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356話

レインはグリフォンに乗り各地を回っていた。


タスポの港へは久しぶりの帰還となっていた。


「レインお帰り。」

「ファーレス兄ちゃん、ただいまー。」

「レイン他の地域の様子はどうだった。」


レインはファーレスにこのタスポの港がいかに安全なのかを語っていた。タスポはシルバーウルフの縄張りがあり。タスポの周辺地域を守っているのである。シルバーウルフの縄張りには強い魔物たちは入ってこない、ゴブリンなどの弱い魔物たちは相手が強いか弱いかも分からないために縄張りに入ってくるがある程度強さの分かる者達は絶対に入る事はない。入るとしたら縄張りを奪おうとする者達であるがそれはシルバーウルフたちの餌になるだけであった。


「ミント王国の地域を見てきたけど難民が増えているみたいだね。かなり噂になっているみたいよ。」

「やっぱりかーー。」


そういまフロンティア大陸で開発ラッシュとなっている為に大陸中で人材不足が起きている。開発をしていないフロンティア大陸南部でも多くの商人たちが開発要員の募集をかけている。

金になる事は何でもやるのが商人たちである。ものすごい勢いで人を集めそれが噂に尾ひれを付けて人々に伝わっているのである。


「タスポにも来ているの?」

「そうなんだよ、交易船で来るんだよ。それも帰るあてのないやつらばかりだよ。まぁ多くは獣人達なんだけどな。ハーーーー。」


ファーレスは疲れ切っていた。このタスポに交易船と共に貧困層の獣人達が一家揃って押しかけてきているのだ。普通であればレリウスもファーレスも迎え入れてやるのだが数が多すぎるのだ。

大陸南部では多くの獣人達が奴隷化されている。それは開発に関わる為に商人や貴族達が奴隷として人夫を送り込むためである。1日一人幾らと開発業者は支払うために1人でも多く人を入れる事で儲ける事が出来るのである。

奴隷であればその金銭はすべて主人の物となる為にフロンティア大陸南部の商人や貴族達は貧困層を狙い奴隷狩りを行っているのである。

流石に開発している地域での奴隷狩りなどは起こっていないが、時間がたてばそれも怪しいものだろう。


「ようはみんな逃げてきていると言う事ぉー?。」

「そうなんだよ、タスポだけじゃもう振り分けられないんだけど。ルガー王国としたら国民になる人たちだから出来れば抱えたいんだけどね。急激な人口増加に住む場所と食料が追い付かないんだよ。日に1000人越えの人たちが陸と海から来ている状態じゃもうどうにもならないよ。」

「取りあえず父上に頼んでみたら。この間町を1日で作ったって言っていたじゃん。」

「でももうルガー王国となっているからな。国としての立場があるからな。」

「何言ってんの、ファーレス兄ちゃん、国なんて関係ないよー、困っている人を助けるんだから別にいいじゃん。」

レインの考えは単純だ。困っているから助ける。レリウスやファーレスも困っている人を助けると言う考えは同じであるが、ルガー王国という国にこだわっている為に、父であるSEオリオン王国に救援を要請する事に躊躇していたのである。少しの見栄があったのかもしれない。


ファーレスは急ぎ難民の為にタスポ近くで村を作る事をレリウスと共に考えた。できるなら産業を興し発展させることを視野に入れて頼むことにしたのである。

頼まれるアレクは嬉しそうにしていた。子供たちに頼られることがものすごくうれしいようであった。


そしてやり過ぎたのである。

レリウスとファーレスは難民として来る者達に住宅を提供して家賃を取り、いずれ農地を分割払いで買えるように計画していた。


所がアレクは村の住宅を作るところを町を作り農地もつくった。まだ此処までならよかった、少しだけやり過ぎたで済んだのだが、ここからがアレクであった。先の先を読むアレク。いやただ頼られたのが嬉しかっただけであった。


アレクは町に隣接するように迷宮を創ってしまったのだ。

レリウスの産業があればというボソッと漏らした言葉を聞き逃さなかったのだ。

この迷宮は50層にもなる中型の迷宮である。迷宮からとれる魔物も高額で売買される物をチョイスしていた。

初心者から中級者用の迷宮である。

フロンティア大陸ではまだ冒険者たちが少ない。アース大陸から冒険者ギルドのシステムが伝わってまだそんなに年月が経っていないために冒険者となって稼いでいる者が少ないのだ。

そこで手ごろな迷宮があれば初心者冒険者たちの育成にもなり、一大産地となる事も出来ると考えたのである。

実際にこれでルガー王国は飛躍することになる。人が集まり、物が溢れ、人々の生活に潤いを与える事となった。

このタスポ迷宮と命名された迷宮は混雑しすぎて入場制限までされるようになった。

アレクはそれを聞いて驚いていた。アース大陸にある迷宮都市でも入場制限などしたことがない。

アレクは少し勘違いをしていたのだ。冒険者たちにはランクがある。アース大陸では100人の冒険者がいれば半分上はベテランである。それだけ深層部へ潜れる者達なのだ。ところがこのフロンティア大陸の冒険者たちは100人いたら2,3人だけが深い所へ行けるだけであとは1層か2層でちょろちょろしているのであった。

入り口付近でみんなが固まっている為に混雑していただけであった。

その事を聞いたアレク完全な初心者用の迷宮を新たに造る事にしたのだ。街に二つの迷宮である。アレクの自治区以外ではタスポが初めて出会った。

初心者用の迷宮は30層からなる迷宮だが、全て初心者向けに造られていた。まず1層から5層迄を薬草などの採取層とした。6層から10層迄をゴブリンなどの弱い魔物の狩り場としたのだ。

11層からは徐々に魔物の強さをあげていった。20層では中ボス戦30層の最下層ではボス戦を行い。クリアできると最初に創った迷宮に行けるようにしたのである。最初の迷宮も改造して金になる魔物を多くしていた。たまにアレク特別作成の武器も出る事で大人気である。



「凄いなこんな町?都市?を創っちゃうんだからな。」

「レリウス兄、考えたら負けだよ。」

「そうだったなファーレス、俺たちは俺たちだもんな。」

「そうだよこれを利用して北部で一番栄えている都市にしようね。」



兄弟達が団結して繁栄させていく事を誓っていた。

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