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239話

「皆さん食事が出来ましたよ。並んでください。」

村人予定達はぞろぞろと列を作っていく。そこに猫族の3人も並ぼうとした時に、1人の男が猫族に対して人間の後に並べと言ったのである。猫族の3人は素直に言う事を聞いて後ろに下がった。

それを見ていたオスカーがその男を殴り倒したのだ。男は何をされたのかが分からずに気を失ったが他の者に介抱されて気が付いた。そしてオスカーに対して文句を言ったのである。

「なんで何もしていない俺を殴ったんだ。謝れ。」

オスカーはこの男が何を言っているのかが理解できなかった。獣人を後ろに下がらせたのに何もしていないと言っている。

「何もしていないだと、猫族の人たちを並ばせなかったじゃないか。」

「はーっ、当たり前だろう。獣人は人間の残飯で十分だろう。」

「お前本気で言っているのか。」

小さい子供がドスの聞いた言葉を吐いている。オスカーの周りには魔力の渦が渦巻いている。

「オスカーやめろーーー。」

レリウスが駆けつけて、オスカーをなだめる。オスカーもレリウスに任せる事にした。

みんなが見ている前での事であり、うやむやな対応は出来ない。レリウスはその男に伝える。

「いいか人間も獣人もみんな平等だ、それに従えない者は出ていけ。」

「あなたは本気で言っているのか。獣人だぞ。獣だぞ。」

「何か問題でもあるのか。」

「大ありだろう。そんなもん従えるか。」

他の者達もうなずいている。

「他の者達も同じ意見か。」

「・・・・・さすがに獣人と一緒は無理・・・・・・・・」

色々と獣人に関して否定的な意見が大勢を占めていった。その男も調子に乗りレリウスたちに文句を言っている。レリウスでさえまだ13歳になったばかりの少年に対していい大人たちがここぞとばかりに文句を言ってきたのだ。黙って聞いていたレリウスは大人たちが言い終わるのを黙って聞いていた。

「文句は終わったのか。ではもうお前たちにはこの場所から出て行ってもらう。」

「な、何を言ってるんだ。ここはもう俺たちも土地だ安全な土地だお前たちが出ていけ。」


「他の者達も同じ意見か。」

大体の者達は頷いているが、一部の者は黙っている。

「では俺たちに従う者は明日の朝、船の前にきてくれ。従わない者は好きにすればいい。」

レリウスたちは猫族3人と小さい子供たちを船に連れて行った。


残された者達は威勢がよかった。この数日間魔物が出ていないのだ。魔物が出なければ自分たちで何とか出来ると言っている。村人予定者たちは威勢のいい者達の演説に同意していった。

村人予定者たちは食事を食べながら未来を語っていた。景気の良い、都合の良い未来を得意げに喋っていた。


翌日



「俺たちに従う者は10人だな。」それは村の中で食料を探しに出ていた者達であった。その者たちは森の中でシルバーウルフたちに守られている事を知っていた者達である。

レリウスたち6人と子供たち10人、猫族の3人、親子4人を含んだ10人の29人はブラザー号に乗り込み飛び立っていった。


残った者達は

「はっ、あんな子供に頭なんぞ下げられるか。」

「そうだな、俺たちの土地は魔物もいない土地だしな。」

「ざまーみろ。おいだしてやったぞー。」

「偉そうにしてやがってよー。」


この者達は知らなかった。森の中をシルバーウルフたちが縄張りとしていた事で魔物が入ってこれなかったことを知らなかったのだ。

シルバーウルフの群れは低速で航行するブラザー号を追いかけていく。


この場所に残った者達は数日間は平穏に過ごしていたが、日がたつにつれて魔物の数が多くなっていった。そして住めない土地になっていた。残された者達はバラバラに逃げていった。

残された者達はやっと気づいたのだ。あの少年たちが魔物が近づくことをさせなかったのだと思いに至ったのだ。だが気づいたときにはもう少年たちはいなかったのである。



ブラザー号


「兄ちゃん。この場所でいいかな。」

「ファーレスが見つけた港が造れる場所だな。そこに向かおう。」

「了解。」


艦内で猫族の3人がみんなに謝っていた。

「ごめんなさい。私たちのせいで村を出ていくようになり。申し訳ございません。」

「いいよー。気にしないで。本当はあそこに村をつくる予定じゃなかったんだからさ。」

「そうよ、獣人を馬鹿にする者達なんて要らないわ。」

「そうね、獣人の能力を知らないのでしょうね。」

「・・・・・あのー私たちはそんな力はありません。すいません。」

「マリ姉、マル姉、ミケたちは力の使い方をまだ知らないんだよー。」

「そうでしたね。落ち着いたら教えましょうね。」

「ならこの船に乗っている人たちにも教える。」

「レインそれはレリウス兄さんと相談してからよ。」

「うん分かったよ。ミケたちよかったな。強くなったら僕と模擬戦しようね。」

「・・・・・・・・・」


ブラザー号は新しい拠点予定地に着いた。


「よしここで村をつくるぞ。」


その場所は大きな入り江になっている天然の港である。多少の造成は必要だがまだ先の話だ。交易もしていない今の段階では必要が無いのである。

陸地もなだらかな丘になっている為に丘の上に町が出来れば見晴らしの良いいい町になりそうだ。

農地としても使えそうな場所も多く魔物さえいなければ誰でも欲しがる場所だろう。


レリウスたちは周辺の魔物を殲滅させる事にした。同時に木材の伐採も行いドラゴンの働きが無ければ数か月もかかる仕事を3日で終わらせていた。

レリウスはこの地に着いてきた者達を集めた。

「みんな聞いてくれ。俺たちは別の大陸から来たことは伝えたが、その大陸では獣人も人間も、エルフもドワーフもみんな平等なんだ。だから俺たちはみんなを平等に扱う。これに従えない者は要らない。」

「私たちはレリウス様に従います。」代表して4人家族のマシューが伝えてきた。

「ありがとう、俺たちの力の及ぶ限りみんなを守っていくよ。」

「す、すいませんでした。そして受け入れていただきありがとうございます。」

猫族の姉妹の長女ミケが大きな声でお辞儀をしている。

レインはおかしくなり笑ってしまった。「ハハハハ--。」

ミケはむっとしたが。ほかのみんなもつられて笑っている。

「ミケ、心配するな。俺たちの国ではみんな同じだ。俺たちの従兄弟にも獣人の狼族がいるんだよ。物凄く強いぞ。」

「そ、そうなんですか。」

「僕一度ボコボコにされたーー。今度リベンジしてやる。」

「オスカーは単純なんだよ。技をつかえよ。」

「ファーレス兄は強いからいいよー。僕はまだ空兵隊の人にもたまに負けるんだからさー。」

「オスカー、空兵隊、アレク隊の人たちはアース大陸でも最強部隊だぞ。それに勝つ事の出来るのは凄い事なんだぞ。」

「でもカインおじさんの獣人隊が最強だって父上が言っていたよ。」

「それはな接近戦では獣人が一番だからだな。」

「あ、あのーーー、お話し中すいません。父上とか言っていましたが、貴方様がたは貴族様でしょうか。」


「実はそうなんだよ。父上に試練とか言われてこの大陸で国を創るように言われているんだ。」


「「「「「ええーーーーーー。」」」」」」


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