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238話

レリウスたちは翌日からも村つくりに大忙しの日々を送っていた。

「ファーレス、やはり村にも防壁が必要だよな。」

「兄ちゃんそうだけど、ウルとルフが今この辺のウルフの群れを配下にしたみたいだから当分は大丈夫だよ。」

「ウルとルフは凄いな。数がそろえば魔物にも対応できるからな。でもなるべく早くに防壁を作ろう。」

「そうだね、家が出来上がったらすぐに取り掛かるよ。」

「家は屋根と壁があればとりあえずは完成としとこう。」

「うん分かった。」


レインはグリフォンとドラゴンを連れて大空を散歩していた。

たまに魔物に襲われている者や盗賊などに襲われている者を助け、何も言わずに飛び去っていた。

「ねえグリー、やっぱり魔物が多いね。どうしようかな。」

「グエーェ。」


「誰かたすけてーーーーーー。」

レインの前方に必死に逃げている者がいる。追いかけているのはオークである。もう少しで追いつかれそうだ。レインはグリーでオークの頭をぐしゃりとした。グリフォンの前足は鳥の爪になっている。オークの頭をその前足で掴むと頭はぐしゃりと潰れたのだ。オークはそのまま倒れ、レインはその場に降り立った。

「大丈夫、オークは死んだから大丈夫だよ。」

「えっ、わ、私助かったの。」

「君どうして逃げてたの、獣人は強いんでしょう、オークぐらいなら勝てるでしょう。」

「あ、あなた何言ってるんですか、勝てるわけないでしょう。」

「えええーーー。そうなの。僕の知り合いの獣人達はみんな片手で殺していたよ。」

「えええーーーーーー。そんな化物な獣人いる訳ないでしょー。」

「いるよーー。みんな素手で殴っていたもん。」

「いないわよー。」

「いるもん。」

二人はいるいないで荒野の真ん中で揉めていた。グリーとシロは寝そべって昼寝をしている。

そんな二人も言い合いに疲れたのか大人しくなっていた。


「君はどうして一人なの。」

「あなたこそ一人じゃない。あっド、ドラゴン。グリフォンーーーーー。」

「僕の友達なんだ。ねーグリー、シローー。」

「グァーー、きゅーー。」

「か、かわいい、あーーーー。そうだ妹たちを探さないと、あなた探すの手伝って。」

「ええーーー、めんどくさいなーー。」

「お願い、オークから離すために私が囮になったのよ。お願い。」

「まぁ仕方ないか。シロ背中に乗せてあげてね。」

少女とレインはグリフォンとドラゴンに乗り大空へ舞い上がった。

「どっちの方向。」

「あっちよ。」少女の指さした方向は逃げてきた方向より少し左であった。グリフォンとドラゴンは低速低空で進みながら少女の指示に従い場所を探していた。

「あっ、そこよ、降ろして。」

グリフォンとドラゴンは着陸した。着陸したと同時に少女は飛び降りで大声で「ミオーー。ミサーー。」

すると大きな岩の隙間から二人の猫が出てきた。いや猫族の子供であった。

「おねいちゃーーーん。」「うえーーーん。」

「よかったきちんと隠れていたのね、偉い偉い。いい子いい子。」

「「ふえーーーん。」」


「ねえ、君たちはどこに行く途中だったの。」

「・・・・行くところなんか無いわ。」

「食べ物を探していただけよ。」

「お腹すいたーーー。ミケお姉ちゃん何か食べたい。」

「ミサ少し待ってね。今探すからね。」

「これ食べていいよ。」

レインが差し出したのは真っ白なパンとスープであった。

「あ、あなたなんも持っていなかったじゃない。ど、ど、ど、どうしたの。」

「あーー、マジックバックを持っているんだ。便利なんだよ。」

「ハーーーーーァ。」少女はなぜかこの少年にムカついて仕方が無かった。何でもないように魔物は倒すし、食料迄無造作に渡してくる。今この大陸は魔物の襲撃で食べる物がない状態なのだ。

無性にムカつくがお腹が減っている為、少女は食べてから文句を言うことにしてパンとスープを貰って食べる事にした。

「おいちいね、おねえちゃん。」

「うん、美味しいね。」

「いっぱいあるからどんどん食べてねーー。」

少年が喋るたびにこめかみがひくひくとなっている少女だが口はもぐもぐしている。


「あ、ありがとう。美味しかったわ。」

「そう、よかったね。もし行くところがなければ、今村をつくっているからそこに住む。」

「えっ、村をつくっているの。でも私たちは獣人よ。人間の村には入れてもらえないわよ。」

「大丈夫だよ。僕のお兄ちゃんたちもいるから心配ないよ。」

「本当に獣人でも入れるの。」

「うん大丈夫。その村ならご飯も食べれるよ。あっ、でも仕事してね。そうしないといけない決まりだからね。」

「それはあたりまえよ。働かないでタダで物は食べれないわ。」


レインは猫族3人をドラゴンに乗せて村予定地へ向かった。

「うあーーー、すごいよ、おねえちゃーーん。」「気持ちいいーーーー。鳥になったみたい。」


レインと猫族3人は村予定地に降りた。


「ファーレス兄ぃーー。猫族の人を助けたから連れてきたーー。」

「レイン。またかーー。お前は何人増やすつもりだ。」

「だって仕方ないじゃないかーーー。魔物に食べられそうだったんだ。」

「まぁいい。初めましてレインの兄のファーレスです。とりあえずは小さい子たちと一緒の所で子守をしてもらおうかな。それでいいかな。」

「は、はい。頑張って働きます。よ、よろしくお願いします。」

「レイン、マリアーヌとマルティナの所に連れて行ってあげなさい。」

「はーーい。こっちだよーー。いくよー。」


「ちょっとあなたレインって名前なの。」

「あれ、言ってなかったけ。」

「言わなかったわよ。」

「ごめんごめん。ミケちゃんだっけこれから宜しくね。」

「うん、助けてくれてありがとう。」



「お姉ちゃん、新しい人が3人増えたよー。」

「レイン、静かにしなさい。小さい子がお昼寝しているのよ。」

「うーーっ、ごめん。」

「猫族の方たちね、これから宜しくね。私はマリアーヌ。向こうで添い寝をしているのがマルティナよ。」

「私はミケと申します、あと、妹のミオとミサです。宜しくお願いします。」「おねがいします。」

「じゃ僕は行くねー。」




レリウスたちは村の建物を数棟完成させていた。畑も一部は耕しも終わり作物を植える事までになっていた。人間たちはやっと安心して住めるところが見つかりほっとしていた。そこに猫族の獣人が来たのであった。

人間たちは獣人に対してよい感情を持っていなかった。自分達より下に見ているようだ。それは食事のときに現れた。




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