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324話

僕はグラムット帝国の田舎の村にお世話になっている。この村は小さい村だ60人ぐらいしかいない人間の村。だけど僕は狼族の15歳だ。あと妹がいる13歳だ。それはもうかわいくてかわいくて一日中撫でていられるほどかわいい。

今お世話になっているこの村は、はっきり言って貧しい村だ。だけど僕たち兄妹を養ってくれている。そう僕たちには親はいない、病気で数年前に死んでしまった。

それでもこの村は僕たちを養ってくれている。村長さんも村の人たちもとてもいい人だ。


そんなある日、この村が襲われた、僕と妹は川まで魚獲りをするために二人で村を出ていた。魚を獲って夕方前に村へ帰ろうとした時に村から悲鳴が聞こえてきた。

僕は妹を近くの洞窟に置いて、村へ様子を見に行った。そこに盗賊が村を襲っていた。僕は足がすくみ動く事が出来なかった。遠くの草むらから村の様子を見ていると、村の人たちが盗賊に掴まり村の食料、物を取っている。


僕は恐怖で固まってしまった体を何とか動かしその場を離れた。妹の所まで戻り妹に村の事を説明した。妹は僕に村人たちを助けようと提案する。だけど僕は村を襲う大きな男たちを見ている。あんな大男たちに敵うわけがない。

僕が黙っていると、妹は一人で洞窟を出て行ってしまった。僕は慌てて妹を追いかける。

妹は一人で村人を助けようとしていた。僕は一生懸命に妹に大勢の男たちがいる事を説明する。

妹は僕の話を聞いて、僕と村の様子を見に行くことを提案してくる。僕も村の事が気になっているので妹と二人で村を偵察に行く事にした。


村にはまだ盗賊たちがいる。村人たちは村の中心に集められている。簡単な策で周りを囲い見張りがいる。


妹は何か考えているようだ。


僕には二人で村人を助ける事なんて出来るわけがないと思っている。

だけど妹は違うようだ、何かブツブツと言って考えを纏めているようだ。



僕と妹は真夜中までじっと待っていた。盗賊たちが寝静まるのを待っている。盗賊たちは村人たちをどうするのか奴隷にでもするのか殺されていない。

奴隷はグラムット帝国では禁止になっているはずだけど。違法奴隷がいる事を僕は知っている。

村に来る商人の人がいしえてくれた。


「お兄ちゃん、一度だけのチャンスだよ。いい大丈夫。」

「だ、大丈夫だよ、うまくやるよ。」


盗賊たちは村長の家で寝ている。囚われた村人たちは広場に集められている。その見張りは2人しかいない。この2人を倒せれば村人たちを助ける事が出来る。

僕は狼族だ、人間より速く動ける、力も強い。出来る出来る、絶対に出来る。僕は自分に暗示をかけるように一人で呪文のように呟いていた。

すると妹が僕の手を取り「大丈夫だよお兄ちゃん、お兄ちゃんは誰よりも強いんだから。」

僕は妹から勇気をもらった。誰が何と言おうが僕は強い。強いんだ。

僕は妹の指示に従い気配を消しながら、見張りの一人に近づく、この見張りは酒を飲んでいたのか半分寝ている。

後ろから近づき短剣で見張りの喉を切り裂く、見張りは声も出せずに死んで往く。後もう一人僕は素早くもう一人に近づき、見張りの男の顔を思いっきり地面にたたきつける。男は頭を強く打ったのか気を失っている。僕は素早く男に短剣を突きさして殺した。


囲の中に入れられている村人たちに僕は小さな声で、「みんな助けにきたよ。」


村人たちは真夜中にもかかわらず寝ている者はいなかった。みんな息をころして周りの様子を見ていたのだ。

僕はすぐに柵をとり村人たちが出れるようにした。

村人たちは静かに一人一人出ていった。村の外には妹が待っている。


そこからは真夜中の道を村人全員でひたすら走った。朝になれば盗賊たちが気づき追って来るからだ。


翌朝、日が昇って少したった頃に隣の村に着いた。村長が隣村の村長に事情を話、村の中に入れてもらった。

村人たちはもう疲れ切っていた。僕ももう限界だ。


隣村の人たちもやさしかった。僕と妹に食事をくれた。


村長とこの村の村長は盗賊の事を大きな町に知らせるために誰かを伝言には知らせたようだ。夕方には騎士の人たちが到着していた。


僕は昨日のことを色々と聞かれたが、うまく答える事が出来なかった。代わりに妹が答えていた。情けない。


それから僕と妹は、騎士たちが捕らえた盗賊たちの報奨金を貰った。

大きな町まで連れてこられてもう大変だった。

だけど初めてのお金で色々と買い物をした。ほとんどが妹の物だった。


僕と妹はここでお世話になった村の人たちと別れる事になった。僕たちは冒険者になる事になった。


僕はまた村に帰って手伝いをしようとしけれど、妹がこの町で冒険者をやると言い出した。


僕は妹頭がいい。妹はいつも正しい。




それからはもう妹の独壇場だった。冒険者になりこの依頼、あの依頼と次々とこなし生活が一気に楽になっていった。


数年後にこのグラムット帝国で内乱が起きた。


僕と妹はこの町を出ていった。内乱が激しくなることを妹が予想して帝都に行く事を僕に進めてきたからだ。

僕と妹は帝都まで来て、内情を探っていた。何方に着けばお金がもうかるかを妹が考えているからだ。

僕は妹には逆らえない。妹はいつも正しいから。


帝都の噂だと貴族達が勝つと言っている。だけど妹は逆だった。


妹は一人でどこかに交渉に行っていた。いつもそうだ妹は結果を僕に伝えるだけだ。


僕は妹の指示に従い色々とやった。もう大変だったこんなに人使いの荒い妹は久しぶりだった。妹も忙しそうに動いていた。だけど疲れているようには見えない、不思議だ。


そして内乱は呆気なく終わった。


絶対不利と言われていた。皇帝が勝ったのだ。



そして僕と妹は今皇帝陛下の前にいる。


よく分からないが妹は皇帝派にものすごく貢献をしたみたいだ。おまけで僕も呼ばれた。



だけどおまけでは無かった。僕と妹は貴族になった。

騎士爵と言う爵位を貰った。僕は貴族はみんな一緒だと思っていたけど違った。貴族の中でも色々とあるみたいだ。

もう妹に全部任せる事にしたら妹に怒られてしまった。



僕と妹はあの盗賊に襲われた村を領地として貰った。土地は広いが廃村になった村の跡地だ。


妹は帝都で村人を募集していた。僕は妹の指示に従いロボットのように操縦されている。もう寝る暇がないぐらいに忙しい。

グラムット帝国内で難民となっている。多くの獣人達と小数の人間を連れて廃村で新しい村おこしをしている。


僕は村の開拓を頑張っている。妹は事務仕事をしている。



妹は頭がいい。何故か村人たちも妹には逆らわない、みんな妹の指示に従って動いている。

以前は60人ほどの村が今では200人を超えている。


まだまだ発展しそうな雰囲気がある。



僕はこれからも妹の為に頑張る。





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