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314話

アクラーは敵軍に向かい駆けていた。真正面には反乱軍の騎兵隊がアクラーに向かい走り出していく。騎兵隊約20騎がアクラーに向かっていく。最初の騎士がアクラーに向かって槍を突き出すが、アクラーはその槍をつかみ逆に引っ張った。勢いで槍を突き出した騎士は槍ごと引っ張られ落馬してしまった。運悪く受け身もとれずに頭から落ちて絶命してしまった。だが他の騎士はそんな事はお構いなしに、アクラーに向かって槍と剣を振り下ろしてくる。

アクラーは軽くジャンプすると騎士の首を跳ねる。死んだ騎士を足場に次々とはけている馬に飛び移り騎士たちの首を跳ねていくのである。

後からくる騎兵や歩兵たちはアクラーまで来るスピードが明らかに落ちている。

指揮官らしき者が叫んでいるが一向にスピードが上がる様子がない。アクラーが殺している騎兵たちはこの軍の最高戦力であった。それを何でもない様に殺していくアクラーを目のあたりにして歩兵共は臆してしまった。

いくら指揮官が「かかれー。かかれー。」と騒いでも腰が引けている兵はアクラーから離れるように走っていくのである。これにはアクラーも追いかけなければならない。アクラーの目的は敵軍の殲滅である。真正面の軍が二つに別れてしまったアクラーは右か左か悩んだが両端には小型艦がいるために問題なしと判断をした。

アクラーはそのまま真正面に前進していった。アクラーを避けている兵たちは奥に行くにつれて避ける動きが遅くなっていく。アクラーはやっとまともに敵と剣を交える事が出来るようになった。丁度敵軍のど真ん中の位置であった。

周り中が敵、敵、敵である。アクラーよりかなり弱い敵であるが数が違う、一瞬の油断が致命傷になるのだ。

アクラーは360度の視界があるかのように後ろの攻撃も避けている。


一時的にアクラーへの攻撃がやんだ。敵軍の兵たちがアクラーの強さに完全に怖気づいてしまった。

アクラーはこのままではまずいと思い。疲れているふりをした。肩で息をしている様に大げさに疲れたふりをしていた。その大根役者ぶりはもしアレクやカインが見ていたら大笑いをされていたかもしれない。幸いに二人はいない為にアクラーのオスカー俳優並みの演技を疑う者はいなかった。

敵も冷静であれば突然疲れたふりをされれば見破るだろうが戦場での興奮と恐怖状態であるために自分たちの希望、自分たちの願望がアクラーが疲れたと思わせたのであった。


敵兵たちはここぞとばかりにアクラーに向ってきた。


アクラーの演技が成功したのである。それからのアクラーは疲れているふりをしながら剣で戦った。

一人一人斬り殺していった。

敵は勝てそうで勝てない状態になり撤退する事も出来なくなっていた。そのままアクラーを囲んだがその外側から小型艦とアクラー隊の者達が取り囲んでいた。

もう反乱軍の勝てる見込みは無くなっていた。小型艦より機関弾が放たれ死んで往く。隙を見てけしかけようとしている兵たちも小型艦尾間を埋める兵たちに殺されていった。

5万もの反乱軍は2時間でほぼ殲滅されてしまった。


「アクラー様、敵軍の将らしき者を捕らえておりますいかがいたしましょか。」

「死んでいなかったんだな。どこかに隠れていたのだろうな。仕方がない一度会わなければなるまいな。」


アクラー隊陣地指揮官テント


アクラーのテントにいま敵将と思われる男がいた。

「私は、グラムッ・・」

「あー、お前は名乗らなくていいぞ。どうせ死ぬのだから興味がない。」

「な、何を言っている。捕虜の扱いも知らんのか。」

「お前は捕虜ではない。反乱者だ反乱した者は全て殺す。捕虜などいない。」

「ででではななななぜ私を捕らえた。」

「お前自分で投降してきたようだな。部下からの報告にそうあるぞ。」

「わわ私は戦って捕まったのだ。」

「どちらでも構わないどうせお前は処刑だ。」

「なな何で殺さなければならないんだ。」

「当たり前だろう、グラムット帝国に対して謀反をおこしたのだ。」

「何を言っている私たちはグラムット帝国の兵だぞ。」

「お前は騙されているようだな。上は誰か知らんが。お前たちは反乱軍そしてグラムット帝国への謀反人だ。」

「・・・・・・まさか。」

「まぁ騙されたからと言って助かる事は無いだろうが理由もわからずに殺されるのも嫌だろう。教えてやる今回はグラムット帝国が帝国内の反乱分子を削除するための自作自演だ。」

「ま、まさかそんな事があるわけない。わ私は皇帝に忠誠を誓ったのだ。」

「皇帝とは誰の事を言っているのだ。」

「何を言っている我らが神である皇帝陛下とはスペルシス2世ではないか。」

「お前たち矛盾してないか、グラムット帝国の皇帝はグレイークス・グラムットだぞ。」

「グ、グラムット帝国のつ次の皇帝がスペルシス2世なのだ。」

「話にならないな。グラムット帝国の皇帝が神としている者達がグラムット帝国の皇帝を殺そうと反乱を起こしているんだからな。」

「・・・・・・・・」


アクラーは反乱軍5万の内武器を捨てた者達を一時的に捕らえていた。その数7000人にも及んでいた。殲滅する予定だったが武器を放り投げ両手を上げて投降してきた者達であった為に殺しそこなってしまった。

アクラーの兵が敵兵の投降を認めてしまったために次々と投降者が現れ7000もの人数になってしまったのであった。

反乱軍は全て殺すことになっている為に処刑になる事は決定している。


後日アクラーは近くの町で公開処刑を行った。

グラムット皇帝を殺そうとした反乱軍として処刑したのであった。


他の地域でも同じような事が起こっていた。

反乱を起こした者達は純粋に神と思い戦った者も大勢いたが大半は乗せられて反乱を起こしたのだ。特に高位の貴族が乗せられて反乱を起こしていた。皇帝崇拝者たちは自分達の望む皇帝が神であった。

現状は死亡しているがグレイレークス皇帝より、スペルシス2世の方が過激派崇拝者には望む神であった。

純粋に皇帝を崇めているだけであればこうはならなかった。過激派崇拝幹部は皇帝を神としていたが実際は権力欲に魅了された者達であった。

平民の過激派たちは次期皇帝予定であったスペルシス2世に貴族位を約束されたものが多くいたようだ。


後日の調査によって明らかになった事実は全て公開された、これはグラムット帝国の皇帝崇拝を衰退させる目的の為にグラムット帝国が行ったのであった。

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