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275話

アース大陸北部は南部に比べて国の数は少ないが国土はその分広い。大型の国が多いのだ。


そのアース大陸の北の海に面するイスパス国がある。イスパス王国は北は海に面している、豊かな漁場と交易の拠点として栄えている国である。


その国の王が高齢の為に亡くなったのだ、王が亡くなり3人の王子が王位を争い内戦を始めたのだ。

この跡目争いは内戦にまで及び国は荒れ果て民は疲弊していたが、3人の王子は自分が王位に着くために三つ巴の戦争を繰り広げていた。

第一王子トレスレット、第二王子ミルカド、第三王子レイドレスの3人は3か国が隣接する国であり、各自1国を支援国家として援助を貰っていた。これがこの内戦を長引かせていた。

第一王子はイスパス王国から見て西の隣国マクシス王国の支援、第二王子は北にあるハルノール王国からの支援、第三王子は東にあるイード王国から支援も受け戦っている。

力はどこも拮抗しており中々決着がつかないでいた。これは支援している3か国が、イスパスの力をそぎ落とすために支援を調整したことが原因である。イスパスの王子たちも途中でその事実に気づいたがもう内戦が激化している為に、もう後戻りのできない状態にまでなっていた。


決着のつかない戦いで王子たちは他の国からの支援を受けることを考え、3人の王子はノースオリオン王国へ支援要請を出したのであった。3人の王子は、ほぼ同時にノースオリオン王国へ使者を送りかち合ってしまったのだ。ノースオリオン王国は何も悪くないのだが、イスパス王国の使者たちは他の使者を追い返すようにノースオリオン王国へ要請してきたのだ。ノースオリオン王国はただの使者と突っぱねたが今内戦で戦っている敵同士とあり引っ込みがつかなくなっている。ノースオリオン王国内で他国の使者が死んだりしてしまっては困るのがノースオリオン王国である。仕方なしに仲介に入り内戦に首を突っ込む羽目になってしまった。



