452話
アレクは乗組員たちに保護を任せると騎士や町民たちが囲んでいる場所へと姿を現す。
騎士がアレクを捕まえようと近づくがアレクに一撃を入れられて撃沈していく。
「ボカ」
「うぅぅー。」
「ベキ」
「うぅぅー。」
「私はSEオリオン王国のアレクだ。シン王国に宣戦布告する。」
「SEオリオン王国だと。そんな国知らんな。」
一人の偉そうな騎士がアレクに向けて言い放つ。
「知らんのか、ならばこれから自分の愚かさと一緒に知るがいい。」
アレクはこの場にいるすべての騎士と兵を殴り殺した。
「よいか、これから私に向かって来るものは皆殺しにする。民とて容赦はしない、特に奴隷たちを遊びで殺していた者達は殺す。」
この言葉を聞いて町民たちは一目散に逃げていく。騎士や兵が殴り殺される光景を目のあたりにして恐怖で固まっていたのだが、自分も殺される対象となった事で傍観者から加害者へと変わり必死に体を動かして逃げていくのである。
「アレク様、これからどういたしますか。」
「お前は。」
「はっ、艦長より地上部隊の責任者とされました。ルデンと申します。」
「ルデン、奴隷を出来る限り保護しておけ、私はこの国を潰してくる。」
「へっ。」
ルデンは一瞬アレクが何を言っているのかが理解できなかった。
「そうだな、SEオリオン王国へ連絡して大量の物資と人員を呼んでおけ。」
アレクはルデンに言い残すと一人で騎士たちの詰め所へと向かっていく。
「何者だー、ここは騎士団の本部だぞ。」
アレクは無言で殴り殺していく。
この詰め所には約30人者騎士と兵士100人が駐屯する近隣を監視する場所であった。
アレクは一人残らず殺すと次の場所へと移っていく。この町の役所に当たる建物だ。
アレクが役所に入っていくと、騎士の詰め所での騒ぎを知っているのかあまり人がいない。
残っている者にアレクは「この場で働いている者達はどうした。」
「あっ、ははははい、みみみなに逃げました。」
「お前は何故逃げなかった。」
「あっはい、置いていれました。」
「まぁいいか、お前はこの町で奴隷を集めろ。そして大通りにある囲いの中に連れていけ。」
アレクはこの男に手紙を書きルデンに渡すように指示を出す。
「いいか、お前をどうするのかをこれからの行動で決めるぞ。町人たちにも伝えろ。従わなければ皆殺しだとな。」
「ははははいぃ。」
「この場に残っている者も同じだ。従わないのならば殺す。」
役場に残っていた者達は急いで町へと散らばっていった。
ある者は家に帰り街を出ていった。またある者は指示通りに奴隷を集めルデンへと引き渡してルデンの手伝いを行った。
町人へと伝言をしていく者、逃げる者と色々だが共通する事はアレクから離れるという事であった。
アレクは次に領主館へと行く。
領主館では門を閉じて騎士や兵が守りを固めていた。
「化物が来ました。」
「よし一斉に弓を放てーーー。」
領主館の防衛隊であろう。弓隊がアレクへ向けて弓矢を放つがアレクには全く効かない。
「ばばば化物か。」
アレクは門を蹴り飛ばすと中へ入っていく。アレクを取り囲んでいるがアレクが一歩踏み出す度に囲んでいる者達は一歩下がっていく。
誰もアレクに斬りかかる者がいないのである。
下がる騎士たちも屋敷の入り口までしか下がる事が出来ない。アレクが一歩一歩近づくと耐えれ無くなり道を開けていく。
領主館へと入ると騎士や兵士がアレクに斬りかかってくる。来る者は殴り殺し、逃げる者は放っておくことにしている。
人の気配のする方へと進み、立派なドアを開くと領主であろう者とその側近たちがいた。
「この地の領主か。」
「おおおおお前は誰だ。」
「私か、アレクだ。」
「そそんな奴など知らん、なな何しに来た。ししし死刑にするぞ。」
「死刑はお前たちだ、死ね。」
アレクはこの場にいる者達をすべて殺した。
デル王国のひとつの町はアレク一人に1時間もかからずに壊滅した。
アレクは一気に王都へと向かう事にした。
流石に一つ一つの村や町を潰していくことは時間が掛り過ぎるのだ。ここは一気に王都に行き、元を潰す事にしたのである。
小型艦を呼び寄せアレクは王都へと向かった。
デル王国王都ではまだアレクの事を知らない。王都も平和そのものであったが、騎士や兵が異常に多く見られていた。これはルシア王国への侵攻作戦の為に集められた兵たちである。
数日後に進軍するために今王都に集まっているのであった。
そこにアレクは王都に到着したのである。
王都へ入るには審査が必要であった。門には長蛇の列が出来ていた。
「おいそこの者列の最後に並べ、殺すぞーー。」
アレクに列に並ぶよう指示を出した騎士はアレクに殴り殺させていた。
それを見ていた者達から悲鳴がでる。 「「「「ヒィーーーー。」」」」
集まる騎士や兵を殴り殺していくアレク、恐怖で固まる者達。
アレクは平然と門を通り城へと向かう。途中で騎士や兵が襲い掛かってくるがすべて殴り飛ばしていく。
アレクの通った後には屍しかない。
王都の民たちもその光景に恐怖している。
その頃、王城ではアレクの王都襲撃が報告されていた。
「王都へ侵入軍はどのくらいだ。」
「ひ一人です。」
「はっ、お前は馬鹿か、そんなことありえない。」
「いいえ一人です。間違いありません。」
「ならば問題は無い、殺せ。」
「あハイ。」
伝令は肩を落とし去っていく。
「何を馬鹿なことを言っているのだ。たかが一人でこの王都へ攻撃だとこの王都に3万もの兵がいるのだ。」
「宰相、本当に一人なのか。」
「はい、そのように報告が来ております。」
「変ではないか、たった一人の襲撃で態々報告に来るのか。」
「・・・・・そうですな。まだ他にいるかもしれませんな、騎士を多めに城へ詰めさせましょう。」
アレクは城へ向かっているが段々と兵の数が増えて行っている。全く問題は無い。
アレクは魔法を放ったり、殴り殺したりと歩きながら騎士、兵などを殺していく。
もう騎士たちは敵わないと分かっているのかアレクの周りを着いて行くだけになっていた。
それでもアレクの目に入る騎士たちは殺されていく。視界に入れば殺されるので段々とアレクの後ろを着いて行くような形になっていった。アレクの前方には城が見えている。
騎士たちはアレクが城へ向かっていると分かり道を開けるようになっていたのである。
はたから見ればアレクが軍勢を率いているように映っている。
城から監視していた者は軍勢が城に迫っていると誤解してしまったのは仕方のない事であった。




