25話 ガレオン号誕生と他
アレクは、地下研究室ではなく大きい建物の中にいた。
高速の移動手段だ。
アレクは、高速の移動手段を知っていた。
車、飛行機、電車、バイク、自転車、だが今は造れない。
車は道路の問題、電車(汽車)は線路の問題、バイクは危なそう、自転車は疲れる。
取り敢えずは、飛行船しかないかなと思い、巨大な建物ドックを造った。
この世界には浮遊石がある。だがこの浮遊石小さい。軽石でただ浮くだけ。
巨大な浮遊石があればと思い探した。あるわけ無かった。
せいぜい30センチぐらいの石、とても人を乗せる乗り物にはならない。
子供の遊び・観賞用なのだ。
だが今回は魔法がある。
アレクは、まず軽くて丈夫な素材探しから始めた。これが難航した。
軽い素材、大きい鳥でもいないかとワイバーンとかドラゴンとか、ドラゴンとか、10メーターとか20メーターの骨があれば使えるのではと思い。
いろんな人に聞いて回ったが、可哀想な目で見られ、ある人には童話の本(ドラゴンと姫)を渡された。
話ではワイバーンはいるが、10メートルもないようだ。せいぜい羽を広げて4,5メートル。とても船の素材には成りそうもない。
ドラゴンに期待をしたが、おとぎ話以外で話を聴いた事が無いらしい。
仕方ないのでボーキサイトを探した。
なかった。たぶん
アレクは、本当はファンタジー感のある、ガレオン船が飛ぶものを造りたかった。
材木、鉄で造っては重すぎて浮遊石ではどうにもならない。
水素・ヘリウム、・・・う~んう~ん~、うなっている。
「鉄より木材の方が軽いか。」
だが重い。
木材を軽くする方法を考える。「強度も必要だしな。」
まずアレクは、浮遊石を砕いても浮くか実験した。
材木を粉々にしたり、薄くスライスしたり、鉄を粉末にしたり。
結果は、すべて混ぜた。混ぜて圧縮して形を形成した。魔法の力技だ。
多分、ドラゴンの骨よりいい。
素材はできたが、形をどうするかだ。ガレオン船、ガレオン船、ガレオン船がカッコいい。
ガレオン船は帆を張って進みたい。アレクはガレオン船が大空を飛ぶ夢を見る。
アレクは、2種類の船を造った。
ガレオン型飛行船と、気球型飛行船だ。
ガレオン型と気球型、気球型の方が出来が良かった。
ガレオン型は、帆を張り風魔法で、帆に風を送り進む。
気球型は形を流線形にして水素を取込む装置を作り風を噴射して進む様にした。
結果、流線形気球型飛行船が一番速度が速くなった。
ガレオン型は巡航速度60キロ、最高速度100キロ、流線形気球型飛行船は巡航速度100キロ最高速度150キロとなった。
アレクは気球型もカッコいいなと思ってしまった。
アレクは又気づいてしまった。あっ小型の船でいいのではないかと。
ガレオン型は全長60メートル、流線形気球型飛行船は全長110メートルである。
アレクは、急いで移動用の小型流線形気球型飛行船を作成した。小型で若干速度も上がった。
アレクは、名前が長いなと思い。ガレオン型を飛行艇とし、流線形気球型飛行船を飛行船とした。
船の名前は飛行艇1番艦としてガレオン型にするためにガレオン号、飛行船は1番艦としてオリオン号そして小型飛行船一番艦をレオン号とした。
後に、中型、超大型を造り、オリオン家の名前を付けた。
アレクは大型船を隠して小型船を見せるためにハロルドに報告に行った。
オリオン家一行がドックにやってきた。
「父上、小型飛行船レオン号です。」
「これが空を飛ぶのか」
「みんなー乗ってください。空の旅をしましょう。」
アレクは、ドックの屋根を開ける。そしてレオン号は上昇していく。
「アレク、あの下に見える大きい2隻の船は何だ。」
アレク、冷や汗が出ている。他の船が見えない様に、幕で覆っただけだった。
上から見たら丸見えだった。
アレクは一生懸命言い訳をしたが怒られた。 早急になのに何で3隻目なんだと。
でも、そんなことは直ぐに忘れた。
空が、気持ちいいのだ。
ゆっくりとそして低空でオリオン領都を回り2周した後、高度と速度を上げオリオン領をぐるっと回った。
「すごい景色だ」
「ほんとに飛んでる。」
「あっ下の人達が手を振ってる」
「飛んでるよ、飛んでる。」
みんな大興奮だ。
後日、ハロルド、エレメル、アレクは、レオンのいる王都にレオン号に乗り旅立った。