259話
Tオリオン王国
「ユリ、各国の動きはどうだい。」
「はい師匠、コルン王の動きと合わせて。ほぼコルン王国へ下りました。」
「ほぼという事は反コルンがまだいるという事だな。何か国が反コルンだ。」
「タンドラ大陸の北東の3か国です。」
「コルン王国とTオリオン王国から一番離れているからな。影響力も落ちるのだろうな。」
「そうだと思います。」
「その3か国は纏まっているのか。」
「いいえ、まとまっていませんバラバラですね。」
「仕方ないな3か国を同時に潰すか。」
「2か国は攻撃できますが1か国は2か国を降伏した後でないと攻めれませんね。領地が隣接していませんから面倒ですね。」
「いいや海から攻める。」
「艦隊を出すんですか。」
「出すがTオリオン王国の艦隊は出さない、出すのはルイーズ艦隊とオリビア艦隊だ。」
「というとイリア様のお子様の名前ですよね。」
「ああ二人に建国させる。タンドラ大陸は3つの勢力によって均衡を保つようにする。」
「分かりました。人員を確保しておきます。」
「頼むよ。」
アレクはコルン王国と3か国への侵略をどうするのかの決め事を行なった。
3か国を滅ぼした後にタンドラ大陸を再編成を行う。コルン王国とTオリオン王国以外の国々は国替えを行なう。コルン王国の力を示すために移動させるようだ。
残る3か国、イスレイア王国、トルセ王国、ノーレント王国を進攻するにあたり担当国を決めていく。トルセ王国はゼスト王国とレジット王国、トミス王国が担当、イスレイア王国はコルン王国が担当。そしてノーレント王国はTオリオン王国が担当となったが、ノーレント王国はTオリオン王国に代わりにルイーズとオリビアが軍を率いて行うことになった。
Tオリオン王国
アレクはルイーズとオリビアの到着を待っていた。遠くアース大陸の方角から大艦隊が見えてきた。ルイーズ艦隊、中型艦2隻、空母4隻、小型艦30隻、オリビア艦隊中型艦2隻、空母4隻、小型艦30隻の大艦隊である。そこに大型輸送艦10隻が加わっている。
Tオリオン王国へ着陸した両艦隊は、ルイーズとオリビアが下船してくると思っていたアレクは唖然としてしまった。そこにはルドルフの子供、リアム、オリバー、リリー。レオンの子供、ジーン、スルク、アリーナ。カインの子供、カール、ハリー、レミュウ、ミリュウ。マリアの子供、ジャック、ノア、アリスそしてイリアの子供、ルイーズとオリビア、エリーまで来ているのだ。
「お、お前たち何しに来た。」
ルイーズが答える。「おじ様、私たちが建国すると言ったらみんなが手伝いに来てくれただけですよ。」
「お前たち、戦争は人を殺すという事だ、分かっているのか。」
「はい、父上にも許可を取ってあります。他のみんなも許可を取ってあります。」
「ルドルフ兄がよく許したな。」
「今回は良い機会だと父上も言っていました。俺たちが戦闘に参加することはアース大陸だと不可能だと言われました。だけど今回はタンドラ大陸です。ルイーズとオリビアの為でもありますが、自分たちの為でもあるんです。参戦させてください。」
「「「「「「「「「「「「お願いします。」」」」」」」」」」」」」」
「・・・・分かった許可する。それならお前たちだけで作戦を考えて、今回の相手、ノーレント王国を滅ぼしてみろ。」
「えっ、作戦も考えるんですか。」
「そうだやるのなら全部やってみろ。補佐はつけてやるから心配するな。ルイーズとオリビアいいな。」
「「はい、やってみます。」」
実は今回の攻略戦に来たのはオリオン家の孫たちだけではなかった。この子供たちの直臣たちと友達も参加していたのだ。
Tオリオン王国は子供の国になってしまっていた。アレクも苦笑いしか出てこなかった。
流石に艦隊の乗組員たちは子供ではないが年齢層がだいぶ若い者達であった。
次世代の者達で構成されたこの艦隊と兵はやる気満々であった。
アレクはユリに補佐を付けるように頼み、その場を後にした。
オリオン王国の孫たち16人は作戦会議をしていた。
ルドルフの長男であるリアムが進行を務めるようだ。
「今回はルイーズとオリビアの建国の為の戦争だ。みんな協力して頑張ろう。」
「「「「「おーーーー、」」」」」
「ルイーズとオリビアは戦闘はあまり得意じゃないだろう。」
「そうね、戦闘は苦手ね。」
「なら戦闘事態の指揮は俺とジーンに任せてくれないか。」
「いいわ、戦闘の指揮は任せるわ。艦隊の指揮は私とオリビアでやるから作戦を考えましょう。」
「ありがと。ジーンはそれでいいよね。」
「あー、いいよ。」
「なら戦闘に参加できるのは俺とジーン、オリバー、カール、ハリー、ジャック、ノアでいいかな。」
「私も戦闘に参加する。」「私もー。」
「アリスとエリーもか、大丈夫か。」
「大丈夫よ。」
「じゃアリーナとリリー、レミュウ、ミリュウはルイーズとオリビアの指揮下で艦隊からの攻撃に加わってくれ。魔法攻撃を仕掛けるからね。」
「ねえリアム、艦隊から攻撃して、あとは城を占拠じゃないでしょうね。」
「・・・・・・・・・・」
「それって、おじ様がよくやる奴でしょう。」
「・・・・・だってやってみたいじゃないか。みんなもやってみたいだろう。」
みんなが頷いている。 「「「「うんうん。」」」」
「そ、そうねやってみたいわね。」
「そうだよ、父上がいつも自慢してるんだ。おじさんは戦争の天才だって。」
「アレク叔父さんもそうだけど、カイン叔父さんの事も言っていたな。接近戦闘ではカイン叔父さんには誰も敵わないって。」
「カイン叔父さんの獣人部隊ってすごく強いんでしょう。」
「そうみたいね。カールとハリーは獣人部隊を連れてきているんでしょう。」
「連れてきているよ。俺たちと同年代ばかりだけど、かなり強いと思うよ。獣人部隊といつも模擬戦と迷宮で鍛えているしね。」
「そうかなら突撃隊を任せていいか。」
「リアム兄ちゃん任せてよ。」
「じゃ頼むよ。」
この16人はワイワイ騒ぎながらも真剣に作戦を練っていった。
「じゃ決まったことを確認するぞ。王城を包囲して殲滅するけど王族は捕虜にする。艦隊は王都と城の出入り口を封鎖して防衛でいいな。ワイバーン隊は周辺警戒と王都内の兵の殲滅だな。」
「王都の外から兵が来たら艦隊で殲滅してもいいの。」
「そうだな、外から来たら艦隊が対応してもらおう。ワイバーン隊も数はいるから回せるしね。」
「10日後に出陣でいいのかしら。」
「うんそう聞いているよ。ユリ宰相が段取りしてくれると言っていたから確認しとくよ。」
そして10日後、ルイーズ艦隊とオリビア艦隊はTオリオン王国からいったん海に出てタンドラ大陸を時計回りに海上を進んでいった。その後ろからガレオン号と小型艦10隻が隠れるように着いて行ったのは内緒の話だ。