27話 空の旅
数日後
王都飛行場予定地に、クリスティーナ殿下、他8名、ハロルド、エレメル、レオン、アレクの13人がいる。飛行船に乗り込むところだ。
そこに、シュターデン侯爵が馬車から大声をあげて近づいてくる。
「ハロルド殿ーーー、ハロルドどの~」
「どうされました。シュターデン侯爵そんなに急いで。」
実はシュターデン侯爵、数日前にシュターデン侯爵領都上空をオリオン領方面から王都方向に向かう飛行船を目撃していた。
シュターデン侯爵は焦った。今何かが起きていると。絶対オリオンが絡んでいると確信していた。
急いで馬車に乗り込み。休憩もそこそこ、王都に向かったのだ。そして王都で噂を確認して追いかけてきたのだ。
そして出発が少しの延びた。
「数日前に、我が領土上空を・・・・・」
シュターデン侯爵は、王都に向かう馬車の中で確信していた。オリオン家が造ったものだと。
馬鹿でもない限り皆そう思うだろう。
シュターデン侯爵は自分も利益に噛めないかと思い。だがそう思ってもいい案が思いつかず。
取りあえず、ハロルドに会って考えようと乗船直前に追いついたのだ。
ハロルドは、王都からオリオン領都間の定期便が出たら、何便かに一回はシュターデン侯爵領に発着する約束をした。
後日、改めて内容交渉をすることで話がまとまった。
シュターデン侯爵は、船内を見学して興奮していた。
「凄いな、凄いな、」しか言わなかった。
シュターデン侯爵に見送られて一路オリオン領に出発だ。
「ご搭乗の皆さま・・本日は当船にご乗船ありがとうございます。当船は、これよりオリオン領都に向け、離陸いたします。ご乗船の皆さまには、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ノリノリでアナウンスする、アレク。
「発進」
飛行船はゆっくりと上昇しいく。
初乗船の殿下御一行は「うおおぉぉぉぉぉ」と歓声を上げていく。
上空300メートルにて水平飛行に移り、ゆっくりと王都を一周する。
小さく王都民が見え手を振っている。乗客も手を振り返している。
初めて見る。空からの王都。
その王都の一角で国王が羨ましそうな目をして見送っていたことを誰も知らない。
飛行も順調に運行中だ。
落ち着いたところで船内サービスを始める。
飲み物・船内食のサービスだ。おつきのメイドも今日はお客様である。アレクはテキパキと飲み物と船内食を出していく。
ハロルドは唖然としている。働いているアレクをみるのが珍しいのだ。
アレクは働いているつもりはない。楽しいからやっているだけである。
シュターデン侯爵領の上空通過時には、低空で侯爵領を一周しオリオン領都の飛行場に着陸をした。
「長らくのご乗船ありがとうございます。当船は、これより・・・・・・・・・・・・・・」
最後まで働いていたアレクであった。
オリオン領飛行場まで馬車が迎えに来ており、クリスティーナ殿下は馬車に乗り込み領主館に向かった。
アレクは飛行船の点検を行うために、飛行場に残り点検作業を行った。
オリオン家の人達は声も出ず。びっくりしていた。働いているアレクを見たからである。
アレク、レオン号にペイントをするために残ったのだ。だがレオンに見つかり挫折した。がっくり
オリオン領主館
「クリスティーナ殿下、態々お越し下さりありがとうございます。」
「お久しぶりです。ルドルフ様。」
「オリオン領へ、ようこそ。」「お疲れでしょう。すぐ部屋へご案内いたします。」
「ありがとうございます。快適な、そしてとても素敵な船旅でした。」
クリスティーナ殿下一行は、部屋へ案内されていった。
「父上、母上お帰りなさい。」
「ルドルフ、素敵な対応でしたよ。」満足げにほほ笑む母
「クリスティーナ殿下のお相手は任せたぞ。領内を案内してくれ。」
その後、アレクとレオンも戻り、その夜にはクリスティーナ殿下の歓迎パーティーが行われた。
この歓迎パーティーにはオリオン領にいるすべての貴族と隣地の貴族が参加した。
歓迎パーティーは盛大に行われ、オリオン家の勢いを見せつけた形であった。
隣地の貴族は、オリオン家の動向を探ろうと必死になった。だがその必要はなかったハロルドがペラペラと予定をしゃべっていたからである。
「クリスティーナ殿下、今日は一段とお綺麗ですね。」
「ありがとう。マレク男爵もお元気そうで。」
「クリスティーナ殿下、お初にお目にかかります。私、・・・」
「・・・」
「レオン、飲んでるか。」
「父上、あまり飲まないほうがいいですよ。あとで母上に怒られますよ。」
「まぁ、今日ぐらい・・・」
楽しい、パーティーは大成功におわった。
翌日、ルドルフは、クリスティーナ殿下を誘い領都を案内した。
オリオン領領民たちは、クリスティーナ殿下を大歓迎し昼から町中でどんちゃん騒ぎが起こった。
これにはクリスティーナ殿下も驚いたが、さすが殿下、見事な対応をしていた。
魔化量販店、開発現場、農業開発地等を案内した。
翌日も、ルドルフとクリスティーナ殿下は仲良くおしゃべりをしながら色々と見て回った。
ハロルドとエレメルは二人を見て大喜びであった。
「この二人ならうまくやれそうね。」
「そうだな私たちの様にいい夫婦になるだろうな。」
「まぁ貴方ったら。」
いい年の中年がイチャイチャしていた。
この頃、アレクは研究室にこもり。何やら、怪しげに笑っていた。 ひっひっひっひィィ。