34話 トンネル工事
翌日
リック小隊、マック小隊は迷宮調査に向かった。
「では、行ってまいります。リック隊行くぞ。」
「こちらも出ます。マック隊出るぞ。」
「気をつけてね~。」
リック、マックを見送った。
アレクは
「じゃぁ僕も出ますね。」
デリックはアレクがトンネル工事に行くのだと思っていた。逆方向に歩いて行ったのだ。
ガレオン号に乗り込もうとした時に我に返った。
デリックは「アレク坊どこに行く気だ。」
「マリア姉に迷宮発見の報告しないといけないので、一旦、戻ります。」
「確保ーー。」
騎士団は、乱れのない動きでアレクを確保していた。
「報告は、迷宮調査後です。トンネル工事に行きますよ。」
アレクは、腰に縄を付けられて工事現場に向かっていった。
アレクは、現場に着くと諦めて準備に取り掛かった。この準備は少し変わっていた。
何やら機械を組み立てているようだ。
「反対側は、まだ工事始めてないよね。」
「はい、こちらの位置が確定しないと始められない様です。」
「じゃぁ皆さん、この機械に魔力を入れてください。」
「師匠、この機械は何ですか?。」
「これは、魔力増幅制御機。まぁみててよ。」
作業員全員が魔力を入れ終わったのを確認したアレクはまた作業を始めた。
アレクは、地図を見ながら機械の位置取りを確認している。
「よし、この位置でOKかな。みんなーーこの機械より後ろに下がってね。」
アレクは、作業員達を後ろに下がらせ機械の操作を開始した。
アレクは自分の魔法、風魔法・火魔法・土魔法・水魔法を、機械の中に入れる。
「じゃぁ、魔動破いっきまーす。3・2・1・発射。」バゴーーーーーン まるで宇宙戦艦の波動砲のようだ。
アレクは、思った。ガレオン号の船首に、これ絶対付けたいな。
「おーーーすげーーーー」
「おおおぉぉぉーーーーー」
「おおぉぉーーーすげーー」
「穴の向こうから、光が見えます。」
「一発で、ぶち抜いたね。後は、トンネルの補強工事をおねがいしますね。」
その頃、反対側の南部では、凄い轟音と共に強い光が山の中から出てきた。その光は大森林の中に消えていった。
その後、補強工事中のトンネルを通り南部に来ていた。南部で話を聞いたアレクは、北部のトンネルはこちらから撃ってはいけない。
万一、オリオン領内に撃ちこんだら大変な事になる。ま・まずい。
アレクはさも知っていたかの様に。
「じゃぁ、機械を北部に運ぶよーー。」
北部に帰ってきたアレクは、怒られていた。
魔動破の件、迷宮の件、休憩が長すぎる件であった。
マリアに3時間怒られ、部屋を出た瞬間に怒られた事を忘れたアレクは、早速魔動破の準備にかかった。
お前の頭は鶏か。
「この位置しかないね。」
「そうですね、高さも問題なさそうです。中継地点の上は通りますがね。」
「かなり上だから大丈夫だよ。迷宮に影響が有ったら大変だしね。ここしかないよ。」
アレクは2発目も、完璧な位置に撃って成功させた。
1発目も2発目も丸く穴が開き、道路を平らにする作業が大変になったそうだ。
そんなことは知らないアレクは、山間の中継地戻りデリックに報告をしていた。
「これで、大量輸送ができるね」
「まぁ取りあえず開通はしましたから運ぶなら出来ますね。補強工事が終わってないので、気を付けないといけませんな。」
「あの魔動破は高熱だからね、かなり壁が固くなってると思うよ。平な道を作るのに外から土を持ってきて平に固めるように頼むね。」
「デリックぅ・・ガレオン号の点検で北部に戻るよ。」
「中継地では出来なのですか。」
「ドックがないから出来ないよ。オリオン領じゃないと整備ができないんだ。」
「分かりました、許可を出しますが何日で戻ってこれます。」
「船の状況にもよるけど、1週間ぐらい・・・・・と・・・・・・・・・・・・・2か月ぐらぃぃぃ。」
「1週間で、帰ってきてください」。
「あと3日、お願いします。飛行時間とかあるしさ。」
「では10日以内で戻ってきてください。必ずですよ。」ものすごい怖い顔をしているデリックであった。
「この山間の中継地はアレク様が責任者なんですよ。」
「そうだね色々と持ってくるよ。」
責任者=采配自由=自分の街と思ってしまった。アレクは機嫌がよくなった。
「中継地とトンネル間の道を作ってから出るようにするね。」
アレクは、道をつくる基礎整地を中継地からトンネルまで黙々と作業を行った。
やればできる子なのだ。
アレクは、ガレオン号に乗りオリオン領都に向かった。
領都に戻ったアレクは、仕事が出来る事をアピールするためにハロルドとマリアに報告をする。
自分がいかに手際よく仕事をした。他の人には出来ない速さで仕事をこなしたと。もの凄い勢いで、2倍ぐらい盛った話をした。
盛りすぎて領都の仕事をさせられそうになっていた。
「無理です。僕はこれからガレオン号の改造を遣らなければなりません。」
「どんな改造をするんだ。」
「えっとですねぇ魔動破を船首に取り付けをしまし、魔物が出たときにエネルギー充填・・120%と・・・・」
改造は中止になった。
代わりに飛行船を造らされていた。
トントン、カンカン、リンリン、と作業をして大型飛行船1隻、小型飛行船2隻を造り上げた。
「父上、この父上専用船、青いすい星号です。」空のような青色に塗装されていた。
「・・・・・・・・」
アレクは大満足であった。 自分だけは飛行艇なのだ。
自分一人で満足していたが、他の船の名前を決めないといけない。
結局は、大型船はオリオン2号、小型船は、各自が自分で名前を決める。小型船はハロルド専用船、カイン専用船となっている。
アレクの中では青いすい星号とカイン号だ。
アレクは、ガレオン号とカイン号で南部に旅立っていった。
10日はとっくに過ぎていた。