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450話

静まり返る中、カインの足音だけが響いている。

緊張で固まっている貴族達は、カインが近づくと全身がカチンコチンに固まってしまっている。


カインは少し面白くなり貴族の間を往復している。


カインに殴り殺された者はそのまま放置されていることが余計に貴族達を緊張させていた。


カインは歩きながら「おいお前に聞きたい。」


「ななな何でしょううううか。」

「お前の領地は、今どうなっている。王都へ兵を派遣しているのか、それとも領地で民を守っているのか。」

「りりり領地で民を守っています。」

「本当か、素晴らしい領主だな、この戦争で民の為に兵を送らずに領地を守っているのか。ちなみにお前の領地に兵はどのくらいいるのだ。」

「・・・・・・ご,500ぐらいです。」

「ん、500ぐらいだと、お前の領地は狭いのか。シン王どうなのだ。」

「カイン殿、この者は侯爵位で兵500は少ないでしょう。通常は2000は領地の治安維持等で必要となります。」


カインはこの場にいる貴族達に同じ質問をしていく。高位の貴族達は大目に答える者に答えが変わっていた。

「今言った事まことであるかを調査する。万一間違っている事が分かれば統治能力なしと判断する。」


「おおおおおおお待ちください。かかか家臣にかか確認します。」


「馬鹿か、領主が兵の数も把握していないなどありえないだろう。」


「・・・・」


カインは貴族達の話を聞くのが馬鹿らしくなってきた。

余りにも酷いのだ。自分の事しか考えていないのである。シン王国の事等全く考えていないのである。


「シン王、お前苦労しているな。」


「・・・・」


「シン王、お前は国を残したいのだったな。」

「そうです。」

「獣人達を平等に扱えるか。」

「獣人達を人間と平等にですか。今のシン王国では無理です。」

「貴族達が邪魔をするという事で無理なのだな。」

「それだけではありません、この国の獣人達は土地の所有を認められていません。法律自体が平等ではないのです。」

「そうだったのか。ならば・・・・・・」


突然カインが黙ってしまった。


カインの中で人に任せろという思いが出てきたのだ。


「どうされましたか。」


「2日後に沙汰を出す。それまで少し考える。」




カインは広間から出て行ってしまった。


残された王と重鎮たちは、また言い争いをしてしまっている。だが貴族達の勢いがない、王に味方する貴族がいるのである。貴族達は王へ味方して助かろうと考える者が出てきたのである。

シン王もそれは分かっているのだ。程よい距離を取り完全に仲間にはしていない。

この2日間王と重鎮たちは無為な時間を費やしていった。



2日後新たに集まったシン王と重鎮たちはカインの雰囲気が変わっていることにまだ気づいていない。



「二日間よく話し合ったか。」


「「「「「ぇっ」」」」」

王と重鎮たちはカインが何を言っているのかが分からなかった。


「お前たちは自分が生き残る為に対策を建てたのだろう。」


そこでこの場にいる者達は初めて気づいたのだ。自分たちが生き残る為にどうすればいいのかを話し合う事をしていなかったのだ。

無為にののしりあい、貶してあっていただけであった。


「「「「・・・・・」」」」


「シン王、お前はどうするのだ。」

「・・・・・く国が残ればそれでいい。王でなくとも国さえ残ればいい。」


「貴族達お前らはどうだ、自分が処刑と宣言されているのだその対策をしたのであろう。」


「「「「「・・・・・・・」」」」」」


「まさか何もしなかったのか。自分が死ぬ事もまさか忘れていたのだはないよな。」


「「「「「・・・・・・」」」」」


そうこの者達は2日前にカインに処刑を宣言されていた者達である。カインが突然2日間延期にしたことでコロっと自分が処刑されることを忘れてしまったのだ。今までのシン王国では王が決定してもうやむやにすることが多々あった。そのためにいつもの癖でその場を通り過ぎれば決定は無しになる事と大きな誤解をしてしまっていたのである。


「マジか・・・・・」


流石のカインも呆れてしまっている。



カインが呆れているその時、広間の扉が開かれ数十人の各種族が入ってくる。


シン王が「ななな何者だ。」

「俺が呼び寄せたのだ、問題ない。」

「カイン殿がですか。」



そこにはエルフ族、ドワーフ族、獣人族(各種)、人族、魔族までいたのである。


「カイン王、お待たせいたしました。各種族を連れてまいりました。」


「ご苦労だったなデーク。」


デークとは獣王国宰相の孫である。がちがちの筋肉質の狼族であるが内政が大好きという変わり者である。

この場にきている各種族たちはエデンから来た者が多い。移住の為にきたのであるが各種族の中でも内政の事を分かっている者が来ているのだ。


「お前たちに伝えておこう、今ここにきている者達はシン王国の新しい領主たちだ。」


「何だとーーーーーー。」

「亜人どもなどありえん。」

「獣人だぞーー。」


「お前らは馬鹿か、お前たちはもう領主でも何でもないのだぞ。」

「「「「「えっ」」」」」


「本当に馬鹿だな、自分たちが処刑されるのだぞ。」

「「「「「あっ」」」」」


「連れていけ。」

カインの指示により広間に獣人隊の者達が入ってくる。


「は離せこの獣人が。」

「触るな亜人。」

「はは離せ、今なら許してやる、離せーー。」

「か金をやるぞ、見逃せ。」


カインは静かに見ていたが、カインの目の前で買収しようとするなどありえない光景であった。


「こいつら本当にどうにもならんな。」


「シン王、シン王国は残してやるが王都と周辺だな。」

「ありがとうございます。シン王国が残されるのであればそれで構いません。」


「デーク。後は任せた。」

「はっ。」


カインは出ていく。

残されたデークはシン王と協議をしていく、これからのシン王国はごく小国となるが元のシン王国領地と連合を組むことで他国に対抗する仕組みを作っていく。

元シン王国の領地は各種族で地形や環境になるべくあった場所をあてがい、奴隷制度の廃止を行った。

奴隷の廃止に伴い、今迄奴隷とされてい亜人、獣人たちは生まれた時からの奴隷が多く生活するすべを持っていなかった。

その事が一番の問題となった。

賃金を貰う事を知らなかった事で大変な作業となってしまった。



報告を聞いたカインは「マジか。」


「カイン様、これ大陸中で奴隷解放したら大変ですな。」

「アレクに振っとけ。俺は知らんからな。」

「それは王としてどうでしょうか。拙くないですか。」

「俺には無理だな。後は任せた。」


カインはドラゴンに飛び乗り逃げて行ってしまった。


デークはこの後、仮・種族連合国(シン王国含む)の宰相としてカインの代理をするのである。


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