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377話

「ルドルフ兄、お帰り。」


ルドルフはミスト王国の王都までブルードラゴンと共に戻ってきていた。ルドルフはアレクにガンジス公国の王都開発を頼まれたのだ。その間にアレク達はある計画を進めていた。

ガンジス公国の王都再開発のルドルフ英雄伝説の一幕とするのだが、戦争での活躍が何より語り継がれることを知っている。


「ルドルフ兄、相談があるのですがいいですか。」

「何だアレクが相談なんて珍しいな。」

「大した事ではないのですが、このミスト王国はオリオン王国連合の一員になりますよね。」

「そうだな、アレクの娘もミスト王国に嫁ぎフロンティア大陸の中心になっていくからな、ミスト王国はオリオン王国連合の一員として貰わないと困るな。」

「そうなんですが、ミスト王国は周りの国から下に見られています、それはまだ建国して間もないので仕方がない事ですが、ルドルフ兄のいるうちに出来れば解決したいと思っています。」

「なんで俺なんだ、別にアレクでもいいだろう。」

「ルドルフ兄はオリオン王国の次期王ですよ。次期王が親戚になるミスト王国と諸外国の仲裁をすることでミスト王国の立場が上がるんですよ。」

「お、おぅそうだな。」


アレクは色々と理屈をこねくり回し、ルドルフに諸外国に出る事を承諾させたのだ。

これからが本番と言わんばかりにアレク、カインが動き出す。


まずアレクは周辺国に対してミスト王の名で親書を出す。

ミスト王国建国の挨拶に訪問するという物である。この親書は諸外国にとって都合のいいものであった。ミスト王国の王が懐に自分から飛び込んでくるのだ。王の身柄さえ確保してしまえばあとは自由にできると思っているのだ。


諸外国はミスト王国の親書に色好い返事を返してきた。



「アレク、こんなことで本当に戦争になるのか。」

「カイン兄、大丈夫ですよ。ミスト王には不幸ですが必ず戦争になります。」

「いいのかお前の娘の嫁ぎ先だぞー。」

「大丈夫ですよ、ミスト王には了解を取っています。それに周辺国との関係が解決しますからね。ミスト王も協力的ですよ。」


ミスト王はミストの騎士100人を連れてまずはジェントス王国の隣にあるグレーリ王国へと出発したのである。このグレーリ王国は元ミントの所属していたジェントス王国と非常に仲のいい国である。

もし何か事が起きればグレーリ王国とジェントス王国は互いに協力し合う仲であった。

ミント王国はジェントス王国に訪問の予定は無いのである。元の主人と五立場であるジェントス王国であるがミント領に対しての態度や感情などから訪問に値しないとなっていたのである。


ジェントス王国はミントを恨んでいる、特にジェントス貴族は何かを仕掛けてくるだろう。ジェントスの貴族達の評判がミント領の問題ですこぶる評判が悪くなっている。ジェントス王国貴族というだけでどこも相手にしなくなっていたのである。ジェントス王国貴族達はミントの評判なり何かをしないと貴族として生きていけない程気持ちが追い込まれている。それは別に平民から見れば大した事ではない、ミント領がジェントス王国から独立した事で、貴族達はジェントス王国から独立も出来ない貴族と揶揄されただけであった。

これは平民や商人たちが酒場で面白おかしく酒の肴としていった事であったが、アレク達がその酒の肴を広めたのであった。この事で貴族達のプライドが酷く傷ついてしまった。ジェントス王国の貴族は無能の集団だと尾ひれがついてきてしまっていた。

何とかしなければと各貴族達は各派閥で相談していたところに、このミント王の表敬訪問の話であった。


この表敬訪問の話に飛びついたのがジェントス王国貴族であった。自国では動きにくいが友好国であれば証拠は残らずに仕掛ける事が出来ると思っているのだ。

ジェントス貴族とグレーリ貴族の間では貴族同士の交流が盛んである。親戚関係の家も多く。仕掛けるには格好の場所である。

これほど条件の整った場所はない。少し頭の回る者であればおかしいと思うはずだが、ジェントス王国の中で幾人かの馬鹿はまだいるのだ。

あれ程やり込められた相手にやり返す事等普通では考えないのだが、直接やりあっていない者達から見れば噂だけが先行したと勘違いをしている。それでも計画を知った者達は止めていた。説得をして辞めさせることに成功した者もいたが、一部の者達は計画を秘密にして進める事にしたのであった。それももっと大事な計画になっていた。ジェントス王国はミントにかかわりたくないと思っている、それを不満に思っている一部の貴族はグレーリ王国にジェントス王国を統合させようとまで話が大きくなっていたのである。


ジェントス王国内でアレクに協力するある貴族がアレクにその計画を連絡してきたのである。

ジェントス王国併合の話を聞いた時にアレクは呆れてしまった。

グレーリ王国も簡単にそんな無謀な計画に乗る筈がないとアレクは思っていたのだ。

所がグレーリ王国には今特殊な事情があった。王位の継承で揉めていたのである。王派高齢となり政務も行えない程に弱ってしまっている。

そこで王の子である3人の殿下が水面下で争いをしていたのだ。通常であれば長男が王太子である為に次の王となるのだがこの王太子ももう40代後半である。他の兄弟も40代であることから、王太子となっているがいい大人である。子も孫もいる立場になっている。それまで王太子、殿下とちやほやされてここまで来たために次の王となる野望が芽生えてきてしまったのだ。


グレーリ王国の王が王位を自身が健全なうちに引き継がなかったことが原因である。

何処の国でも次の王となる為に王位を巡って多少の争いはしている、だが表立っての争いまで発展する事はまずないのだ。国の権威が落ちる事と国力が落ちて他の国に攻め込まれることがあるからである。


今回の3兄弟の争いは能力が拮抗していたことも有るが3兄弟の子供が優秀であったことが3兄弟の争いに油を注いでいた。3兄弟の子供たちは非常に優秀で王の器を持っていると親は見ていた。そのために子に継がせてやりたいと思っているのだ。


親の贔屓目であるが普通より優秀であった。


3兄弟はジェントス王国を味方にしてともに歩もうとする王太子。ジェントス王国をのみ込んでしまおうと思っている次男と三男である。次男と三男は同じ考えだが共闘している訳ではない。独自に動いているだけである。

グレーリ王国では傭兵の募集が盛んにおこなわれていた。


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