3話 うまくいった
家族会議
「アレクが、とんでもないものを作ってしまった」
「アレク、また何かやったのか」
「レオン兄さん、僕は何もやってません。マジックバックを作っただけです」
「・・・・・・・・・・」
数秒後、母・ルドルフ兄・レオン兄・マリア姉・イリア姉・カイン兄の父以外が、スッと席を立とうとしていた。
「まっ、まて。これは家族みんなの問題だ。こんなものが作れるとわかったら大変なことになるぞ」
「大丈夫です父上、僕は考えました。弱小貴族で力がないから狙われるのです、力のある所に頼りましょう」
「王家に、献上しましょう」
それからは、作戦会議だ。
王家と有力貴族に利権を与え、自分たちの利益確保はどうするのか。
等々、カンカン、がくがくと話し、父とルドルフ兄の2人が王都に行くことになった。
「では父上、南部の盟主シュターデン侯爵を頼り、王家に献上でよろしいでしょうか」
「そうだなルドルフ、シュターデン侯爵にはマジックバック2つ、王家には5つでいいだろう。」
それから家族総出で、献上用の見栄えの良いバックと女性用のバックを作り、父とルドルフ兄はシュターデン侯爵領に向かった。
父と兄が交渉の為、苦労している時、アレクはのほほんと暮らしていた。
それから2か月、父と兄が幌付きの馬車2台と共に、帰ってきた。
「父上、兄上、おかえりなさい」
「おう、今帰ったぞ、結果はこれだ」
父は親指で馬車の荷台を指す。
「さすが父上、うまくいきましたか」
父と兄が苦笑いをしている
「詳しい話は、中で話そう」
「献上は成功した、いや上手く行き過ぎた。」
「ちょうど王家が困っていてな。西方にあるフレシア王国に嫁ぐために、魔道具を探していてな。タイミングがよかった」
「上手く行き過ぎたとは、どういうことでしょうか?」
「それはな、男爵に爵位が上がった」
「「「 おめでとうございます! 」」」
「うむっ、まずは成果からだな。性能を落としたマジックバックを王家のみに売る。そして販売できるのはシュターデン侯爵領と王都のみだ」
「計画通りですね。家で販売なんかしたら、上位貴族からの圧力で潰れてしまいますよ」
「まぁ、そうだな」
「シュターデン侯爵はいい盾になるでしょう。同じ南部というだけで利権が入ったのですからね。」
「この資金で、農地を広げ、家畜を買いましょう。あと、そうですね従士を増やしましょう」
「従士は10人新しく召し抱えた。ルドルフに仕事は割り振らせる、私の補佐だな。レオンは街道の整備をカインは領内の警備を、エレメルとマリア、イリアは女性用バックのデザインと作成を、アレクスは農地開拓の指揮をとれ。」
「これから忙しくなるぞ、みんなたのむぞ」
「「「「はい」」」」
異世界で生きていくにはどうすればいいのでしょうか。~無能スキルが優秀なスキルにおまれ変わりました~
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