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43話 張り切る者

アレクは、張り切っていた。

自称、領主代行代理なのだ。オリオン領都で、何か役立つことをやらなければ。

街中を散策して、何かないか探していた。思いつかない。

街の人に聞いてみようと思い食堂に入る。

「いらっしゃいませ。」

「何か困ってることないですか。」

「ご注文は、如何しますか。」

「役に立つことを、」

「食堂で、飯を食わないなら帰れー。」

追い出された。


家臣に聞いた。

「何か困っている事があれば手伝うよ。」

「アレクス領主代行代理、領主代行代理は今このオリオン領で一番偉いのです。その偉い人が、仕事を手伝うのはいけません。領主代行代理は一番偉いのですから、でんと構えて家臣たちを見守っていて下さい。」

「そうだね、一番だもんね。」この家臣、中々やるな。

アレクはいい気分になって、本来の騎士団訓練に戻っていった。


家臣は、ほっとしていた。

余計な仕事は、増やさないでほしいと。


だがその後、アレクは交番設置の命令書を出した。

アレクは、オリオン領の人口が増え、治安の悪化・領民の相談・問題の早期解決を目的とした、地域密着で領地経営する為に領都に交番増設、村に交番の設置を指示を出した。


慌てたのは、家臣たちだった。

交番の設置、素晴らしい案だ。だが今はまずい、オリオン領の幹部たちが居ないのだ。

アレクの出した命令書は、設置理由と設置の場所、交番の権限のみであった。普段はこれで十分だ。領主、マリア姉、イリア姉がこれ以降の事をやってくれるからである。だが今はいない。

家臣たちは、交番設置の人事、交番建設等の仕事が増えた。




騎士団練習場


アレクは、機械の訓練を見ていた。

アレクは思いついた。実践に勝る訓練は無いのではないか。

思いついたら、即実行。

「キカイダー、集合。」

「全員、ガレオン号に搭乗せよ。」

機械たちは、一糸の乱れもなくすぐにガレオン艦内に入っていった。

機械は人間に戻った。一気に不安が襲ってきたのだ。

「俺たちどこ行くんだ。」

「生きて、帰れるよな。」

「大丈夫だよ、俺たちは訓練してるだけだから。」

「でも、その訓練、死にそうにつらいよなぁぁ。」

「・・・・・・」


オリオン騎士団は何処に向かうのか、生きて帰れるのかはアレクだけが知っていた。



ガレオン号は、迷宮に向かっていた。



迷宮内




騎士団は、戦場にいた。

敵はオーク軍200対する騎士団は100である。

騎士団は、遠距離攻撃を展開し、オーク軍の集まる中心部に魔法攻撃を放った。そこで約70のオークを討ち取り、騎士団はオーク軍にそのまま突撃していった。騎士たちは、駆けながら魔法を放ち、接近して剣で、槍でオークを討ち取っていった。まさに圧巻である。

騎士たちは、アレクの攻撃用意の掛け声、「おまえらはキカイダー」で恐怖が、感情が、薄らいでいったのだ。

攻撃が終了すると、機械たちは人間に戻り、「お、俺達強くね。」を連発していた。

アレクは、戦場の状況を想定し、包囲殲滅戦、撤退戦、逆包囲戦、耐久戦、1対10戦、2対10戦を繰り返し行った。一騎当千いや、一騎30戦(一騎当30?)の騎士団が完成したのだった。



王都


レオンは困っていた。

噂が流れているのだ。王国最強レオンと。

第1騎士団を、叩きのめしたのが原因だ。騎士団からは恐れられ、王国民からは羨望の眼差しを向けられ、女性(お年寄り含む)からは求婚され、部屋の中に缶詰状態である。

それでも出かけなければならず。外に出るたびに騒ぎとなっていた。

第1騎士団の訓練も落ち着いた頃、ハロルドと共に、国王に呼び出しを受けた。

王城の国王執務室にて、レオンに辞令が出された、第7騎士団の団長に就任と騎士団設立だ。

レオンはオリオン領の仕事もあるのでと断ったが、国王が兼任でも構わないと言い張り断り切れなかった。

「第7騎士団の主な任務は何でしょうか。」

「王都の治安維持が一番の任務となる。」

「了解しました。騎士団の人事権、規模等すべて、私に一任でよろしいでしょうか。」

「レオン男爵に任せる。」

「男爵?」

「騎士団長就任時に、男爵となるのだ。」

国王とハロルドは、ニコニコしている。レオンは諦めて承諾した。他にも、王都にもオリオン領で設置した交番の設置、第7騎士団の下に部下組織をつくり、交番兵を置く等の了承と予算をもらう。

レオンは、仕事が倍になった。

レオンは、直臣のレッド、ブルー、イエロー、グリーン、ピンクの5人に第7騎士団の設立、交番の設置、団員の確保、体制の考えを伝えた。

騎士団は、今の騎士団と従士の組み合わせを撤廃する。新しい枠組みの中で運用していく。


「第7騎士団は、団長を頂点に副団長2人、内1人は交番組織の長として。魔法隊を4部隊、後方支援部隊1隊とする。各自は隊長として仕事をしてもらう。魔法隊といっても接近戦やれるよう、訓練をするぞ。各隊には、特徴を出してもらうがな。」


レオンは団長兼務魔法隊1番隊隊長

ブルーは副団長兼交番隊隊長

レッド副団長兼魔法隊2番隊隊長

イエローは魔法隊3番隊隊長

ピンクは魔法隊4番隊隊長

グリーンは後方支援隊隊長


隊員の募集、交番兵の募集、第7騎士団兼交番隊本部の設置等、色々と報告、連絡、相談をしながら進めていった。

これが大変だったのだ。騎士と従士の撤廃が、うまくいかなかったのだ。

騎士たちの引き抜きが出来なかった。人の確保が難しくなり、従士を準騎士として雇い、他にも王国民に宣伝して募集した。雇い入れた者は平民がほとんどを占めていた。それを準騎士と交番兵に振り分け、訓練、訓練、又訓練をする事となっていくのである。


その頃、甘い生活をしている者がいた。本当は2組だが。

ルドルフとクリスティーナである。


二人は、結婚をして王都オリオン屋敷で暮らしていた。

「ルドルフぅ、今日は早く帰ってきてくださいね。ケーキを作ってますからね。」

「わかってるよ、仕事が終わったらすぐに帰るから。」

等々・・・・色々・・・・・・・・




早く、仕事にいけーっと、ハロルドに追い出されていた。


もう一組は、ハロルドとエレメルである。








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