284話
「アレク、イスパス王国はどのくらいで持ちそうなんだ。」
「そうですね、今はイスパス王国が分裂しようとしています。双方ともに建国準備をしているようです。」
「内戦しているのに建国なんてできるのか。」
「出来るのでしょう。ですが表面だけですね。」
「そうだろうな。」
「出来たら建国する前に潰したいですね。イスパス王国である時に潰しておかないと面倒ですからね。」
「ではすぐに戦争となるか。」
「そう言えばイスパスには王女がいたな。」
「父上、そうなんですか。」
「まだ成人したてだが、聡明だという噂だぞ。今回の内戦にも参加せずに城に籠っているようだな。」
「そうですか使えますね。その王女に旗頭になってもらいましょう。王女が王子たちを倒し内戦を終わらせるんです。」
「どこかの演劇になりそうな話だな。」
「あとでこじつけ出来ますから、王女には事後承諾でいいでしょう。」
「そうだな王がいないと困るからな、その王女でいいだろう。だが王女に統治能力がなかった場合はダメだぞ。」
「分かっています。王女には会って一度話をします。どこかの貴族のひも付きになっている場合もありますからね。」
「アレク、マクシス王国にはどう攻めるのだ。」
「今回はマクシス王国の王子3人を捕らえます。そして民の前で処刑します。」
「荒れそうだな。」
「それは仕方ないですよ、あとは王女の手腕にかかっていますね。」
「他人事だな。」
「ええ他人事です。荒れた国を立て直すことは並大抵の努力ではないでしょうから。」
「女王の補佐を考えておかなければいかんな。」
「そこは父上にお任せいたします。」
アレクはマクシス王国の王子達を捕らえるために行動を起こした。
アレクが第一王子、第二王子を捕らえ、カインが第三王子を捕らえる事となった。
また大量に減る予定の貴族達の補充をルドルフとハロルドで各地に手配する事となった。レオンは併合したハルノールからも人を出せるように手配をすることとなった。
今アレク艦隊はガレオン号、中型艦6隻、空母4隻、小型艦40隻と大規模になっている。その中でアレクはアレク隊を第一王子、空兵隊に第二王子の確保をさせる事にした。
アレク隊には中型艦2隻と空母2隻、小型艦10隻、空兵隊には中型艦2隻と空母2隻、小型艦10隻を付けて各城へ強襲させることにしたのだ。
後の艦隊は各都市を攻略させることにした。今回はアレクは戦闘には参加せずに指揮をとる事になった。
アレク隊と空兵隊の実力はオリオン王国連合でもトップの実力者である。特にアレク隊は頭一つ抜け出ている。
「アレク隊長、では行ってまいります。」
「王子の確保を最優先にな。」
「はい分かっております。」
「アレク司令官、空兵隊も出ます。」
「頼むぞ。」
「残りの艦隊は各都市の攻略に向かえ。ガレオン号と中型艦はこの場で待機とする。」
「はっ。」
第一王子の確保に向かったアレク分隊は第一王子の立てこもる都市の城を強襲した。そこには支援する貴族と2万の兵がこもっていたがアレク隊500はなるべく兵は殺さないようにしていた。指揮官らを殺して兵たちには降伏を勧めていた。兵たちもやりたくもない戦闘であったようで指揮官が死ぬとすぐに降伏に応じていた。降伏した者達は一か所に集め武装解除をさせた。
アレク隊の者達は城内にいる王子を探すが中々見つからず、半日たっても見つける事が出来なかった。
場外に逃げている可能性もあるために都市全体の捜索を開始していた。
いくら探しても王子は見つからなかった。焦りの出たアレク隊であったが意外なところから解決していった。
降伏した兵の所属と地位などを確認していた隊員から、おかしな者達がいると報告が上がったのだ。
妙に横柄な態度と、所属が不明な点と周りの兵はその者達の事を誰も知らないのである。
その者達を別室へと移し尋問をしていく。
その3人の者達は、所属は王都の募集で来たので分からない。配属前と言っている。
王子の外見の特徴を確認したところまず間違いなく王子であるが、本人が認めないのである。
「私はアレク隊副隊長のトリックだ。あなたは第一王子ではないのですか。」
「・・・しらない。」
「そうですか残念です。よし拷問を始めるぞ。」
「ご、拷問だと、兵にそんなことをしていいのか。国際問題になるぞ。」
「ならないですよ、一般兵は平民ですから、ただの戦死扱いです。気の毒ですがうちに拷問専門の者がいます。まぁ爪をはがされ指の骨を全て折られるぐらいですから耐えてください。よし、まずは一番頑丈そうなものから行こう。」
3人の内一番ガタイの良い者が王子とみられる者の前に連れてこられていた。椅子に座らされ縛られていく。
それは肉体苦痛の極限であった。まずは爪をはがされ、指を折られる。拷問官は質問をするが口を縛られている為に喋れないようになっている。質問をして答えないと指を折っていく、爪のはがれた指は痛い。物凄く痛い。でも喋れない。拷問官は「王子はどこにいる。お前は誰だ」の質問をするが、その者は答える事が出来ない。手足の爪と指がすべて折られ、治療魔法ですべて治していく。
拷問官は、それを見ていた二人に次はどちらがいいかと尋ねる。だが二人は何も答えない。拷問官は拷問されている者に二人はお前を拷問しろと言っていると伝える。
「もう一度、同じことをするが答えたくなければ答えなくていいぞ。俺は毎日拷問が出来るのが嬉しいからな。あっ、そうだったな、口を塞いでいたんだな。いいか黙っていろよ。死なれたら困るので食事をさせるからな。いや爪をはいでからにしようか。」
爪をはがされ口が利けるようになったが体の良い者は王子は目の前だと喚き散らす。だが拷問官は無視をしている。
「どうせ治るんだからみんなで一晩拷問大会をしようじゃないか。」
「いやだーーー、助けてくれ。王子はこいつだ。俺はもう嫌だーーー。」
「お前は拷問前に知らないと言ったな。お前が拷問をされるの嫌で嘘を言っているんだろう。」
「本当だ、信じてくれ。本当なんだ。」
「まぁいいさ。次は王子の外見をしたものにでもするか。」
「い、嫌だ、」
「何を言っている。まだ12時間以上も時間があるんだ、ゆっくり拷問してやるからな。私たちが王子を探していた時間を拷問の時間にする。まぁ王子が見つかるまで続けるからな。」
「王子は私だ。だから拷問は止めてくれ。」
「信じられないな、お前は兵の服装をしている。王子を騙る偽物だな。拷問はお前を中心にやるかな。」
「い、いやだー、本当に王子なんだ。」
「証拠など持っていないだろう。」
「貴族達に顔を見せれば皆分かる。お願いだ貴族達に聞いてくれ。」
「面倒だな、明日聞く事にしようかな。」
「い。今聞いてくれたのむ。」
必死に頼む自称王子は拷問もされていないのに脱糞していた。他の1人も同じような状態であったが。脱糞まではいっていなかった。拷問された者は色々な液体や固形物が床に散らばっていた。
自称王子のいる部屋に捕まっている貴族達が連れてこられた。
貴族達は王子と他二人を見て恐怖に包まれたようだ。