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220話

オリオン王国王都ブレスト


7公爵会議


「皆、忙しいところをよく集まってくれた。グラムット帝国関連の事で変化があったのでな。」

「父上、グラムット帝国が何か言ってきましたか。」

「ルドルフよ、そうではない。グラムット帝国が弱ってきているとイリアが言うのだ。イリア説明してくれ。」

「はい父上。グラムット帝国の経済力が弱まっています。これはグラムット帝国内にリア銀の支店を出したことが引き金になっています。今までのグラムット帝国の商売は金貨、銀貨が主流でしたがリア銀が出来た事により紙幣での決済が主流になりつつあります。オリオン王国としては嬉しい事ですがグラムット帝国としては許せない事でしょう。グラムット帝国の商人たちは帝国への忠誠心はありますが、商売の方が優先のようです。オリオン王国の経済支配がグラムット帝国で進んでいます。」

「イリア姉、グラムット帝国は気づいていますか。」

「アレクの心配は分かるわ。多分だけど気づいているわ。」

「そうですか、グラムット帝国がどう出るかですね。戦争になるか、経済力で対抗してくるかの何方かでしょうが良好な関係が崩れるのは間違いないですね。」

「この紙幣でグラムット帝国がだいぶ追い詰められている事は分かるわ。万一戦争になった場合は一番にリア銀が狙われるわ。」

「そうなりますね、お金が眠っていると思われているでしょうから。狙われるでしょう。」

「金の運び入れの情報を流すしかないかしらね。」

「そうですね、盗賊を呼び込むことになりますが、金をリア銀に貯めていないことを知らしめないと拙いでしょう。」

「イリア姉、リア銀は帝都には支店は無いのですよね。」

「無いわ、帝都には支店の許可自体がおりなかったわ。リア銀があるのは帝都の周りの都市だけよ。」

「余程帝都に入れたくないのでしょうね。」

「そう思うわね。帝都では何か見せたくない物があるのでしょうね。」

「イリア姉、とりあえずは鎧機人をリア銀に派遣しておきましょう。万一戦争になっても建物内にいれば身を守れるようにしときましょう。」

「そうね、それがいいわね。食料等も手配しないとね。」

「父上。」

「何だアレク。」

「父上は対グラムット帝国の事をどうお考えですか。」

「戦争をするのか、しないのか。という事か。」

「それも含めてですが、グラムット帝国を滅ぼすのか共存すのかです。」

「アレク、グラムット帝国は広大だ。いくらアレクでもグラムット帝国を滅ぼせんだろう。」

「・・・・・・」

「で、できるのか。」

「はい、やろうと思えばできます。ですがあまりやりたくはありません。泥沼の終わりなき戦争になりますから。」

「アレクが以前言っていた、皇帝を殺したら帝国民がすべて敵になるといったあれか。」

「そうです。グラムット帝国皇帝は殺したらいけません。」

「そうなると勝つことが難しくなるな。」

「そうです、あの広大な領土をすべて占領しなければなりません。事実上不可能です。」

「ならアレク、どのようにして勝つつもりだ。」

「まずはグラムット帝国民をすべて殺します。これが一つです。」

「・・・・・・・・」

「あとはグラムット帝国皇帝を拘束して降伏をさせます。これが出来れば一番被害が出ないでしょう。グラムット帝国民も皇帝が降伏と言えば従うでしょう。ですが皇帝の居場所が分かりません。」

「まぁ、グラムット帝国も分かっているのだろう。皇帝がすべての国だからな。皇帝の居場所など公開はしないだろう。」

「父上、アレク。こんなのは作戦でも何でもないな。無理な話だ。」

「ルドルフ兄、私もグラムット帝国民を皆殺しは無理だと思っています。」

「というと、皇帝を捕らえる事は出来ると思っているのか。」

「出来ます、今準備をしています。」

「どんな方法だ。」「概略だけなら説明します。いま魚人たちを使い大森林から運河を使いグラムット帝国を囲うようにケーブルをつないでいます。これが完成すれば、皇帝の居場所も分かるでしょう。」

「アレク、お前グラムット帝国を迷宮にするつもりか。」

「そうです迷宮内ならば、位置の特定ができます。」

「その作業はどのくらいかかるのだ。」

「そうですねあと3か月もあれば完成します。」

「グラムット帝国も可哀想だな、普通の人間相手ならグラムット帝国は一番なのだろうな。」

「父上、どういう意味でしょうか。」

「アレク、そのままの意味だ。グラムット帝国も迷宮と戦争しては勝てんだろう。」

「ただグラムット帝国の西側だけは迷宮化は出来ません。運河、川がありませんのでそこだけは占領もしくは帝国民達を南側に移動させる算段が必要になります。でもこれはたぶんですが必要はないでしょう。皇帝が田舎に行くとは思えませんからね。」

「そう願いたいな。西側と一言で言っているが、普通の国なら幾つ入る事やら。はーーー。」

「父上、グラムット帝国は巨大すぎます。グラムット帝国との戦争し勝利した場合はグラムット帝国の解体もしくは何かしらの処置が必要となります。」

「そうだな出来たらローエム帝国の様に共存が出来れば一番だが、皇帝の考えが分からんからな。」

「そうですねグラムット帝国内でも皇帝に会う事の出来る者は少数と聞いています。」

「そうだな、高位の貴族でさえ会ったことの無い者が多いと聞いている。謎だらけだ。」

「父上、グラムット帝国のリア銀の者からの話ですがグラムット帝国の皇帝は神だそうですよ。」

「はーーーっ。神だと。人間だろう。」

「父上、違いますよ神の様に崇拝をしているのですよ。それが神になったのでしょう。」

「そうかだからアレクは皇帝の降伏が必要と言うのだな。」

「そうです、神の言葉なら帝国民は従いますからね。」


「そうなるとアレク、グラムット帝国の政治は誰が行っているんだ。」

「ルドルフ兄、流石ですね。多分ですが皇帝は政治には関わっていないのでしょう。」

「それ不味くないか。」

「そうです、グラムット帝国の皇帝であって皇帝ではないのです。帝国の最高権威者ですが政治力は無いのでしょう。政治は家臣が仕切っているのでしょう。もちろん報告等はされているでしょうから状況は分かっているでしょう。」

「面倒だな。政治を仕切っている者と皇帝の二つの頭がいるというわけか。」

「簡単に言えばそうですね。」


「グラムット帝国の事はもう少し情報を集めるようにしよう。各商人からでも何でも構わん、噂でも構わん全ての情報を集めろ。」


ハロルドは対グラムット帝国の戦争が近いことを感じていた。アレクが勝てるというならば勝てるのだろうと思ってはいるが、被害がないわけではない。必ず戦死者は出るのだ。その被害を少しでも少なくするためにはあらゆる情報が必要と考えたのである。




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