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37話 あれ最下層?

迷宮11層


「これは、まずいですね。」

「迷ったな。」

「太陽が無いので位置もわかりません。」

「魔物も出ませんね。」

「よし、休憩するぞ。」

「えっ、休憩ですか。」

「迷ったら動くなだ。取りあえずだが。」


アレクは、ユリに指示を出す。

「ユリ、ファイヤーボールを上に向けて撃て。これを定期的に、繰り返せ。」


アレクは、遭難しているのであればこの11層ではないかと思う。

方向も何もわからなくなっていれば、目印になる物を造る。生きていれば、目印を頼りに此方に向かってくるのではと思っていた。ファイヤーボールは30分に1発づつ打ち上げられていた。


丸二日たった頃、遠くから声が聞こえてくる。

「おーーーい、おおーーい、誰かいるのかーー。」

声は段々と近づいてくる。姿が見えてくると雷電の斧のパーティーだ。

人がいるぞー、と騒ぎながら駆けてくる。

「あっ、これはアレクス様ではないですか。アレクス様も、出口が解からなくなったのでしょうか。」

「違うよ、雷電の斧の救助だよ。・・・迷ってるけど。」



雷電の斧は、11層に入ったが方向が分からなくなり迷い続けていたようだ。

アレク達と雷電の斧はこれからの事を話していた。

「考えはある。」

「あるんですか。」

アレクの考えは、迷宮には入り口がある。階段もある。壁もあった。建物の内部なのだならば壊せる。

この11層も太陽がない。建物の中なのだ。

階段で上から下りてきたのだから天井があるはずである。なら壊してしまえ。

通常の攻撃では傷も付かないだろう壁も魔動破を撃てばいけるだろうと考えた。

「魔動破を天井に向けてぶっ放すぞ。」

アレクはマジックバックから魔動破を取り出して調整を行う。いくら何でもトンネルをあけたような大穴には出来ないので、大きさを絞り威力を増すように調整をしていく。



「よし、撃つぞ。発射5秒前、4,3,2,1,撃て。」


バアゴオオオオオオオーーーン。


天井に向けて、放たれた魔動破は見事に天井を貫通した。

歓声を上げたアレク達であったがその直後に天井に引っ張られるようにあけた穴に吸い込まれていった。


「わぁぁぁぁぁ・・・」

「助けてぇぇぇぇ・・」

「ぎゃぁぁぁぁ」

「・・・・」

「ぎゃぁ-ー」


天井に空いた穴に吸込まれて穴を通過したら今度は空から落ちている。全員がそのまま落下していく。地上が見えてきたところでアレクは、他の落ちている人を風魔法を使いスピードを殺して落下の衝撃を抑えたのだ。


「いたたたぁ。」

「生きてるぞ。」

「死ぬかと思った。」

「いたああああぁ。」

「みんな生きてるみたいだな。」

「ここ、地上なのか。」


魔動破で出来たクレーターの中から這い出たアレク達は、周りを確認したが地上ではなさそうだ。

「上層階で石畳の空間はありませんでしたね。」

「全部調査が終わってないしあったのかもね。」


石畳には魔物の形をした絵が描かれていた。魔動破で消滅した魔物の痕なのだろう。

まわりに生きている魔物はいない。

空間を見回すと大きい扉があった。扉を開き中に入る。また空間になっておりその先に大きな珠があった。大きさは5メートルはありそうだ。

その大きな珠は半透明で珠の中が光っている。


「攻撃はしてこないようだ。」


少し様子を見たが攻撃も来ないので近づき珠の周りを確認したり、珠を叩いたり、触ったり、みんなペタペタ触っていた。



突然、アレク以外の全員倒れた。アレクの意識の中に何かが入ってきたのだ。

何かが入ってきたのは分かる。それが話をするわけでもなく何もしないのだ。だが何かをしている。

アレクは、何かに意識を集中させる。その何かは前にある大きな珠だった。

珠はアレクの情報・記憶を見ていたのだ。アレクは記憶の繋がった状態で珠に意識を集中する。

すると珠の情報を感じることができたのだ。


珠は迷宮と云われている存在であっだ。


この迷宮は、元々は違う次元にある世界に存在していた機械だ。

機械はその世界で亜空間に繋いで情報の蓄積、分析、収集・製造を一括で行う。スーパーコンピューター付きの工場なのようなものであった。

ところが亜空間につながっている時に事故が起きた。別次元の世界にあったそれはこの世界に飛ばされたのだ。

元はこの珠ではなく。他の珠から作り出された物の様だ。

元の飛ばされた珠は指示されたことを行っていた。色々な空間を繋ぎ、情報を調べ、蓄積して再現をする。実験工場だった。

珠は稼働するために魔力が必要だった。魔力を得るために、今のような迷宮の形になっていったようだ。魔力を持っている物から魔力の採取を行って稼働しているのだ。

珠のコンピューターもどきに意思はない。稼働する為に、魔力を得るためにこの形になったのだ。アレクは珠に指示を出す。自分の意識と珠を接続する。接続されると普通のパソコンの様に情報等が検索できるようになった。

迷宮内で活動すると魔力を珠に供給する。魔力を使い空間を製作できる。魔物も作成でき物も作成できる。



万能工場であった。

なので迷宮に魔力のある者が集まると迷宮は成長できる。



等々情報量は膨大で後で確認することにした。



アレクは帰り方を調べるとこの階層は最下層の50層だった。出口はなかったが空間を繋げることが出来るので地上と繋げ自分のみ出入りの出来るようにした。

アレクは、11層から何で50層にいるんだと思い、検索した。11層は中に入ると天地が逆転するのであった。だから入り口も、出口も見つけられなかったのだ。それを天井と思い破壊したが、実は床を破壊して最下層まで落ちたのである。


アレクは、他の人たちをみて回った。ただ気を失っているだけだった。

少しすると意識を取り戻したリック達と雷電の斧の人達に帰れることを伝え帰還することなった。


「取りあえず、一旦戻ろう。外の人たちが心配してるだろうからな。」


「「「「はい。」」」」


アレク達は、地上に戻ってきた。



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