者は皆殺しだと伝えろ。行けーーぇ。」


「「「「「「はははいーーーぃ。」」」」」」


この場にいた数十人は、ふっ飛んで城から出ていった。どれだけ正確に伝わるのかは分からないが、奴隷を殺したことがある者達は急いでこの国を出ていく事だろう。


各領主たちはこの王都へ攻め込んでくる可能性もあるがアレクには全く問題にしていない。




その後アレクはデル王国各地に通達を出した。



奴隷制度の廃止、奴隷を殺した者は死刑、身分制度の見直しなど色々な布告を出していった。


「艦長、やっと来たか。」

「アレク様、政治の出来る者などいません。どうするのですか。」

「ああー、心配はない。とりあえずは私が見るからな。」

「はぁ、さようですか、私どもは何をすればよろしいのでしょうか。」


アレクは艦長に治安維持を指示した。

流石に一人ですべてを見る事は出来ない。アレクは機人、木人を輸送する事にしたのである。

この国、奴隷を使い日々の暮らしをしている為に奴隷がいなければ何も出来ない民の集まりであった。

アレクは奴隷解放と共に元奴隷を雇う事を認めたのである。きちんとした賃金を支払い雇用するのであれば職場として働く事を許可したのである。

これにより奴隷も平民たちも少し落ち着いた。

根本的な解決には成らないが生きるための糧は得られるだろう。


アレクはこの国の現状を考えると頭が痛くなる。

このデル王国は奴隷を生ませ産業としている。主産業が奴隷売買なのである。奴隷制度が無くなると他に収入のあてがないのである。


農地もあまり開発が出来ておらず。輸入に頼っている状況である。


「どうするかな。」



その頃各地にアレクからの通達が来ていた。

各領主や町の代官に対して服従する者は登城せよと通達があったのだ。だがこれには大きな問題があった。各地に噂が広まっているだ。奴隷を殺した者は処刑。

この噂はアレクが各地に放った者達が広めたものである。

この噂により、各地の領主は城へ行く事が出来なかった。ほとんどの者達は奴隷を殺している為であった。


各領主は連絡を取り合い、アレクに反抗する事を決めた。


奴隷を肉壁としてすべての男を兵としたのだ。王都へ向けて20万もの兵が反抗する事となった。


その事を聞いたアレクは笑っていた。

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