「ブルーよ、どうしたもんかな。」

「イスパス王国の内戦はどこが勝ってもうちに利益はありません。」

「そうだな、だが第二王子を支援しているのがハルノール王国だからあそこは無いな。」

「ハルノールと共闘などありえませんな。ノースオリオン王国といつ戦争状態になってもおかしくない状態ですから。」

「いっそ全部と戦争でもするか。」

「レオン様、それはいくら何でも無理です。」

「冗談だよ、流石に4か国一度に戦争は出来ない。うちに被害が出るからな。」

「ノースオリオン王国がハルノール王国と戦争した場合、第二王子は内戦の継続は不可能になるでしょう。そうなると第一王子か第三王子が王位につく事になります。」

「まぁそうだがノースオリオンは戦争をしないぞ。」

「はい、分かっております。ですがハルノールの動きが大分怪しくなってきています。」

「ハーー、本当にハルノールは懲りない奴だな。負ける戦争をよくやる気になるな。」

「ハルノールの貴族達が騒いでいるのでしょう。あそこは王の力が弱いですから貴族の要請を無視できないのでしょう。」

「仕方ない対応策だけでも考えておこう。」

「この際ハルノール王国と今来ているイスパス王国の使者どもを黙らせることを纏めて対応する事はどうでしょうか。」

「なんだ結局4か国との同時戦争じゃないか。」

「いいえ違います。ハルノールだけです。後はマクシス王国かイード王国どちらかを味方にするか決めてそこに支援します。」

「その代わりにハルノール王国の事は無視するようにするのか。」

「さようです、ハルノール王国は各国との繋がりが多彩ですから。」

「マクシス王国とイード王国どちらがノースオリオン王国の利益になる。」

「マクシス王国でしょう。」

「何故だ。」

「ローエム帝国は東に領土を広げようとしています。東にあるイード王国と味方にしてもいずれは戦うかもしれません。」

「そうだな。だがうちが西に国土を広げようとしたことにマクシス王国が邪魔になるな。」

「ですがノースオリオン王国の西の山脈を越えれば障害にはなりません。他の国ではあの山は越えられませんがノースオリオン王国ならば山は障害にはなりません。」

「そうだな、あの山があるからノースオリオン王国はハルノール王国だけを見ていればいいのだからな。」

「あの山脈もノースオリオン王国の領土として宣言してはどうでしょうか。」

「今はダメだな。態々争いのネタを提供したくないからな。」

「レオン様、イード王国とマクシス王国とどちらが良いとお考えですか。」

「そうだな、どちらも一長一短があるな、もう少し両国を調べてくれ、決めるのはそれからでも遅くはあるまい。」

「はい、早急に調べます。それまではあの3人の王子の使者はどうしますか。」

「引き延ばしておくしかないだろうな。」



ノースオリオン王国はマクシス王国とイード王国の国内情勢を調べた。イード王国は良好な国の運営を行っている。交易による利益を国家事業で民に還元している。一方マクシス王国は重税を行ない民生活は豊かではない、このままならばノースオリオン王国にいつ移民が来てもおかしくない状態であった。そうなると必然的に味方する国は決まってくる、イード王国を支援するしかなくなったのだ。

国内情勢の不安定なところを味方にしても足を引っ張られるだけである。まともな国を味方にしないと後で失敗するからだ。


「そうなると第三王子のレイドレス王子を応援となるか。」

「そうなります。」

「支援の内容はどうする。」

「はい、レッドとグリーンと話し合いましたが。うちが艦隊を派遣して一気に蹴りを付けたらどうかという話になりました。」

「内戦を長引かせないようにするためか。」

「そうです、内戦が長引けば民が飢えます。」

「だがイスパスに艦隊を派遣すると。戦後がややこしくなるだろう。」

「なります。戦後の功績で両隣を取らないと、弱腰と各国に思われますから艦隊を派遣した場合は領土を取らないといけないでしょう。」

「完全な飛び地だな、いらないな。」

「・・・・・・・」

「仕方ありませんよ、国同士なのですから飛び地でも取らないと舐められます。」

「いや、どうせ艦隊を派遣するなら。マクシス王国へ派遣してもいいと思ってな。」

「それはマクシス王国を攻めるという事でしょうか。」

「そうなるな、どうせ敵なのだ。直接戦争したほうが良かろう。代理戦争などイスパス王国が荒れるだけだろう。」

「そうですね、イスパス国内でやるよりマクシス国内での戦闘の方がいいと思います。」

「ではハルノール王国と同時にマクシス王国にも宣戦布告と行こうか。」

「イード王国と第三王子にはどのように説明いたしますか。」

「直接私が伝えよう。使者を呼んでくれ。」

「はい手配いたします。」



レオンはイスパス王国第三王子の使者と会い、味方する事を伝える。そこで内乱を終結させる策を授けイード王国と連携するようにさせた。ノースオリオン王国がハルノール王国とマクシス王国の両国を相手にする事でイスパス王国内の第一王子と第二王子勢力を一掃できる段取りを整えていった。


「レッド、ブルー。お前たちにハルノール王国はレッド、マクシス王国はブルーに担当してもらう。」

「はい、お任せください。」

「はい、了解しました。」

「ハルノール王国は全て滅ぼすが、マクシス王国は一部占領して終わりとする。」

「何故ですか。ノースオリオン王国の戦力ならばマクシス王国を滅ぼすことも出来ます、一部占領の訳をお教えください。」

「そうだな、ノースオリオン王国がハルノール王国とマクシス王国の2か国を滅ぼすと2か国同時の復興はいささか大変だ、いやかなり大変だ。だが今回は2か国同時に相手にするしかない。イスパス王国の内乱終結が目的だからな。そこでハルノール王国だけを今回滅ぼして、マクシス王国は一部占領で納める。どうせハルノール王国の貴族が逃げる先はマクシス王国であろう。ハルノール王国の逃げた貴族を一か所に集める道具と思えば数年は生かしてやってもいいだろう。」

「そうですね、イスパス王国もまだ隣国が敵対でもしていなければ国を好き勝手にしそうですから丁度良いかもしれません。」

「イスパス王国の内乱終結後はイスパスの内政の監視も行わないといけないな。あまり無能なら排除も考えんといけないからな。」

「何だかそうなりそうですね。」

「まぁ内戦をやるような国だからな、余り優秀とは言えないだろうな。」


「では宣戦布告の準備を頼むぞ。」




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