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30話 大森林の外へ

アレクはガレオン号の甲板にいた。


「アレク隊長、発進の準備が整いました。」

「よし、出るぞ。」


今回の調査は、大森林周辺の調査だ。

オリオン領を出発し山脈を抜ける。山の峰にでたら大森林を右手に山を左手に進む予定だ。大森林を抜けたら時計回りに調査していく予定となっている。


アレクを隊長とした総勢22人の部隊となる。


隊長をアレク、副隊長をユリ、小隊長リック以下9名、小隊長マック以下9名の人員だ。

この隊員達は、皆孤児院の出身者で構成されている。

リック、マック、ユリは今回の調査任務を特に張り切っている。


この調査隊全員は全員が魔法を使えるメンバーだ。


山間を抜けている途中。

山と山の間に、平地と湖が見えてきたのだ。


「こんな場所があったんですね。」

「きれいな景色ですね。」

「空からじゃないと分からないですよ。」

「場所の記録と地図をつくってくれ。」

「はい、作成しておきます。」


景色を眺めながら山間を抜けて左方向に舵と取る。

左手に山峰、右手に大森林をみながら進んでいく。


「何にもないですね。」

「暇だな。」

「昼ご飯まだかなーー。」



しばらくすると山峰は真っすぐに大森林は右に曲線を描くように曲がっている。

その合間から草原が広がっているようだ。

船は大森林の縁をなぞるように右に少し舵と切る。


「何にもないですね。」

「ないな。」

「夜ごはん、何かなーー。」


夜になると何も見えなくなる。日が暮れる前に草原に着陸し夜を明かす準備に入る。

大森林を少し離れて草原に着陸する。


「今日はここで停泊するぞ。」

「日が暮れる前に、食事をとり夜は交代で見張りだ。」「総員、掛かれー。」



「前方、10時の方向に狼の群れを発見。」「大森林方向に向かっています。」

大きな声で見張りが報告してきたのだ。


「右手に大牛がいますね。」「あれを襲うのではないでしょうか?」

「そうかもね。」


しばらく眺めていると狼はトップスピードになり二手に分かれ大牛の群れを囲うように接近してる。

牛も狼の接近に気づき逃げるが狼のほうが足が速く、両端後方の数頭が餌食になっていた。


「凄いな、初めて見た。」

「魔物の狩りって迫力ありますね。」

「あの狼、魔物なのかなー。」

「あんな大きい狼いませんよ。絶対魔物ですよ。」


「こちらには来ないようだね。」「見張りを密に行うようにな。」


夜は何度か魔物が通ったが船が大きいため通り過ぎただけだった。


そして、夜も明けるころ離陸である。


離陸してばらくした頃。 


「前方に煙、発見。」


「遠くてまだわからないな。」「速度を上げるぞ。」


大森林から離れた場所に平原の中に城砦都市があった。


「城砦都市が魔物に襲撃を受けているようだな。」


「街が、襲われているようですね。」

「助けるか。」「総員、戦闘態勢に入れ。」「本艦は、魔物後方より侵入し、魔法にて攻撃。」

「2時の方向に進むぞ全速前進。」



「よし、うまく周り込めたな。これより低速にて突入する。」

「各自、地上に向ってぶっ放せーー。うてーーーーっ。」


恥ずかしい詠唱を唱え攻撃する者、無詠唱で攻撃する者。隊員たちは自分の出来る魔法をぶっ放していた。

「5,600はいますね。」

「上空、100メートルに停止する。停止後、隊員は前方に各自最大級の火魔法を展開維持しろ。」


「総員、放てーーー。」


各隊員の火魔法は船の前方の魔物に攻撃をした。船は上空にゆらゆらと停止状態している状態である。そこにアレクが風魔法を展開し、炎の竜巻を造り出して魔物を巻き上げながら燃やしていった。


「すっすげぇ。」

「俺たちがやったのか。」

「凄い、」

「なっ、なんだーこれ」


半数の魔物を燃やしたが広範囲に魔物いるためにまだ数百の魔物が残っている。

アレクは、船の先端に立ち小声でサンダーレインと唱えていた。

空から魔物に向かって雷の雨が降りそそいだ。

その攻撃は、一切の音もなく一瞬の光だけがあった。

残りすべての魔物は、横たわり絶命していた。


アレクはやり切ったと。どや顔をしてすましてた。褒めて欲しかったようだ。


凄すぎて誰も何も言えなかったのだった。   少しシュンとしていた。



「よし城塞都市に近づくぞ。」


ガレオン号は、ゆっくりと進み城塞都市の城門上空に向かい、上空にて停船した。


「拡声器を貸せ。」「えーーー我々は北の山を越えてきたものでーす。この町の責任者はいますかー。」




城塞都市側は、慌てていた。


魔物の襲撃を受けて撃退も出来ずただただ耐えていたところに、空飛ぶ船が来て勝手に魔物を殺戮したのだ。空から攻撃されたらこの都市が危ないと思っているのであった。

一瞬で魔物を殲滅できる攻撃方法を持っているのだ。城砦都市はどうにもできない。


城塞都市の領主ゲートル男爵は急いで城門に向かった。



一時間後


「私がこの城砦都市の領主のゲートル男爵だ。」

「我らは山を越えて来た。オリオン伯爵の調査隊です。話がしたいのです。」

「代表者のみを城砦都市に入場を許可する。」


「船を着陸させるぞ。着陸後、ユリ、リック小隊は降船、マック小隊は船の警備せよ。」

「ユリ、リック小隊いくぞ。」


アレク、ユリ、リック小隊は降船した。

降船したアレクをリック小隊が護衛する。アレクは護衛を引き連れて城門に向かう。


「お初にお目にかかります。オリオン伯爵が子、アレクス・オリオン準男爵です。この調査隊の隊長をしています。」

「お初にお目にかかる。城塞都市ゲートルの領主。オースト・ゲートル男爵だ。」


城門が開きゲートル男爵とアレク一行は城砦都市ゲートルに入っていった。


ゲートルの街は、静まり返っていた。空飛ぶ船が魔物を蹴散らし都市上空に留まっていたのだ。

いつ攻撃されるか様子をうかがっているのだ。

アレク一行は、街中をキョロキョロしながら興味深く廻りを見ていた。

都市の住人達も、アレク一行を興味深々に見ていた。


そんな街中を通り、この城砦都市の城に案内された。


「改めて、アレクス・オリオン準男爵です。」

「こちらこそ改めましてオースト・ゲートル男爵です。早速ですが、今回の魔物、撃退をしていただき感謝しています。」

「大したことはしていません。」

ゲートルは悩む。この言葉が謙遜か牽制なのか。

「いえ、大変助かりました。調査隊とお聞きしましたがどのような調査ですかな。」



アレクとゲートルは、貴族らしく本音を言わない言葉の応酬をしていた。



山脈より南にある。この場所がどのようになっているかを調べ来た。

友好的であれば友好を。敵対すれば攻撃を。

ゲーテルはあんな攻撃力のある相手に敵対など出来るはずもなく。

ゲーテルは屈辱的であった。こんな子供に強く出れないのだ。

アレクは強気でゲートルを攻め友好を結ぶ話になった。



「一度、船に戻り明日また話し合いましょう。」

「そうですな、明日また話しましょう。」

「そうだな。明日は我が艦にご招待しましょう。中をご覧に入れますよ。」

「そうしましょう。」



二人は、にこやかに握手を交わした。








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