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332話

アレクとレインの模擬戦はレインがアレクに近づいたときに投げられて終了した。

レインは気絶してアレクに治療魔法をかけられた。


その後にレインはミント家の100人と模擬戦を行い、見事に全員を倒したのであった。


ミント伯爵は茫然としていた。アレクが強い事はなんとなくわかる。強者の雰囲気が漂っているからだ。いくつもの戦場を経験した独特の雰囲気なのだ。このフロンティア大陸でも何人かがその雰囲気を持つものがいる。いずれも名の知れた強者たちである。

だがアレクの子であるレインにはそんな雰囲気が全くない。ただの子供である。

それがいざアレクとの模擬戦になったとたんに雰囲気ががらりと変わったのである。

人の動きとは思えないような速さで魔法を放ち、剣を振るう。11,2歳の子供の動きではなかった。


その後の伯爵家の家臣たちの100対1人の模擬戦でも子供が勝ってしまった。

ミント伯爵は夢でも見ているとしか考えられなかった。




アレクは、ミント伯爵領にレリウスたち兄弟を呼だ。




その間にミント伯爵と相談をして、ジェントス王国に対して使者を送る事にしたのである。使者はアレク隊の者とミント伯爵の家臣から選抜され事実上の独立宣言をするためである。

ここにきてミント伯爵も腹を括ったのだ。ジェントス王国に対して思う所はあるが、領民の為、元の領民たちを救うために勇気を奮い立たせていた。



数日のうちにレリウス、ファーレス、オスカーが到着した。レリウスたちがミント領に行くと分かった時にマリアーヌとマルティナの二人が大騒ぎをした。自分たちも一緒に行くと言い張ってミント家に行くのが1日延びたのであった。

レリウスはマリアーヌにこれから結婚する家で妻が戦闘している所を見せるのは今は拙いと説得したのである。ミント伯爵家の家臣たちの手前もある。この時期に戦に出る事は拙いと説得したのである。マリアーヌが行かないのであればマルティナもいけない。二人はタスポの港を守る事になったのである。

不満の二人にはあとで戦場を用意するとレリウスは勝手に約束していた。これがのちのレリウスを苦しめる事になるとはレリウス自身全く予知できない事である。



アレクと子供たちの5人はミント伯爵家の者達と作戦会議をしていた。


ジェントス王国への使者はもうそろそろ王国についているはずである。王国に対してミント伯爵家は、これまでの伯爵家に対しての扱いを非難した文章を王国へ突き付け旧領地へ変更を申し入れたのだ。


ジェントス王国はこんな事は受け入れる事等出来ない。ジェントス王国が伯爵家に対して色々な事をしてきたのはもう10年も前の事であり、ジェントス王国としたら終わった事であった。

今更、10年前の事を言われてはいそうですかとはならないのである。


ジェントス王国内でミント伯爵家の言いがかりは貴族達のジェントス王国への不満を解消する材料となっていた。

今のミント伯爵家にはこれといった資産はもうないが貴族達に武勲を立てさせるいい機会と思わせていた。

ジェントス王国の者達は大きな勘違いをしている。使者に同行している。SEオリオン王国の者達にまで罵声や嫌がらせを行ったのである。これはミント伯爵家の者と勘違いであったが、ジェントス王国で名乗りをきちんとしていた。

SEオリオン王国もジェントス王国への親書をこの時一緒に渡していたのだが、ミント家の事でSEオリオン王国の対応が出来なかったのだ。これはアレクの策であった。SEオリオン王国はこれで当事者となったのである。

SEオリオン王国はジェントス王国とミント伯爵家の仲裁を申し出ていたのである。一国の王が仲裁に入り何もなかったと言う事はSEオリオン王国がメンツをつぶされたと言う事になる。戦争の当事者になるには十分な事である。

ジェントス王国の重鎮たちはSEオリオン王国やオリオン王国連合の事をきちんと理解していなかったことがこの対応となってしまった。

この惑星アースでオリオン王国の事を知らないと言う事は田舎なのだ。港ももないフロンティア大陸のまん中に位置するジェントス王国は国外の情勢にかなり疎い国であった。精々が隣国の噂や同行を調べるぐらいであった。


ジェントス王国への使者は全員無事にミント領まで帰る事が出来た。帰りに何度か襲撃にあったがアレク隊の者達が同行している為にすべて撃退していた。

ジェントス王国へ対しての返答を持ってきた使者は役目を果たしたのだ。

同時にミント、オリオン連合対ジェントス王国の構図が出来上がったのだ。アレクとしてはこじつけのようなものであるが大事な娘の嫁ぎ先であるために多少のこじ付けは仕方のない事としている。


「ミント伯爵、あとはレリウスたちの任せてもらえるだろうか。」

「よろしいのですか、レリウス殿達はアレク殿の御子でしょう。大事な御子を戦争の最戦線に送り出して構わないのですか。」

「アハハハ、戦争にもなりませんよ。今回はうちのアレク隊もレリウスたちを補佐しますから。」

アレクの後ろに控えている、アレク隊の面々は無表情であった。いくつもの戦場に出ているアレク隊の者達は今回のジェントス王国との戦争はあまり出番がない事を理解していた。今回の主役はレリウスたち兄弟の4人である。かつてのアレクとカインの役割をレリウスたちが行うのである。それにドラゴン、グリフォン、シルバーウルフたちがいるためにアレク隊の者達は警備ぐらいしか役割がない事を理解している。


アレクはレリウスたちに作戦から考えるように指示をしていた。

これは今後レリウスたちの経験とするためである。多少のやり過ぎは黙認する事にしていた。アレクの父であるハロルドにはアレクが怒られることにしたのだ。


ミント伯爵は旧領の領地を取り戻す事を目的にしている。基本は旧領なのだが、レリウスたちは旧領を取り戻した後の事を話し合っていた。

ジェントス王国がミント伯爵に対して旧領を取られて黙っていることはありえないからである。

レリウスの手配した商人からの報告ではジェントス王国は貴族達から兵を集結させていることが分かっている。ジェントス王都に集結した軍はミント領に向けて出てくることは分かっている。

レリウスたちは敵軍の動きを計算に入れて戦場を設定することにしていた。自分たちが戦いやすく、民に被害が出ない場所を戦場とするのである。

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